第68話新たな武器
舞踏会は終わり翌日に備えて風呂に入るとすぐ寝る事にした
散らかっている部屋はまだ気づかれていないがもし見られたらどう言い訳しよう、自分で暴れた?そんなの恥ずかしい。そんな事を考えながら眠りについた
朝、目が覚めると目の前には召使いであるラッセルがいた
「う、うわ、お前プライバシーとか知らねえのかよ」
「すみません……トマソン様から昨日の舞踏会での武器を見ると言う約束を……」
「覚えてるって、トマソンも人使い荒いな」
時間を見ると朝の6時、ラッセルはまともに寝てるのか?
そう思いながらもラッセルをこの部屋から追い出し寝癖を治して冒険する時の服じゃない適当な服に着替え落ち着かないながらもエルドリア王国の王城の中にある自分の部屋から出て約束していた教会へ向かった
教会の装飾には魔術師殺しである自分の像や剣、殺された十騎士の像に剣が刺されていたり教会と呼んでいいのか分からない程残虐な外見をしていた
それに自分がああ言う風に見られていると思うと恥ずかしい意味で背筋がゾッとする
「お待たせさせてしまいましたね、エディ」
「エディー来たよー!」
トマソンとカストルフォスも無事にやって来て3人は合流した
トマソンは思っていた通り紳士のような格好をしていて教会の神父と言われても違和感ない
それに加えてカストルフォスは可愛らしい服装をしていて2人がこう並んでいると唐辛子とハチミツを一緒に食べているような気持ちの悪い感覚に陥った
「では鍛冶屋に向かいましょうか」
「ああ」
「行くぞー!」
集まった教会から離れトマソンは城下町へと下った
城下町は他の国とは比べ物にならない程復興が進んでおり壊された建物も少しずつ見かけなくなって来た
坂道を歩いていると目にしたのは公園だった
ボール遊びや追いかけっこしている子供達、それを見ている母親
当然どちらか、または両方死んでしまった人達もいるんだろうが他の国と比べたらまるで違う
するとボール遊びをしていた子供達が使っていたボールが俺の足元に転がって来た
野球ボール程の大きさで子供の片方の手にはグローブらしき物が付けられてある
「お兄さん!それ取って!」
俺は子供に向けてボールを投げた
もし子供が出来たとしたらこう言う光景を見るのだろうか
昔は結婚は負けだと本気で信じていたが馬鹿馬鹿しい、こんなにも安らぎを得れるだなんて
そう思ってしまったせいか顔に出ていたのだろう、トマソンが俺の顔を見た
その顔は失った時の絶望を知ってるようだった
「ありがとお兄さん!」
「ああ」
そうして歩き出し辿り着いたのは王城の敷地内に入る西門近くにある鍛冶屋だった
ここら辺は武器や薬が盛んで少し歩くと宿屋もある、ここら辺は冒険者らが多いのか?
トマソンは裏口から鍛冶屋に入り俺はカストルフォスの後ろに着いて行って中に入った
「らっしゃい」
背が小さく子供かと思ったら声はおっさん
こういうチビで鍛冶屋って事は……
「なあ、まさかだとは思うが……」
「先に言うべきだったな、彼はドワーフだ」
この世界では初めてか?色んなトカゲだったり獣人だったり獣だったり……色んな奴がいるな、この世界は
「うわー!私、初めて見た!ドワーフ!」
「すまないなバス、この子が騒いでしまって」
バスと言われるドワーフは禿頭を掻きながらどうも思ってなさそうに言った
「別にいいさ、ドワーフは今じゃ珍しい種族だからな。そんでトマソン、何しに来た?」
「武器と防具を見に来た、それと彼の武器を見てくれないか?」
トマソンがそう言うとバスは俺に向かって手を伸ばし俺は武器や防具をいじってるカストルフォスに目が行くが気を取り直してバスに剣を渡した
バスはじっくりと大剣を見る
「良い剣だ、誰から貰った」
「父さんからだ」
「へぇー、親父さんに感謝しとくんだな……本当に上質な剣だ、良い剣だぜ」
バスはじっくり見るなりすぐ俺に剣を返してくれた
普通こういうのは強くなるようにドワーフの知恵で強化したりなんかしたりするもんじゃないのか?
