第77話野戦大合戦
カーテンの隙間から出ている太陽の光が俺の瞼を刺激し俺は目が覚めると横にはミアがいた
可愛らしく手放してしまった理由がわかる
失う時が怖いからだ、だがもうそうはならない
そして俺はミアを起こさないようそっと離れ服に着替え誰にも目撃されないようこっそりと廊下に出た
「げっ!」
こっそり忍足で行こうと思ったのに廊下に出て一番最初に出会ったのはあのリュークだった
たまたま散歩がてらここを歩いていたのかなにをしていたのかは知らないが一番会いたくない奴と鉢合わせしてしまった
それにミアの部屋から出た所を見られているだろうしなんて言い訳しよう……いいや、する意味なんかないか?だとしてもリューク相手だと面倒臭そうだ
「小童、なぜミアの部屋から出て来た?そこはお前の部屋ではないだろう」
リュークは案の定突っかかって来た
その目は俺をまるで敵のように見ており今にでも腰に下げている刀を引き抜いて俺の首を切り落としてきそうな程の威圧感を出している
「別にいいじゃねえか、他人の事情に興味あんのかよ」
「そこまでして首を突っ込みたいか?」
「………死なせるのではないぞ、小童」
俺に対してなにやらイチャモンをつけてくるリュークは今日はなぜか文句は言わなかった
戦前だからなのか神経質になっているのか?いや、リュークの事だから更に言って来そう
そう思っていたのにあっさりと俺の横を通り過ぎて行き廊下を歩いて行った
「まあいいか」
そうして俺は自分の部屋にて装備に着替え大剣を背中に、刀を腰に下げた
全員戦争の支度が出来ると馬に乗り国民からの応援を浴びせられながらエレーミア神聖国に続く道を歩く
歓声が大きく聞こえ心が高鳴り緊張する
「では最前線へ向かうぞ、いいな」
『はい!!!!』
ボレアスバレスの命令と共に後ろから王国で待機していた精鋭と七新星の下部組織である選抜で選ばれた兵士達が声を上げた
「エディ、調子は?」
珍しくボレアスバレスが俺に話しかけてきて急な事で俺は少し驚きながら言った
「バッチシだ」
そして俺は馬を走らせまるで火を追いかける蛾のように最前線にある拠点へと向かって行った
1時間後、向かった先にある場所はエルドリア王国が奪った元エレーミア神聖国の拠点
俺達が主な拠点としているここは広く周りには水や食料もある為かなり好都合な拠点
ほぼ全員魔力無しの七新星に出来る事は精鋭達が戦力を削ぎ城まで攻めるのを待つだけ
作戦開始4時間前、そこで暇になった俺は作戦の一つであるバストラーゼのある策を見に来た
場所は拠点から少し離れた平らな草原
そこには角度がつけられた支えが作られ置かれておりバストラーゼは魔法を唱えあの大槍をデカくデカく更にデカくして支えに乗せていた
「うっわ、これがバストラーゼの採用された例の策ってやつか」
「ん?エディじゃないか、ここに何しに?」
「様子を見に来ただけだ。それにしても俺が消えて2年間の間、凄え数準備してたんだな」
ずらりと、まるで弾道ミサイルのようにエレーミアに向けて置かれている
「なぜエレーミア神聖国に向けて魔法を放てないか知ってるか?」
「いいや」
「我々、国に向けての攻撃が開始されれば手動だが魔法結界を張る事が出来る。かなり強力な魔法を防ぐ事もできる優れた魔法結界なのさ」
「だが縦15メートル、幅7メートルのエレーミアが誇る砲台の撃墜を防ぐ耐久性を持ち同時発射すればいくら魔法結界とはいえ破壊されるか対応が出来なくなる。計算が合っていればの話だがな」
「そして私達がこの拠点を攻め落として2年弱で1日5個、年中休まず作った3650の超強力な大槍だ」
「流石に十騎士でもこれは対応できないんじゃないのか?」
「ああ、当然だ」
