第6話一狩り
俺達はゴブリン狩りへ向かい洞窟の中に入った
ゴブリンの洞窟内には松明が付いていた跡がありもうとっくの昔に探索済みと分かる
「アフライト」
「なんだ?」
「ここもう探索済みなんだろ?なんでゴブリンがここに住んでるんだよ」
「エディ、お前ゴブリンが鉱物とか宝物を穿り出すと思ってんのか?ゴブリンは馬鹿だから単純に住めればいいんだよ」
「なるほど」
「まあ馬鹿って言ってもズル賢いがな」
「ズル賢いって例えば?」
俺がそう言うと先頭を行っていたミアが後ろを振り向いて俺の頭の横目掛けて腕を突き出し壁ドンしてきた、と思っていたが勘違いで俺が壁だと思っていた後ろには小さく俺より少し小さい子が入れるようなスペースがあった
「お見事だミア、女の子なのに凄いな」
「でしょ」
「な、なんで空間があるって分かったんだ。凄いな」
「言ったでしょ、私昔から魔物狩りに行ってたお父さんに着いて来てたって」
「だからこういうゴブリンの小賢しいやつは大体勘で分かるの」
「すげぇ……アフライトもわかってたのか?」
「ミアとお前を試す為に黙ってただけだからな、当然分かってた」
「じゃあ俺だけ置いて行かれてんのかよ……」
「よしミア、別の道があると言う事は奴らにかなり近づいてる。居場所を交換だ」
「はーい」
アフライトとミアの居場所が変わり俺の後ろにミアがいる事となった
「エディ、私がしっかり守ってあげるからね」
「その剣術、元々俺から学んだもんだろ。あんまり俺の事舐めてんじゃねえよ」
「はいはーい」
「後ろのお二人さんイチャイチャしてないで行くぞ」
「い、イチャイチャって、言わなくても……」
俺が後ろを見るとミアは少し顔を赤くして黙り込んでいた
そういや俺、ミアに本心伝えてたもんな
ほんと忘れててくれよな、俺も思い出すと恥ずかしいのに
「さあ行くぞ」
そして少し歩いていると太陽の光が全く入らない場所に入りアフライトはポケットから石を取り出して唱え始めた
「我に光の力を貸したまえ」
すると石は電灯のように光出し周りを明るく照らした
「石が光った!」
「これは魔石だ、神ルモスから力を受けこれで未然に事故を防げる」
「いいなー私もそれ欲しー」
「いいだろ?渡さねえけどな」
そしてアフライトはその石を頼りに進み出した
それにしてもあの魔石とか言うやつ明るいな、ミアがいるこの後ろにまでも光が届いてる
ゲームじゃ望む場所に移動できたりする石もあるからこの世界にもあるのか?
徐々に俺はこの太陽の光が入らない場所で緊張し始めなにからなにまで疑わしくなってきた
後ろから奇襲とか仕掛けて来ないのか?洞窟はほぼ一本道だし、それにあの壁のスペースだってきっと……
てか生物がいる気配もないし俺達以外いるのか?
「後ろにゴブリン!!」
ミアが突如大声を出し俺はびっくりして体を震わせた
するとガキンと金属と硬い何かがぶつかる音がしてミアがいる後ろを振り返るとミアがゴブリンの攻撃を防いでいた
「う、うわぁぁあ!!!」
俺はあまりの異様さに叫び声を上げた
肌は生々しく少し汚れた灰色のような色で目は不気味に丸々としながらも確かな殺意を持っている
前世じゃこんなの見たこともないしこんな逃げ場もなくて緊迫した状態じゃ叫びたくもなる
だが無意識に俺は腰に携えていた剣を振り下ろしミアの肩を通ってミアを抑え込んでいたゴブリンの頭をかち割った
「ありがと!あと2匹くるからね!」
「マジかよ!!」
「真正面にも来やがったぞ!皆んな歯ァ食い縛れよ!!」
「エディは私が攻撃をふせぐから今みたいに倒して!」
「わ、分かった!!」
後ろにいる2匹のゴブリンは一斉に掛かりミアは小盾を使って防ぐ
そして俺は剣を振り下ろしゴブリンの頭を真っ二つに裂いた
そしてもう1匹は後退りをして距離を置き様子を見ている
「突撃するから援護して!」
「う、うん!」
ミアは体を犠牲にしてゴブリンに向かって突進して行った
小盾でゴブリンの胸を押しゴブリンは怯む
その間に俺は剣を突き立ててゴブリンの腹を貫いた
「グギャ!!!!!」
腹を抑えて叫ぶゴブリンは苦しみ何かを言い出した
聞き取れなくて何を言っているのか分からない
ゴブリンは次第に脚を崩して血が流れている箇所から手を離し両手で天を見て祈る
こんな奴らにも神はいる
奴から爛れ出る内臓物を見ながら俺は思った
「エディ!アフライトを手伝いましょ!」
「………」
今まで感じた事のないこの緊張感