「なあドワーフさん、この剣って……特殊な何かが付いてたりしないのかよ」
「いや伝説の剣でもないし、しっかり手入れもされてるから愛着あるのか」
「唯一の遺品だからな」
「そうか、大事にしろよ」
「………それで、これ本当によく斬れるんだ、特殊効果とか……なかったら付けれたり出来るか?」
「無理無理、エルフだったらいけるんじゃねえのか?まあエルフの輩は鎖国してるし無理だろうけどよ」
「そんでトマソン、この男に武器を見せたいのか?」
「ああ、お前の傑作、見せてやってくれ」
「わかった。そこの、こっち来い」
バスに言われて俺は表の方へ移動させられそこには防具や武器が売られておりカウンターがある事からここが商売をする所だった
俺は歩き回って自分に合いそうな武器を見ているとバスが近づいて来る
「防具は?俺のは好みじゃねえってか」
「違う違う、デカい武器使うから重すぎて身動きとれなくなっちまうからな、防具は軽いやつでいいんだ」
「そうかよ」
俺はバスに見られながら武器を見て回る
俺の大剣みたいにデカいのはないが俺のより二回りぐらい小さい大剣、鞘からして凄そうな刀、貴族や王族が腰に下げているような細身の剣や刺突剣など様々な武器があった
この刀、前世の時の気持ちも入っているせいで妙にそれが目が入る
「どうだ、気に入ったのはあったか?大剣を使うお前だとこれが良さそうだがな」
バスは俺が少し気になっていたあの刀を指差し俺はその刀を取って鞘から引き抜いた
刀の刀身には波模様があってあまりよく知らない俺でも凄いのがわかった
「これは良さそうだな」
「大剣を使うお前には小回りも効く武器も必要だろ、それにその刀は魔法を切る魔法をかけられている」
「そりゃ凄いな、いくらなんだ?」
「上質な鉄と鉄の冒険者である魔術師の呪文がかけられてある、金貨25枚ってとこだ」
「それは私が払おう、エディ」
後ろから現れたのはトマソンだった
足音も立てずに迫って来るとか、こいつ結構怖いな
「態々ありがとな、いつか礼をするよ」
「そんな事しなくてもいいさ、十騎士を倒す時、その時が私にとっての礼だ」
「そりゃどうも」
俺は刀を腰に下げるのか何処にやるのか分からないがとりあえず鞘に付いている帯を腰に巻いてトマソンが会計を済ませた
その後、カウンターにて俺はバスに聞かれた
「アンタが噂の魔術師殺しなのか?」
「そうだ」
「そうか……思いっきりぶっ殺せ」
その表情は復讐に燃えていて俺は黙って頷いた
そして裏にいるわんぱくなカストルフォスを連れて裏口から出た
「今回はありがとな、本当に」
「いいさ、その刀は一級品で君が持てばまさに鬼に金棒。私からすれば安いものさ」
「エディなに買ったの?見せて!」
カストルフォスに腰に下げてある刀を見せると目をキラキラさせて飛び跳ねた
「かっけぇー!私も欲しいなー!」
「カストルフォス……君には大きな魔法の鎧があるだろう?」
「物足りないよー」
カストルフォスの腹が鳴った後、俺達は酒場へ向かい軽食を食べる事にした
しばらくして夜中になりまた作戦会議が始まった
長い口論の末、作戦は決まり準備が万全になる一週間後に作戦開始となった
俺はその間刀の使い方を教えてもらい、備える事に
一週間経ったエルドリア王国にメイデン達が到着し、そしてジェイクもあと一歩先となった




