第52話裏切り者
数日後、記憶を失って分かった事は俺は竜人族でありこの愚かな人類を殲滅する為に生まれてきた存在
そして俺が記憶を失っている理由をアフライトさんに聞くと生き残っていた人間を殺す際に建物が崩れ頭をぶつけてしまったらしい
通りで後頭部をぶつけた記憶と被るわけだ
そして俺は記憶を失ったせいで竜人族の本領を発揮出来ておらず今現在、アフライトさんに稽古をつけてもらっていた
ゴンッ!!!!!!!!
顎を殴られ俺は地面に倒れてしまう
腹や胸、全身紫色の痣が出来ていて戦いの最中に腕や脚を引っ張られたせいでまるで磔にされているかのような痛みが走る
歯、俺の歯?
出血多量で意識が遠のく中、地面をうつ伏せで見ていてそこには自分の取れた歯があった
「ごぶっ……!!」
口から血を吹き出し酷い頭痛が常に俺を襲う
使命を全うする為には仕方がない、アフライトさんが言うには瀕死になればなるほど竜人族は強くなるらしい
代々そうやって強くなった族同士で子を作りその子供も幼いながらも戦場を歩いていたと言う
「アフライトさん……もう、無理………助けて………」
死ぬ
俺は本能で感じていた
体温の寒気や震え、視界の状態、意識が遠のく感覚
一度もないのに死という感覚がしっかりと分かる
記憶を失う前の自分は果たしてどんな経験をしてきたんだ?
「聞かせてやろうエディ、溶岩を纏う魔女の少女に私は血を吐かせた、武器を作る男も血を操る女も暗殺者の男も、私が全て捩じ伏せた」
「殺しはしなかったが今回会ったら必ず殺す、なぜならエディ、お前が本来の使命を取り戻せる状況にあるだからだ」
本来の使命?
人類を殲滅する使命の事か
でもなんで、なんでこんな痛い目に遭ってまで取り戻さなきゃいけないんだ
「じゃ、じゃあ………」
俺は震える声で言った
「俺の、俺の父さんや母さんはなんで、アフライトさんみたいに教育してくれなかったの………?」
「いずれしようとしていただろう」
両親の事は全く覚えてない
それでも顔を知らない何処かにいる2人に会いたくて会いたくて仕方がない
次第に俺の目からは涙が出てきた
「………父さん、母さんに会いたい……」
「2人は死んだ、なぜ死んだか教えてやろうか」
「この世には十騎士という者達がいる、奴らは竜人族を絶滅させる為だけに存在している組織だ」
「何処にもそんな歴史は描かれていない、だが私は500年前の生物だ、そんな事簡単に知っている。そして奴らが我らを絶滅をさせる理由は一つ、我らが脅威になるからだ」
「お前は同胞が傷つけられてもそうやって文句を言い続けるのか?」
「"記憶を失う前のお前はそうじゃなかった"」
それを聞くと俺は何か思い出した気がした誰かいた
俺が別の場所で寝ていた時だ、そいつと話してた
まさか、まさか死んだのか?俺が前の戦いで人間を生き残してしまったから?