そして自分を真っ赤な血で濡らす血液
ピクリとも動かなくなってしまった3匹のゴブリン
何も楽しくないし過剰なストレスが俺を襲う
それはまだマシだ
俺が思ったのはこの行為は"魔術師"としている事が同じと言う事
頭が真っ白になってただ剣を握っている事だけが分かった
「エディ!!」
「あ、ああ」
考え事をしている暇じゃない
俺は先頭にいたアフライトを助ける為に前へと少し戻る
「だあっ!!!!!」
アフライトは鋭い戦鎚を薙ぎ払いゴブリンの頭を破壊した
その周りには腹や胸を貫かれているゴブリンが死んでいた
「これでどうやら最後みたいだ」
アフライトは汗を拭き首に人間の頭蓋骨をぶら下げている親玉と思われるゴブリンにトドメを刺す
「ギギャァァア!!!!!!」
親玉は最後まで足掻きアフライトの手の甲を引っ掻いた
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ」
「アフライト一様処置だけしておこうよ、感染とかしたらダメでしょ?」
ミアが心配してバックから包帯や消毒を取り出そうとした
「感染なんかしないさ」
「そ、そう?」
ミアは俺の方を見ながら包帯やらをバックにしまう
アフライトの奴、なんか引っかかるな
それにしてもこの数分間でこんなに疲れるとは思わなかった
皆んな俺とはレベルが違うんだろうか
「ゴブリン共は討伐し終わったしさっさと戻ろう」
「そうね」
「ま、待ってください。なんでゴブリンを殺したんですか?」
「報酬が貰えるからな、農業したり家畜を売ったりしてても足りない時があるんだ」
「それでも殺すだなんて……」
「これも生き残る為だ。さあ、俺はこの後ギルド協会に行って報告しなくちゃいけねえ」
そうして俺達は来た道をを戻り始めた
戻っている途中俺の頭に疑問が浮かぶ
アフライトが怪しい
けど疑うのも仕方がない
だってアフライトと出会ってまだ2日も経っていないんだから
いや、アフライトは俺の父さんの知り合いだ
あの強烈な光景で少し動揺してただけだ
でもなんて手の甲について隠したんだ?
そして俺達は洞窟を抜け出した
「もー、なんでここの洞窟の中って暑いのよー」
「所でアフライト、お金はいくら貰えるの?」
「銅貨20枚ってとこだ」
「思ったより高いのね」
俺は息を荒立てて膝に手を付く
俺自身ミアよりかなり体力はあるはずだ
父さんとの剣術の手合わせだって言った事はないがついていけている
だとしたらメンタルの方か
「エディ、大丈夫か」
「エディが疲れるだなんて、私初めて見たかも」
「そんなにか?ならどこか怪我してるかもしれん」
「ぜっ!全然大丈夫です!」
2人が駆け寄ろうとした時俺は慌てて止めた
俺はあまり余計な心配は掛けさせたくないからな
「って言うか洞窟の中暖かすぎませんでしたか?」
「ゴブリンは一様火を知っているからな、小石を集めて温めて放っているんだろう」
「だとしたら賢い部類ですね」
「ああ」
そんな事を話していると向こうから5人程の男達と1人の女がやって来た
「あら、もしかして討伐しちゃった感じ?」
「おいおいマジかよ〜、俺達ここに来た意味ねえじゃん」
「すみません!」
5人の男は見るからに強そうだ
こういう時はすぐに謝ろう
てか全員前線に出て盾受けでもしているんだろうか、男達はまるでボディービルダーみたいな筋肉をしている
それにしてもあの女の人は色気が凄いな…
「エディ、ミア、俺が走り出したら家まで逃げろ」
アフライトは俺の前に手を出して言う
「奴らは盗賊だ」
そういやアフライトが言ってた
あのドッグタグ狙いで盗賊してる奴らがいるって
「アフライト?冗談じゃ……」
俺はミアの手を握りアフライトの命令通り逃げる準備をする
その瞬間アフライトは走り出し物凄い勢いで間合いを詰め目の前にいた男の下顎目掛け戦鎚を振り上げた
ザグッ!!!!!!!!!
宙に男の脳味噌が飛び散り肉片が草の地面に落ちる
「2人とも!逃げろ!!!」
アフライトが大声を出し戦鎚を引き抜いて構える
そして俺は命令通りミアを連れて走り出した
「ミア!行くよ!!」
「で、でもアフライトが……!」
「バル!その2人を生け捕りにしなさい!」
「ま、マジっすか〜!?」
女に命令された男は俺達を追いかけに走り出しアフライトの場には4人が残された
「メイデンの姉さん!コイツはどうします!?」
「豚の餌にしてやりな!」
『はい!!!!』




