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魔術師殺しの転生者  作者: とまてるの
第二章十騎士殺し
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第53話記憶の回廊

アストレアの魔力のおかげで記憶が蘇り身体中の傷が癒やされた

奴に両親を殺された事、俺は村の人々の復讐の為旅に出た事、そしてここまで血を流しやって来た事

全て何もかも思い出した

だが一つ疑問に思う

アフライトが言っていた事は真実なのか?

そして眩しい真っ白な空間から引き摺り込まれ目を開けると曇っている不吉な空が見えた


「ミア!」


俺は急いで側にいたミアに抱きついた

ミアを殴ってしまった、傷付けたかもしれない

そう思うと不安感と焦りが俺を押し潰してくる


「ごめん!本当にごめん!」


「へ、平気だよ!全然へっちゃらだって。それより今はアフライトを倒す事に集中しなきゃ」


「………そうだな」


俺は涙を拭い立ち上がる


「アストレア、ありがとう」


アストレアに礼を言うがアストレアは妙に浮かない顔をしている

アフライトの攻撃を受け時間稼ぎしてたからな、そりゃ気分が悪くなる

俺も実際特訓とか言って殴られたから気持ちはわかる


「剣は?」


「ほらよ」


ジェイクが片手に持っている剣を俺に渡した

気まずい雰囲気が流れ、ふとジェイクの腕を見ると斬ったはずの腕は機械の義手になっていた

恐らくジェイクの魔法で習得したモノだろう、しかしもう片方にはジェイクが使った剣がある

ジェイクは武装状態で違う武器を作ると魔力を大幅に減少すると言っていたが克服したのか


「ありがとよ」


俺は大剣を受け取り背中に背負った

そしてメイデンの腹には生々しい刺し傷が残っている


「お前らはもう行けよ、俺だけで何とかするから」


メイデンにそう言うとメイデンは俺を睨みつけ言った


「気まずいからって1人で抜けないで」


「ミアにも言ったのか」


「ええ」


俺はミアを見る

ミアは苦笑いしているが俺を嫌っているわけじゃなさそうだった

そして不吉で曇っている空から聞こえる衝突音

あの空飛ぶ少年がアフライトと殴り合っておりどうなっているのか確認出来ないが壮絶な戦いが繰り広げられているだろう

すると爆発のような打撃音が聞こえると空飛ぶ少年が落下しているのが見えた


「皆んな!」


メイデンが呼び掛けると俺含め皆一斉に走り出した

するとジミーが俺の肩を叩いて俺の一歩前に出る


「俺に合わせろ」


俺はそれに黙って頷き少年が落下して土埃が舞い地面がへこんでいる場所へやって来た

メイデンは血から触手を生み出してそれを使って遠くにいる少年を救出した

土埃から出て来たアフライトは拳を握り締めこちらに向かって歩いて来る


「エディ!また奴らの策略に乗ったか!」


「違う!元の俺を取り戻しただけだ!もうアンタの空想の俺じゃない!」


「お前の兄は甘かった!だが私は裏切り者には容赦せん!!」


アフライトは空を飛び俺に向かって突撃して来た

ジミーは俺の前に出て短剣を振るいアフライトの服を切り破る

そしてアフライトはジミーの顔を掴もうと腕を伸ばそうとするとアストレアの魔女の力によって吹き飛ばされ地面に転がり体勢を整えた


「うおぉぉおお!!!!!!」


俺は雄叫びをあげながら大剣を握り締めアフライトに向かって地面の芝を切りつけながら振り上げるとアフライトは地面に向かって両拳を振り下ろし地面を吹っ飛ばして無理矢理俺達との距離を離した

俺が宙にいる間、目の前にはジミーが手放したであろう短剣が目に見えた

俺は何も考えず咄嗟に判断し短剣を蹴り飛ばして短剣はアフライトの目に向かってアフライトはギリギリで短剣を掴んだ


「悪魔を裂き、地を破壊し、崩壊させろ!!」


「終焉の炎!!!!」


一瞬の隙のおかげでアストレアは詠唱を唱え魔法を放った


「思い通りにはさせん!」


アフライトが空を飛ぼうとした時、空飛ぶ少年とジェイクが飛ばした義手がアフライトを拘束した


「絶対に離さない!!!」


「はっ!好きにしろ!!」


義手はアフライトの足に大きく巻きつき地面に重く刺し込んで簡単には抜けず上からは少年が押さえつける


「あ、あのバカ野郎!!!」


ジェイクが助けに向かおうとするが10メートル以上吹き飛ばされたせいで間に合わない


ズドォォォン!!!!!!!!!!!


アストレアの魔法は着弾し大きな爆発を引き起こした

かなり離れているこの距離でも爆風で吹き飛ばされ着弾した場所の地面は抉られ吹き飛び眩しい閃光が俺達を包み込んだ

そして目を開ける

大剣を杖のようにして立ち上がると目の前数メートルには全身火傷だらけで服は燃え皮膚がなく筋肉が露出しているアフライトが空飛ぶ少年の首を握り締めながら仁王立ちしていた


「全く………」


アフライトは空飛ぶ少年を地面に叩きつけ俺の足元に転がって来た

微かに呼吸をしている

周りを見渡すと皆んな吹き飛ばされて頭を打ったのか意識がなく唯一立っているのはアストレアの後ろにいたミアとアストレアだけだった

そして3人とも視線が合うと俺はアフライトに向かって走り出した


「こんな屈辱は初めてだ!!!」


アフライトは走り向かう俺の大剣を腕で防いだ

大剣はアフライトの義手である腕を貫き中に食い込み抜けない

しまった……!!!!

