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魔術師殺しの転生者  作者: とまてるの
第二章十騎士殺し
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第62話魔女の世界

「どうにかできないのか?」


魔術師殺し達が世界を飛び回ってから4日目が経過した朝

俺はヤツとの戦いで負傷した後"魔女の森"と言われる魔女が持っている白い特殊な魔石で入れる世界に入りアストレアがお師匠と呼ぶエリーゼにここ4日間治療してもらっていた

エリーゼが言うにはこの世界に入っている間は外の情報は分からないらしく十騎士が俺に対してどんな対処をしているかも分からない

今、5人にまで減った十騎士達がどんな対応をするのか知りたかったが仕方がない、傷が治る代償だと思っておこう

そして俺は魔女の森の家の中にある研究室にてそのエリーゼにあるお願いをしていた


「アンタの話が本当なら中に入っている魂はこれに入れる」


エリーゼは研究室にある鉄で出来た大きな重装の鎧をコンコンと叩いた

厚さは大きくついさっきエリーゼに言われて着てみたが重過ぎてびくともしなかった

エリーゼに聞いてみるとどうやらこの甲冑は昔、ある男が借りに来てそれ以降使われてないんだと

この鎧自体莫大な魔力を帯びていて腕から体を溶かす魔力弾や強力な魔法も防ぐ透明な盾が付いている品物なんだと、昔にはこれを着ていたとんだ化け物がいたもんだ


「俺の中に入ってる奴をその鎧の中に?魔女の魔術ってのは凄いな」


魔女の魔術と言う言葉で聞きたい事を思い出した


「そういや聞きたかったんだがお前ら魔女と魔術師の詠唱はなんで若干違うんだ?」


「私らのは古典的でアイツらのは最新で威力が高い。でも私らの方が精度が上」


「へえ、そんで話の続きをしてくれ」


エリーゼは俺に近づき肩に指を触れて後ろに回った


「問題なのはこの中に入ってるもう一つの魂を抜き取る事、それが難しいの」


「なんで」


「だって普通一つの肉体に二つの魂入るわけないでしょ?長い事生きてるけどそんな体に入ってる魂なんか抜き取った事ないしやろうと思ったらアンタの魂取っちゃうかもしれない」


