第56話ゴスロリと魔女っ子
「それで本当に十騎士はそこにいるんだろうな」
俺は地下から階段で上に上がりボロ臭い事務所みたいな場所にあるソファーに座って机の向こうに座っているルーピンに話しかけた
天井に鈴なんかあるし変な部屋だな
「来てるって言ってんだろ?魔力災害が起きちまってんだし、それに被害者も多数出てる。奴らの考え的に他の連中に任せるわけもいかねえし、それにここの町の奴らに恩を受けさせて金を搾り取るチャンスだと思ってるからいるに違いねえ」
「あっ、そうだ、その魔力災害ってのは溢れ出してる感じなのか?そこら辺よく分かってねえんだけどよ」
「未発見の魔力が充満してる洞窟がなんらかの異常で魔力が濃くなり外に放出されている。解決方法はその洞窟の奥にいる濃い魔力を主食にしてる魔物を殺して……って感じだ、普通の魔力災害ってのはこんな感じだが今回に関しては違うらしい」
「森自体が異常な魔力を放出してる?合ってるか?」
「そう、その通り、森自体が異常の魔力を出してる」
「大体分かった、じゃあ現場にいる十騎士は誰が判明してるのか」
「それは………」
ルーピンは俯き頭を掻く
「してないのか、対策が立てれねえじゃねえか」
「だ、だけど、ゆ、唯一分かってんのは時の魔術師がいるって事だ!」
「時の魔術師?」
「ああ、十騎士の中でもトップクラスに強い奴だ。確か、自分の分身を呼び起こしたり武器の複製や鉱石なんかも魔法を通して数十個も作れる。剣術も一流なんだとよ、唯一の欠点はその魔術しか使えないって事だけ」
「待てよ分身を呼ぶ?俺が相手をする人数は不確定ってことになるのか?」
「まあ、そうだ」
「まとめるとお前が十騎士を相手にする場所は魔力が充満している森全体、敵である十騎士は時の魔術師しか判明していないしそいつに関しての対策はない」
「こっちもこっちでアストレアと新入りのバーニスがいる。まあなんとかやるよ、ルーピン、情報料はいくら欲しい」
「そんなの…………」
ルーピンの頭の中で駆け巡る
エディ達が死んで金ぐらい受け取っておけば良かったと後悔する日が来ると
「金貨5枚くらい?」
「た、高いな」
「十騎士に関する情報だぜ?俺も体張ってんだから仕方ねえさ」
俺は悔しくも袋から金を取り出し机に置いた
向こうにいるルーピンは机に置かれてある金を受け取りソファーから立ち上がって大事に袋にしまい棚に隠し時の魔術師と言われる十騎士に対しての策はなし、新聞による情報によると十騎士の3人が俺を捜索中、この情報が正しいとも思えないししかもあの森にはアストレアの師匠がいてその師匠に用事がある
出来るだけ今は十騎士を避けてデットの肉体を探したい所だが無理そうだな…
「結局行くしかねえのか」
すると天井にあった奇妙な鈴が鳴りルーピンは小走りで下へ向かった
「お客様だ、ちょっと話してくる」
「ああ」
ルーピンは地下へ降りて行きルーピンが去ったすぐにアストレアが隣に座って来た
「エディ」
小声で話しかけ俺は疑問に思いながらも小声で返事をした
「どうした」
「ちょっとやばいかも、膨大な魔力ってわけじゃないけど………本当にやばいかも」
「待て、なんでそれを早く言ってくれなかったんだ?ルーピンが危険に晒されるじゃないか」
「ご、こめんなさい」
バーニスが近づいて来てアストレアに言った
「全く、これだから魔女という者は困りますのよ」
バーニスが俺の左に座り腕を掴んだ
「ルーピンさんは助けられません、逃げるなら今のうちですわ」
「見捨てるわけねえだろ」
「で、でもエディ……」
そう1秒も無駄に出来ない状況にて地下に繋がる扉が開いた
全く気配を感じなかった……!?