話を聞いているとそこに俺はある疑問を抱いた
「発射ってどうやるんだよ」
「そんなの簡単さ、これ、全部詠唱を途中でやめて作ってるから私が完全に詠唱を唱え終えれば一気にエレーミアに向かって進んでくれる」
「作る時はかなりの魔力を消費するから大変なんだけどね」
「発射する時は消費しねぇのか?」
「うん」
「そういや鍛錬中ミアはどうだった?カストルフォスも」
「カストルフォスは鎧に備わってる魔力砲台に加えて剣も扱えるようになってね、ミアは元々凄い剣術の才能があったからカストルフォスに勝てるぐらい強くなったよ」
「カストルフォスの魔力砲台?そんなの聞いたことないぞ」
「そりゃ秘密にしてるからね、魔力で超強力な電流を生み出して雷の如く破壊的なパワーを発射するやつだ。一回も使ってる所見たことないから、それ程魔力を消費するんだと思うよ」
「アイツ、そんな強そうなもん隠してたんだな」
そうバストラーゼと2人の会話をしているとバストラーゼは前線に出迎わなくてはならなく思い出したのか急いで向かって行った
そこに取り残された俺はどうにかして時間を潰そうと次はまだ前線には行ってないであろうカストルフォスがいる場所へやって来た
そこは図書室、最近やたらとアストレアとバーニスに絡んでいるからここにいるだろうと思い足を運んだ
扉を開け図書室に入ると騒がしくバーニスとカストルフォスがはしゃいでいる声が聞こえて来た
本棚からこっそり見るとアストレアをおちょくっているのかアストレアは怒りながらバーニスとカストルフォスを追いかけていた
「場違いか……」
俺は邪魔しないでおこうと図書室を出て次はメイデンに会いに行こうと真面目なアイツは会議室だろうと思いそこへ足を運んだ
バサッ
会議室である広いテントに入ると予想通りメイデンは椅子に座って緊張しているのか何度も何度も地図を見て作戦内容を確認していた
「なんだかんだ言って真正面で話すのは久しぶりだな、メイデン」
メイデンに傷を負わせそれ以降少し気まずいがこれを機に謝ろう
そう思い俺はメイデンの横の椅子に座った
「エディ………」
「あの時、あの砦であった事、お前に傷を負わせた事に謝りたい」
「本当に、本当に申し訳……」
「別にいいわよ、そんなの」
「な、何言って……」
「もう聞きたくない、もし私がそれについて怒ってるんだとしたらアフライトの時、会った時に言ってたでしょ?」
「つまり私がここまであなたを追って来た理由はただ単に止めようとしただけ、別に謝らせようと思って来てたわけじゃないんだから」
「それに、私がエディに協力するのは魔法学院の17年間の1年から3年間までの完全無償化を条件に、だから別に魔術師を殺す為に協力してるわけじゃない」
「じゃあ今のお前は何を目的に俺に近づいた?メイデンは学院を抜けた、また試験を受けて入るのか?」
「次の未来の子達の為にしてるの」
「……お前のそういうとこ、変だよな、普通自分の利益の為にやるだろ」
「なに?一緒に風呂に入れさせるわよ」
「なんじゃそりゃ……って、懐かしいな、それ」
「でしょ?それと思い出した、私の条件を満たす代わりにエディも私が出す約束を果たして」
「なんだ?次期王様に任せとけ」
「約束の内容はミアに二度と傷つける事をしないこと、絶対に幸せにしてあげて」
「ああ、もちろん」
「じゃあ、また3時間後な」
「ええ」
そうしてメイデンと別れ俺はこの3時間何をしようかと考えながら俺の所に配属されている兵士と挨拶したり計画の確認や方向を間違えないように地図を見たり馬や武器の整備を終わらせながら暇を潰した
そして3時間が経過した午前8時、ボレアスバレス率いる精鋭達やエルドリアの兵士達が出動した




