第79話戦う理由
ボレアスバレス、父は母の妊娠で逃亡、助けは母方の祖母だけのボロい家に寒く、夏には暑い過酷な環境でこの世に生まれ落ちた
「ちゃんと産まれた!産まれたわよ!!しっかりして!お前の赤ちゃんが産まれたんだよ!」
祖母は大量に失血している母を揺さぶり泣く名もない赤子を抱き抱え、籠に入れると母をなんとか生かす為に止血剤で母の血を止めた
しかし血を失いすぎたのか母はそのまま亡くなってしまった
5年が経過し祖母から見たら娘、私から見れば母が亡くなった事により私を攻め始め虐待の日々、そんな時に私の叫び声で駆けつけてくれたのか絵本で偉大なお方と言われている魔術師様に助けてもらった
「その子に拳を振るうな!事情は分からないがやめたまえ!」
「この子が私の娘を殺したのよッ!!!」
祖母はそれが本心なのかは未だにわからない。しかし初めて本心を聞いた私は見ず知らずの魔術師に駆け寄り初めて祖母を睨みつけまるで牙を向けるように楯突いた
「なんだいその目はッ!!!!」
怒り狂った祖母は包丁やまな板、あらゆる家具を投げ魔術師と私を攻撃したが魔術師の力によって攻撃は防がれ魔術師は風が通り過ぎるように瞬時に祖母の背後に回り魔法をかけ気絶させた
言葉を知らない私は魔術師の足元にしがみつき小鹿のように震えながら魔術師を見上げた
「私が君を、責任を持って育てよう」
魔術師の名はイーシェン、東洋人顔の若い男だった
「師匠ー!」
私にはかなりの魔術の才能があった
それも私自身7歳程度で大抵の10代を殺傷出来る程の力を生み出せる魔力量に加え、それを扱えるポテンシャル
魔法を教えてくれたイーシェンはその力を見て私を後継ぎにしようと考えていた
師匠は色々な事を教えてくれた、魔法を防ぐ為には魔力の壁を自分に纏わせ防ぐ、魔力量で圧倒されない限り壊されない……と
私が産まれた時代は魔物が今と比べ性欲が増大し、繁殖活動が盛んになり大量に増えていた
だから私は師匠と共に処理をし尽くしそして経験を積んだ私が10歳になった頃、私は手合わせをしてくれた師匠を殺した
あまりにも弱すぎた、私が放つ炎魔術で一瞬で炭になってしまった
歳が10ということもあるが私は魔物退治で得た金を頼りに国を転々とし才能を認められ最年少で騎士団に入った
その国の名はヴェルレーヌ商業国、数多くの国の中でも上位に入る軍を誇る国
私はそこで山の数の戦いを潜り抜け貴族の輩と話し続け嫌気を超え吐き気を覚えるまで、ゴマすりをし続け気に入ってもらえ好きでもない国王直属の護衛隊の騎士長となった
何故かは………分かっている、祖母や顔も知らない母や存在すら知らなかった父に認めてもらいたかったからだ
10歳から時を経て20近くになった時、私は邪教徒狩りとしてある村を殲滅する事となった
それも私が懐かしいと感じる場所、即ち祖母の家の近くだった
少し嫌な気をさせながらも邪教徒である村人を殺し家を焼き燃やし子供にも影響が出ているだろうと子供や女までも殺した
見せ様として数人連れて行き、王国で磔とし炎で公開処刑をしようとした
私は冷や汗がでてあまりの気持ち悪さに胃液が喉まできた
炎で爛れ、ただただ叫び懇願している祖母の姿があった
私が気づいた頃にはそこらの皮膚は垂れ下がりなんとも醜い姿になっていた
「バレス、どうした?」
深い記憶の中にあったモノ、かつて師匠と呼んだイーシェンという男を焼き殺した時のあの"異臭"にそっくりだった
「なにもない、こうなるのもわかっているのに信仰をする此奴らに吐き気がするだけだ」
「お前、辛辣だなー」
するとついでに捕まえておいた女が向こうで叫んでいた
「ボレアスバレス!お前をぶっ殺してやるからなー!覚えとけよ!!」
それを見たボレアスバレスは友人はあくびをしてそいつに親指で指差した
「もっと"気楽"にいこうぜ?"気楽"に……な?」
その出来事が起きてから数日後、私はある孤児院帰りに城下町の見回りをしていた
なぜ孤児院に行っていたかと言うと私はほぼ1人のようなもの、孤児院で子供を紹介しできるだけ子供達を幸せにしようと努力をしていた真っ最中だったのだ
だがこの日、現在では亡国事件と言われている
そしてこの災悪は突如この国に降り注いだ
竜人族を示す紋章を刻んである戦闘服に国をたった1人でめちゃくちゃに破壊した男
国王護衛隊という地位にいながらも誰も歯が立たず私は炎魔術を使い殺すには至らなかったが退治する事は出来た
「た、助けて………」
戦闘に夢中になっていたせいか孤児院に突っ込んでいたらしくぐちゃぐちゃに焼かれ死んでいる子供達や管理をする大人達を焼き殺していた
この時気がついた、私は何をしても全てを燃やし尽くす母も師匠も祖母も、何もかも殺す悪魔だと
私は王国全土を焼き尽くしその罪を突如現れた男になすりつけ私は罪から逃れた
そして私はエルドリアから招集され行くと歓迎された
するとこう言われた、お前は今から騎士長だと、十騎士を殲滅する部隊の長だと言われた
気楽に行きたい、気楽に"生きたい"はずなのに神様は私に無理を押し付ける
無理ではない、罰だ
ボレアスバレス周辺は途轍もなく暑くジャガイやタルタレーゼは数十秒で汗びっしょりとなった
「なによこの暑さ!こんなの聞いてないわよ!!」
「くそ……近づくだけで焼けそうだ!」
血だらけのボレアスバレスは上半身を起こし魔法を詠唱し始めた
「赤き種火よ、我が手に宿れ」
「種火」
ボレアスバレスの手の平にはまるで太陽のように拡張し超巨大な炎の玉が現れた
「今の!しょ、初級魔術のはずだろ!!?」
「ジャガイ!距離を取るわよ!いくらあなたでも再生できない!!」
「分かってる!」
タルタレーゼは自分とジャガイや他の銭湯に夢中な仲間達を氷魔法で守りつつボレアスバレスから距離を空けようと走り始めた
「私の爆発を……あまり舐めるなよ」
ボレアスバレスが唱え放った超巨大な炎の玉は小さくなりボレアスバレスが手を閉じるのと同時に炎の玉は消えた
そして小さな種火になりその種火はゆっくりと地面に落ち種火は地面に着いた
ゾゾゾゾゾ!!!!!!!