「なんとかならねえのかよ」


エリーゼは机に手を置き窓から外を眺め考える


「………よし、私が1週間…」


エリーゼが手を伸ばすと箒がゆっくり空を飛びながら来てエリーゼの手元に浮かんだ


「魔女の世界を飛び回って準備する。そしたらいけるはずよ」


「本当か?」


「ええ、400年以上生きた私に任せてちょうだい」


「本当にありがとう、感謝するよ」


「その代わり、何かお礼考えといてね?」


「ああ」


あんなザ・魔女みたいな箒あるんだな

そう思っていると研究室に入る扉からバーニスが入って来た


「エディ君、アストレアちゃんが外に繋がる門そろそろ開くから来てって」


「わかった、傷はもう平気か?」


「うん!」


言い終わるとバーニスは駆け足で帰って行った

外に繋がる門とはこの家から出て数十メートル先にある湖の上にある元々いたあの世界に行く為の門の事

アストレアはここ4日程ずっと魔力を注ぎ続けようやく門が開いたらしい

エーリゼのおかげで傷はだいぶ治ったし調子も良い

俺は振り返ってエーリゼに言った


「そんじゃ言ってくる、また1週間後に来ると思う」


「そう、わかった。じゃあ私はアンタらを見送ったら面倒臭い準備にでも行こうかね」


「……どうして俺のお願いをやってくれるんだ、そんな俺達仲良いわけでもないだろ」


エーリゼは机に置いてあったタバコの箱を掴みタバコを取り出した


「アストレアがどうやって生まれたか、知ってるかい?」


「いや」


確かに、アイツ、あまり自分の幼少期の話してくれた事なかったな


「アストレアはね、魔女狩りをされ木に吊るされた母体から出て来たんだ」


「木に吊るされた母親から?」


「そう、私はその母とは信頼関係にあったから駆け付けた時に見つけたんだ。母はもう死んでたよ」


「アストレアは冷たくて冷たくて………アンタはアストレアを守ってくれてる、惚れてるアンタにね、もちろんバーニスも」


「アストレアの気持ちは断ってあげて?アンタは不器用だし、好きな女はほったらかすしさ」


「ほんと、いっその事復讐捨ててその女と暮らしたらどうだい?」


「お、おい、なんでそこまで………」


「寝てる間に頭をちょっと見させてもらった」


「気色悪い事すんなよ……まあ、それでこんなに協力してくれるなら好都合だ」


エリーゼはタバコを咥え魔法で指先に火を灯し火を付けた


「無詠唱魔術?」


「ええそうよ、凄いでしょ」


「前に1人見た事あるからあんまり」


「あっそう」


俺は研究室にて隅に置いていた荷物を掴み大剣を背中に携えた

そして研究室の扉を開き部屋から出ようとした


「ありがとう」


俺は扉を開けて廊下に出た

そして歩いていると肩に手を置かれて後ろに振り向かされる

そこにいたのはデットだった


「1週間だってよ、お前ヘマして死にやがったらタダじゃおかねえからな」


肉体ない奴が何言ってんだか、俺がそんな死にそうにみえるか?今までだって強運があってからこそ俺は勝ってる

また戦うかもしんねえが死なねえよ


「ならいい、まあ……そうだな、お前なら死なねえか」


そしてデットは潔く消え俺は廊下を歩き家の外に出た

外は草木が生い茂っていて空気は美味しく一生ここに居たいなと思うぐらい安心出来る

あと5人

5人になるまで減らしたんだ、あともう一息だ

皆んなの為だ

プルプルと小刻みな震える手を見て俺は目を瞑りポケットに突っ込んだ

分かっていた、いくら自分が竜人族だろうと両親は竜人族の欠陥品、俺はそう他の族と比べたら強くはない

それに俺の体はボロクズ同然で機械にガムテープを貼って無理矢理動かしてるようなもんだ、いずれガタが来る

そうして歩いていると奥の方にアストレアが門を完成させ湖にいたせいか濡れていてどうやら着替えているようだった

そしてベンチに座って待っているバーニスも見えた


「待たせたな」


「丁度終わったから良かったわ、エディも準備出来た?」


「ああ、バーニスは?」


「私は2日前からずっっっとね」


脚をブラブラさせながら言いバーニスはベンチから降りるとアストレアと共に歩き出した

目の前の湖は太陽の光に照らされ神秘的な風景となっていた


「………」


俺は2人の歩いて仲良くじゃれあっている光景を見て胸が落ち着く

なんだか老けたみたいだ、まあ精神年齢は40代くらいだし、本当にそうなのかもな

歩き出すとすぐ2人に追い付き顔を見合わせ3人同時で門を潜った

眩しい光に包まれ目を開けるとそこは見知らぬ場所だった

あの霧の森、晴れたらこんな映えそうな場所になるんだな


「アストレア、お前が言ってたバーラス島国ってのはどんな………」


アストレアの表情は固くなっていて俺は屈んで聞いた


「どうした」


「き、霧の森じゃない……ここ、霧の森じゃないの」


「は?そんな事なら別にいいじゃねえか」


「この木、鳥の種類、ここはバーラス島国みたい……」


「好都合だな」


「私が言いたいのはそういう事じゃなくて霧の森に行くようにしたのにバーラス島国にされたって事、つまり霧の森は跡形もなく消し炭になってるの」


瞬きをするといつの間にかデットが目の前にいてデットは俺に近づき行った


「町に行け、なにか変だ」


俺達がこの世界にいない間、なにかあったのか?その勘、間違ってねえだろうな


「ああ間違いねえ、やべえのがいる」


俺は動揺しているアストレアに向かって言う


「アストレア、とりあえず町に行こう」


「そ、そうね」


「エディ君、アストレアちゃん、着いて来て」


バーニスは闇魔術で作ったであろう気味が悪いドクロのランタンを使ってバーニスは歩き出した


「この魔法は集団してる魔力に反応する、町に向かうこれがいい」


「そうね、エディ行きましょ」


「ああ」


そしてしばらく森の中を歩く

ここは山のようで降って行き平坦になると密集している木の隙間から町が見えた

だがその町の建物は崩壊していて地面で誰かが戦っていた


「死ねッ!!!!」


短髪の青年の男の子が地べたに倒れている髪がサラサラの男に向かって拳を振り下ろし顔面を殴っていた


「二度と!皆んなに手を出すな!悪党め!!」


「イミシェル!?」


アストレアは坂道を駆け下り崩壊して歩きずらい瓦礫の上を走りイミシェルに近づいた


グシャッ


アストレアは何かを踏み下を見ると落ちた瓦礫で頭が潰され髪の毛だけが残っているであろう残骸だった

イミシェルは男の長い髪を引っ張り足で思いっきり踏むと男の顔面は潰され変形した

そしてイミシェルの後ろから義手が破損している男が空を飛びながらイミシェルの背中に抱きつき壁に激突させようとするがイミシェルは肘を使って男の顔を殴り顔を掴んで地面に押さえ付けた

男はすぐ体勢を立て直すがイミシェルは隙を与えず男が攻撃するのと同時に体を回転させ避けて手の甲で男の顔を殴り鼻や口からドバドバと血を流させた


「終わりだ」


イミシェルは男の胸ぐらを引っ張り何度も拳を男の顔面に叩きつけ男はフラフラと地面に倒れた


「イミシェル!」


アストレアがイミシェルに走って近づこうとするとイミシェルは一瞬攻撃の体勢をとった後、すぐ拳を解いてアストレアに抱きついた


「お、俺、俺のせいで……皆んな死んだ!バケストラ王国からコイツらを遠ざけようと……すぐ倒せると思ってたから…でも!でも俺の故郷は!!」


「落ち着いて、生きてる人を助けましょ」


アストレアが膝から崩れ落ちたイミシェルに肩を貸してイミシェルは立ち上がった

そして俺を見るや否や涙を流し拳を振るって来た


「まだいたのか!アストレア!手を貸してくれ!!」


俺は拳を受け止めしっかりと握りイミシェルが必死に振り解こうとしても解けない程しっかりと握った


「イミシェル!!!」


アストレアは魔女の力を使ってイミシェルを気絶させ寝かせた


「一体どうしたのよ…」


「きっと疲れてたんでしょ、私もそんな感じのあったからさ」


バーニスがアストレアが心配しているのを適当にあしらい死体を見るとバーニスの目は大きく開かれた


「アストレアはイミシェルの手当てを、バーニスどうした」


異常を察知した俺はバーニスの後ろに立ち方に手を置いた

そして俺はすぐにバーニスが驚いた理由がわかった

俺の顔をした男……いや、俺が顔を潰され死んでいたのだ

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