アフライトは俺の腕を掴み思いっきり俺の顎を殴った


「がはっ!!!!!!」


あまりの強さに下顎は千切れかけ垂れ下がり腕が引きちぎれ後方に吹き飛ばされた


「はあっ!!!!!」


ミアは剣を引き抜き振り下ろす


「くがっ!!!」


アフライトの左手の指4本を切り落としアフライトの肩に着地して飛び上がり空中で一回転して足を振り下ろしてアフライトの頭を蹴った

アフライトはミアの頭に頭突きをして足を掴み地面に叩き潰そうと力を入れた


「だあぁぁぁあああ!!!!!!」


俺は左手で大剣を握り締めアフライトの腹に突き刺し必死の思いでアフライトに体当たりした

アフライトに馬乗りになると俺は左拳を握り締めアフライトの顔に振り下ろす


「ふがぁぁあああ!!!!!!」


アフライトは俺の拳を掴み取る


バキバキバキッ!!!!!!!!


「ああぁぁ!!!!!!」


「フンッ!!!!」


アフライトは俺の顔に向かって拳を振り上げ俺は鼻血を出しながら空に飛び地面に倒れた


「エディ!!!」


ダラダラと血が流れる額を押さえながらミアは俺に駆け寄った

そこにアフライトが近づく


「はあ……はあ………」


強い魔法を喰らい腹に大剣を刺されアフライトの意識は朦朧としていた


「風を切り裂き断つ刃!!!!」


「瞬刃風断!!!!!」


アストレアが詠唱を唱えアフライトに向かって突き進みアフライトの腹を切り裂いた


「ああああ!!!!!!」


傷口からは内臓が見えアフライトは空に向かって拳を突き上げ飛んで行った


「逃がさないぞ!!」


イミシェルはアフライトに体当たりすると頭を殴られ一瞬でノックアウトされるがその隙に腹の傷口にメイデンの血が入り込む

そしてアフライトは雲を突き抜け消えて行った


数日が経過した

俺はアストレアが作った土で出来た小屋のベットにて目が覚める

今までのアフライトの戦闘がフラッシュバックした

あの尊敬していたアフライトが竜人族で俺を利用しようとしていた

最初に会ってからずっと俺はアフライトに騙されていたのか?

そう思うと胸が締め付けられる

ミアを助けてくれて俺が生きていられるよう手助けしてくれた命の恩人

そんな尊敬している人があんな残酷でミアを殺そうとする人だと思わなかった

目から出る涙を指で拭い俺はベットから立ち上がった


「う、腕が生えてる……」


目を拭った際に千切れたはずの右腕を見ると俺は驚きベットに座り込んでしまった

すると入り口に下がっている布を通り抜けアストレアがやって来た


「な、治してくれたのか!?」


「目が覚めたの!!?」


どっちも声を上げアストレアは荷物を机に置くと俺の右腕を掴んだ


「痺れてない?」


「全く」


「ならよかったー!ちゃんと機能してるのね」


「……俺はお前達を傷つけた、なんで助けてくれたんだ」


「アンタは確かに酷い事をした。でも私達は許してエディが殺人鬼にならない為に止めに来ただけよ」


俺は辺りを見渡す

外には何も声は聞こえずあんな大人数だったら1人くらい聞こえるだろう

それにミアも見当たらない


「なあアストレア、皆んなは?」


「別れた」


「え?」


「私がエディの記憶を蘇らそうとした時に深く結びついてしまったの」


「だから……その………」


「未来が見えたってわけ」


「は?」


「エディが燃え盛る王国の中で数人の十騎士達と戦っている姿、そして死んでしまう。私はこれを避ける為にあなたと一緒に来たの」


「それじゃあ別れる理由にならねえじゃねえか」


「言わなかったの、もし他の人にあなたの未来を言っちゃったら変に変わるかもしれない、だから言わずにエディに着いて来た」


「………俺のせいで、皆んなと離れる事になっちゃったな」


「攻めてないから、別に」


「ミアはなんて?」


「着いて来たけど魔法を使って置いて行ったわ、死んだら困るでしょ」


「そう、かもな」


アストレアは屈みながら俺の傷を確認して見終わったのか立ち上がった


「傷はもう平気、竜人族って凄いわ」


「……言わない方がよかった?」


「いいや全然」


「明日にはもう出るから支度しといて」


「ああ」


そうしてアストレアはまだ準備があるのか外に出て行った

アフライトが言っていた両親が殺された理由は竜人族だから、これは本当なんだろうか

だとしたら、俺は一体どっちの味方に付けばいいんだ?

俺達以外皆殺しにする。そう兄の言葉が浮き出てくる

十騎士を皆殺しにし、竜人族を止める

俺がなんとかしないと

一向、ビーストは百に近い程の赤子を目にしてニヤリと笑った


「竜人族、待っていろよ」

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