炎が一瞬にして地面に広がり炎はボレアスバレスを中心として直径3キロが炎の海と化した
「熱いッ!!!熱いよーー!!!」
「水!水は何処だ!!!」
「死ぬー!!死ぬーー!!!!」
敵味方問わず炎で巻き込み炎で包み込む
「ジャガイ!早くアイツを殺すよ!!」
「おう!」
タルタレーゼはジャガイの体に氷を纏わせジャガイは氷の鎧を身につけた
そして獄炎の中を走り抜けボレアスバレスの前に飛び出す
「タアァァア!!!!!!!」
「火よ、地を走れ」
「火走り」
ボレアスバレスが指で叩いた地面の箇所から炎の柱が数百メートルに渡って走り高さは50メートル程の大きな炎の壁となった
「うおっ!!!!!」
ジャガイはその炎の壁に巻き込まれてタルタレーゼの氷のおかげもあり生きてはいるが氷で覆われている箇所以外は全て大火傷を負っていた
そしてボレアスバレスは立ち上がり手に有り余った炎を剣に宿らせ一太刀の斬撃を振るった
ザンッ!!!!!!!!
刃からは炎の斬撃が飛ばされその斬撃はジャガイを一瞬で溶かし尽くし後ろの方にいたタルタレーゼも斬撃によって真っ二つに、敵味方問わずその斬撃の方面は炎で埋め尽くされた
ボレアスバレスは後ろを見る
そこには目指していたエレーミア神聖国を覆う壁があり大門がもう目の前にある
行かなければ……!!!
ボレアスバレスの傷口は炎で癒え塞がれ走りボレアスバレスに向かって突撃してくる敵達を退けながら走って向かった
味方を殺しその怨霊が背中にへばりついていても、敵を殺し世界を救う為なら仕方のない行為だと言い聞かせて自分が一番呪う魔法を使い突き進んで行く
すると空からは1人の男が降りて行きボレアスバレスのすぐ目の前に着地した
凄まじい重力に一瞬でボレアスバレス含む敵達は地面にひれ伏され炎は潰され逃げ場がなくなり一瞬で消火された
「めちゃくちゃやりやがって、バストラーゼ以外にも化け物はいたのか」
ボレアスバレスの目の前に立ち塞がったのは十騎士の1人、チョコでありチョコはひれ伏すボレアスバレスに向けて指先から魔力の塊を放出するとボレアスバレスは頭を上げて閃光を避けた
「そう焦るな、俺の重力魔法ももう限界だ」
チョコが周囲に出していた重力魔法は消え去りボレアスバレスの身は軽くなった
「それにしても穴埋めでいれた奴らがこうも次々とやられちゃあな……本当に負けちまうかもな」
ボレアスバレスはその男に見覚えがあった
「チョコ・チョテルカン、舞踏会振りだな」
「その名前よせよ、嫌いで嫌いで耳障りなんだ」
軽くなった
突如ボレアスバレスは宙に浮いた
!!?
困惑している暇もなくチョコはボレアスバレスの足を掴み地面に叩きつけようと腕を振る瞬間、重力を重くしボレアスバレスが地面に衝突すると大きなクレーターが出来た
「かはっ………!!!!!」
ボレアスバレスは意識を失いそうになりながらも根性で意識を保ち目でチョコを捉えた
炎魔術を叩き込んでやる……!!!
「終わりだ、ボレアスバレス」
ボレアスバレスが魔法を唱える前にチョコの指先から放った魔力の塊はボレアスバレスの胸に衝突し物凄い衝撃を与えて吹き飛ばしボレアスバレスは気を失った
「今回は顔見知りだからな、今回だけだぜ」
チョコはボレアスバレスを担ぐと重力魔法と身体強化魔法を活かして一瞬で飛び上がり壁外から壁内へと移動すると安全そうな建物の中に座らせて置いて行きチョコはまた任務を全うしに行った




