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魔術師殺しの転生者  作者: とまてるの
第二章十騎士殺し
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第59話あの世の化け物

「どうしよう!エディが連れ去られちゃった!」


「なんとか出来ませんこと!?」


「な、なんとかって、アイツの魔法自体意味わからないもん!魔力の流れをキャッチしてそれをなんかしてるみたいだけど、それを再現しろって!?」


「じゃ、じゃあどういたせばよろしいのでしょう………」


「ああー!どうしよー!!」


「落ち着きになってくださいませ!」


「そ、そうね、こうやってパニクってても何も始まらない……だよね、うん」


アストレアは深呼吸をして落ち着き頬を叩いた


「よし、まず私は魔力を働かせて周囲に魔力を感じる物を探す。時の魔術師とエディはここに戻って来るはずだからすぐ分かるようにしとく」


「あなたは魔力の回復に専念して、戦おうだとか、そんな事考えずに集中してその横脇の傷を癒してて。私は今から感覚を広げるから手助けは出来ないわ」


「わかりましたわ」


そうしてアストレアは座禅を組んで息を深く吸いゆっくりと吐いた

エディ君、ご無事で……

しばらくしてバーニスの怪我はほとんど治ったが魔力はもうない、バーニスがアストレアの反応を待っているとアストレアはいきなり目を開け立ち上がった


「来た!!バーニス!着いて来て!!」


アストレアは手を差し伸べバーニスは頷きアストレアの手を取って共に走り出した

濃い霧は薄くなり始めかなり周囲が見渡せる

そして目の前には魔物達がわんさかと湧いておりアストレアが魔法を放って魔物達を吹き飛ばした


「エディ!」


アストレアが呼び掛けるが返事は来ない

何故ならエディはそこにいないのだから


「テメェ!一体何がしたい!」


バーサラックは魔物を解き放った後、俺の下にワープゲートを作り何処か知らない世界に飛ばしバーサラックも共にやって来た


「お前を餌にして魔女と闇魔術師を魔物の餌食にした。私は考えていたのだ、元の世界に戻れば必ず魔力で周囲を見ている魔女が我々を察知しお前に加勢すると」


「そうだな……今頃、2人は食い殺されているか、または逃げるのに必死か…」


「じゃあアストレアがあの魔物の量を察知出来ねえ理由は?答えろ!」


「私が弱い魔力の壁で覆っていたからだ。魔力が濃い魔力災害地ということもなると、そう簡単に見つかりはしない」


バーサラックは右を見る

俺は疑心暗鬼になりながらもバーサラックが見ている方向を見るとそこは炎の海と化していて今、自分が座っているこの地面は焼け死んだ人々が積み重なって出来た場所だというのがわかった