アストレアがソファーから立ち上がり俺の手を取って走り出そうとするとバーニスは魔法を唱え始めその侵入者に攻撃しようとした
「落ち着け」
侵入者の男とバーニスの距離は数メートルあり瞬く暇もなくバーニスの手首を掴んだ
「なっ……!」
「おい、アストレア、バーニスを見捨てるのか」
「元々アイツは信用しない方がいいの!だから見捨てた方がいい!」
俺はアストレアの手を振り解き手首を掴まれているバーニスに近づいた
「ちょっと!エディ!」
俺は男の前に立ちバーニスは挟まれる形となった
「お前………」
この男、見た事がある
ローバから渡されたあの部屋で突然頭痛が俺を襲い俺じゃない視点を見た時の"アイツ"だ
俺よりも背が高く坊主頭で王者の風格を持つ男
「お前がエディか、私は竜人族の帝王ケイル。少し話がしたい」
「話って?そうやって人質取って俺を脅すのがか?」
「これは正当な行動だ、お前が剣を引き抜き、私に敵対すればこの女を殺す」
ケイルはゆっくりとバーニスの体制を変えバーニスは男に背後を取られる体制に、ケイルは手を上げバーニスの喉元を掴んだ
「お前には十分時間を与えた、考える時間や行動する時間を」
「手っ取り早い話をしよう、エディ、帝国に入る気はないのか」
「あ?人類殲滅計画みたいな事実行してる奴らの仲間に入れってのかよ」
「そうだ、お前は素晴らしい人材だ。空を飛べなくたっていい、お前はアフライトの様に竜人族の数倍の魔力を持ちあの義手を最大限活かせる程、私からすれば喉から手が出る程欲しいのだ」
「お前の父親は優秀だったが情に弱かった、だからあのような弱い竜人族の女と交配した。まあ結果お前のような優秀な竜人を産んだからいいのだがな」
「生憎、俺は魔術師が嫌いなだけであってテメェらみてえに人間は憎んじゃいねえんだ!!!」
俺は大剣を引き抜きケイルの肩に首に向けて大剣を薙ぎ払った
ガシッ!!!!!!
ケイルは大剣を掴み離さない
手ごと切り裂いてやる!!!!
俺はケイルの手を引き裂こうと力を入れるが大剣は全く動かない
途轍もない力で掴まれていたのだ
ケイルは手を下げ俺は抵抗しようと全力で力を入れるが勝てない
俺の武器は剣だけじゃねえ!!
俺は大剣を手放し空いた拳でケインの腹を殴った
「お前は私には勝てない、無駄な抵抗はよせ」
「ッ………」
ケインはバーニスを離して俺に向かって押し出し俺はバーニスを受け止めバーニスを手で覆い隠す
「俺は帝国に入る気はない」
「これからも、何をされようとも、お前らが行う計画には参加しない」
「そうか………アフライトが時期に来るだろう」
「しかしこれが最後ではない、アフライトが招待しに武力を制して来るだろう」
そしてケインは八つ当たりするかのように空を飛んで天井を突き破り飛んで消えて行った
「お、俺の天井!!」
地下に繋がる階段からルーピンが上がって来た
「生きてたのか!」
「ん?まあ」
するとバーニスは俺の手を掴み腕を絡めるように抱きつき俺の方に振り返る
「あの方とはどういったご関係でして?わたくし、少し気になりますわ」
「……俺が竜人族ってだけだ、アイツとは血の繋がりもねえしちょっと驚いただけだ」
「ちょっと馴れ馴れしい!」
アストレアがバーニスを俺の腕から引っ剥がし怒る
「そんな嫉妬なさらなくてもよろしいのに。可愛らしい子」
「仲良くしろよ」
そうして何事もなく1日が終わったと思えたが天井に穴が空いてしまったせいで魔力が流れ込み俺達は急いで穴を塞ぐ事になってしまった
「本当にいるの?こんな薄汚い場所に」
静香は時の魔術師であるバーサラックの肩を叩きバーサラックは前へ倒れ掛けた
「おい、私に八つ当たりをするな」
「八つ当たりじゃないわ、それで?本当にこんな場所に……って、ここ魔力が濃いわね」
「魔力災害があったからな、ここで待っておけば魔術師殺しは必ず来るだろう」
「どうしてそんな事が言えるわけ?理由は?」
「私の推測だと奴はビーストと共に十騎士を狙っている。レッドアイズのようにローバと知り合いではないのは確認済みだ、すれば奴は情報屋を通して我々の位置を調べここに来るだろう」
「それに情報屋が我々の位置を特定するのは簡単だ、近くの町が魔力災害によって被害を受けている程の規模ならば私達が出動するのは知っている。だからこの状況を餌にして魔術師殺しとビーストを釣り上げる」
「ライアード様にはこの魔力災害を利用して奴らを殺すと報告済みだ。静香の復讐とやらを手伝ってやる」
「はー………なるほど、アンタやるじゃない」
「あとは魔術師殺しが来るのを待つだけなんだが………」
バーサラックの背後から霧に隠れた怪物のような魔物が現れ静香は瞬時に刀を引き抜き雷を纏わせ斬り殺した
「やはり他の魔力災害とは違うみたいだ、結界を張ろう」
「はあ、船使って馬車使ってここまで体力削って来たのにここでも削るのね……早くそうしてちょうだい」