「私の唯一の欠点は私以外の生物をワープゲートを通して呼び出せないこと」


「違う世界のお前をお前の世界へ持ち込もうとすると不具合が発生しワープゲートは閉じてしまう」


「理由は単純、私ではないからだ。コミュニケーションが取れない、私が君を説得しようとすればいけるだろうが大半のお前は………」


宙に浮いている自分が見える

左手で母さんの首を掴んでおり右拳を振り下ろして頭を叩き潰しそのままゴミを落とすようにどうでもいいかのように放り捨てた


「ああだからだ。力に溺れ、野蛮で、恐ろしい」


俺を別世界に移動させるとそこはかなり発展している王国で俺の後ろからバーサラックが話しかけてきた


「この世界はお前が魔力を持っている世界だ、数々の女性に囲まれ町の人々からは英雄扱い。それに加えて最強と呼ばれている」


「こんなん見せて何がしたいんだ」


「お前は欠陥品だと言う事だ」


「ッ…………」


「失敗作で1人も幸せに出来ない、お前はずっと、今まで、誰かを幸せにした事があるか?ないだろう」


「お前が何かをした所で……十騎士を殺した所で無限に広がる可能性からしたらちっぽけな事なのさ」


バーサラックは別の世界に飛ばし目の前に広がっている光景はメイデンやその仲間達が無惨に殺され眼球が飛び出て死んでいるアストレアとグチャグチャに殺された俺がいた


「お前はこうなる」


「こいつもお前と同じ失敗作だからな」


そしてバーサラックは俺を元の世界に戻した


「今度は魔女を呼び出さないよう今の私の周りには魔物を囲むのに応用した弱い魔力で覆われている、だから助けは来ないや


「お前は魔術師ではないがいい点もある、お前はこの世界では強い。だから一つ提案をしよう」


「私と手を組み、十騎士を殺し、世界を支配しよう」


「弱者は生まれず強者しかいない完璧な世界にしよう」


「お前と、私なら……そう難しくはない」


周りには魔物達が俺を囲み断れば俺を襲い殺される

コイツと手を組めばアイツらを………俺も死なずに済む

俺は大剣を握った


「………そうか、残念だよ」


「お前が馬鹿で本当に助かった」


「なに?」


俺は魔力災害から身を守る為に持っていた魔力が込められてある石を見た


「間抜けが」


アストレアは魔女の力でバーサラックを吹き飛ばし俺は踏み込んで大剣を薙ぎ払った

バーサラックは急いで肉体を強化し致命傷を防ごうとしたが威力が強くバーサラックの頭蓋骨をかち割って吹き飛ばした


「お前は魔物を!!」


「はい!」


アストレアは魔女の力を使い周りの魔物を抑え込みバーニスが鼻血を出しながら魔法を使って魔物達の急所を狙って殺し続ける

その間、俺は逃げるバーサラックを追いかける


「な、なんで気付かなかったんだ……!」


「私とした事が、私とした事が!!」


俺はバーサラックの右脚を斬り落としバーサラックは地面に倒れた


「あああぁぁぁ!!!!!!」


バーサラックはワープゲートを作ろうと手を伸ばし俺はバーサラックの腕を掴んで肘を持って腕を明後日の方向へと折り曲げた

バーサラックは叫び俺から背中を向けて逃げようとする

コイツは絶対に生かしてはいけない

俺は馬乗りになり拳を握って奴の顔に向かって振り下ろす

逃げようと動かなくなるまで殴った後、大剣を握り締めバーサラックの首を切り捨てた

2人は?

俺は歩いて来た道を戻り呼吸を整えていたアストレアの肩を叩いた


「うわビックリした!」


「アイツとは片をつけた」


「そ、そう、よかったー、あれ?エディ鼻血出てる」


アストレアはポケットから布を取り出し俺の鼻に当てるが血は止まらない


「殴られたからか?早く治してくれ」


「まずはまだ治癒が完全に出来てないバーニスから」


「俺、殴り合いしてたんだぜ?バーニスは自分で治せるだろ……」


それにしてもめっちゃ出るな

咳をすると手の平には血がびっしりと付いていた

あれ、これやばい……かもしれない


「あの、アストレアちゃん?エディ君を先に診ていただいた方がよろしくて……?」


「え?」


俺は何処か怪我しているのかと急いでバックを漁っているとジャリジャリと何かがあり取ると綺麗に割れた石だった


「アストレア、俺やばいかも」


意識が薄れ俺は後ろから地面に倒れた

真っ暗になっている視界の中、聞こえているのは2人の声で徐々に意識が弱くなって来ているのか2人の声がよく聞こえなくなっていくのを感じながら俺は意識を完全に失った


「丁度いいわ、お師匠様の場所に移動出来る!」


アストレアはバックからあの白い魔石を取り出してブツブツとなんの言語か分からない言葉で詠唱していると石は光り出しバーニスとアストレアそして俺を包んで3人はこの霧の森から消えた

そして残ったのは静香の遺体と魔物達の死骸、バーサラックの首と胴体を見つめ笑みを浮かべたモヒカン頭の男だった


目が覚めるとここは木造建築の家だというのがわかった


「毎回ぶっ倒れて知らねえ天井見上げてんな……俺って」


「お目覚めかい?エディ」


「ん?」


ベットから体を起こして横を振り向くと大人の女性が薬膳料理を持って座っていた


「ほれ、アーンしてあげるから口開けな」


「………アンタ、一体誰だ」


「私はエリーゼ、アストレアが世話になったね、アンタは気を失ってたから知らないだろうけどもう3日も経ってる」


「3日も寝てたのか」


「そう、竜人族でほんとによかったわ、じゃなきゃ死んでたもん」


「もう何度も死にかけてる」


「あらそう?これ、食べる?」


エリーゼは笑いながら言い料理をスプーンで掬って俺の口へ持って来た


「………食べる」


俺は口を開けエリーゼは食べさせる

一方俺の兄エリックはバーサラックを椅子に座らせ拘束し肉体を繋いで蘇生させていた


「綺麗に斬られててよかったな」


「私を解放しろ」


「おいおい、首を繋げてやったんだぜ?魔術師は5人お前のせいで死んだしもうちょい俺に敬意示せよ」


「お前にはやってもらいたい事がある。聞いてくれるか?」


「黙れ、腕だけ拘束して私を封じたつもりか?」


バーサラックは手を広げて地面にワープゲートを作りゲートに入って逃げた


「………は!!?」


バーサラックは地面に倒れ体を動かし拘束から逃れワープゲートを作って中に入る


「クソッ……しっかり治しておけよ……」


頭が酷く痛み斬られた首の断面が痒くて痒くて仕方がない

それにへし折られた腕も動かしづらく可動域が狭くて曲げれない

何もかも不自由だ


「魔術師殺しめ!!覚えておけよ!!!」


激しい頭痛がしてイライラが治らない

なんとかしてヤツに復讐をする

バーサラックは鏡を見ると自分の姿は醜く頭部は腫れ上がり足は適当な物をくっつけて作った義足だった

奴に復讐はしたい!!だが……だが勝てない……

バーサラックはある案が閃いた

私が態々戦わなくていい、そうだ。奴には、奴をぶつければいいんだ


「簡単な手があるじゃないか……!」


私が知っている最強の魔術師殺しを集め交渉しここに来てもらおう

私の力を使い世界を渡すと言えば……すれば奴らは食いつくはずだ

私ではないから裏切るかもしれんがやる価値は十分すぎる程にある

"私は奴に復讐をする"

そうしてバーサラックはワープゲートを作り潜った

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