俺は立ち上がろうとしたが急に脚や腕が動かなくなり一瞬にして眠りについてしまった
エディが連れ去られまだエディが目を覚ます前の話
「本当に合ってるのか?」
ジミーがジェイクに聞くとジェイクはメイデンの方を見た
「皆んなも見たでしょ」
昨日メイデン一向が島国に辿り着き森林を歩いていると激しい戦闘音が聞こえそこにアフライトがいた事
一件が終わった後、俺達はすぐアフライトの家まで森林を歩き海を出てまたガーディアン帝国から大陸の南にある港町までの船に乗って着いた後、現在クタクタになりながらも北にあるバケストラ王国付近まで歩いていた
「ミア、平気?」
「……う、うん」
2人の会話を盗み聞きする
まさか助けてくれたあの老人の人が悪い奴だったなんて思いもよらなかった
それにミアに言ったあの発言、絶対取り消しさせてやる
俺はそう空を飛びながらアフライトの家へ皆んなを引き連れていた
「なんでジミーもジェイクも私の事を見るの?イミシェルに聞いたらいいじゃない」
メイデンがジェイクを睨みながら言うとジェイクは上にいる俺を見た
「イミシェル!本当に合ってるんだろうな!」
「アフライトさんは空を飛んでエディを連れて行った、理由は教えてくれなかったけど………」
「アフライトがいるかじゃなくて、アフライトの家の方角の事だ!!この方角で合ってんのかって言ってんだよ!」
「う、うん!合ってるよ!」
アストレアは溜め息を吐き額に手を当てる
もしアフライトと戦う事になったらどうしよう
空を飛んでるって事はこの子と同じ、盗んだのか、それとも確率は低いけど竜人族なのか
後者だとするとあの仮面の男と同じぐらいの強さなわけなのよね
それにエディが戦っていた十騎士を倒してたみたいだし、エディとビーストは行動を共にしているからアフライトはビーストをなんらかの取引で追い出したって事
かなりの強敵になるかもしれない、そうなったら、もし戦う事になるのなら
私はまた、人を殺す道を行かなければならない
目が覚めるとそこはまたあの部屋のベットだった
身体中包帯を巻かれていて歩けるがたまにピリッと傷が痛む
走ったり出来ないんだろうなー
そう落ち込んでいるとアフライトさんが紙に何か不思議なペンで文を書いていた
「何してるんだ?」
背中からアフライトさんに話しかけるとアフライトさんは笑顔もなく振り向き俺を見るなりまた描き始めた
ほぼ初対面にも関わらずそんなアフライトさんの仕草に心が痛む
こんな奴、俺をよく知っている奴で俺の記憶を取り戻せるかもしれない鍵としか認識していないのに、どうしてだろう
そしてアフライトさんは俺の質問に答えてくれた
「私の仲間に連絡をしている、迎えに来るようにと。お前の仲間でもある奴らにな」
つまり竜人族にって事か、話を聞いてた感じ殲滅計画を練っているようだから俺も参加するのか
「へー、それで今日の稽古はまた俺の事殴って瀕死にさせるのか?」
「いいや十分エディは"竜人族"として強くなった」
意外なアフライトの回答に俺は驚いた
あんな人を殺すのをためらわなそうな奴が俺を褒め更に俺の肩に手を置く
「今日は傷を癒やし、次の機会で私と特訓だ」
アフライトさんはそう言う
ふと趣味が悪い仮面が俺の目に映った
「アフライトさん、あの仮面は?」
「あれは私が仕事をする時に使う物だ、今はもう必要ないがな」
「アフライトさん仕事するんだ」
「人間社会に溶け込むには金がいるからな、ほら、さっさと寝て傷を癒せ」
「わ、わかっ………」
目の前には建物を破壊する程の威力を誇る水が放射されアフライトさんはそれに巻き込まれ飲み込まれた
「アフライトさん!」
電気がビリビリと身体中を走ったと思うと俺は捕まえられ物凄いスピードで家から離され家は火薬の匂いと共に大爆発が起き家は消し飛んだ
煙が立ち込める、するとアフライトさんは上空にいる少女の脚を掴むと引っ張り拳を振るって顔を思いっきり殴った
俺は一刻も助けないとと走り出した
アフライトさんは空を飛ぶ少年にタックルされそのまま地面へ真っ逆さまに落ち土埃が舞うと地面にはへこみが出来ていた
そしてアフライトさんは6人に囲まられていた
「アフライトさん!」
6人が一斉にアフライトさんに襲い掛かる
俺は赤毛の少女の腹を蹴り奇襲に驚いた表情をしている金髪の女性の胸を殴って俺は後ろに下がりアフライトさんの横に立つ
「よくぞ来てくれた」
「アフライトさん!コイツらは?」
「私達、竜人族を狙らう輩だ」
「あの水のやつもあの爆発も、コイツらがやったのか?」
「そうだ」
アフライトさんは走り出し攻撃を仕掛けた
狙うは無詠唱魔術師である厄介な相手、金髪の女性だった
「エディ!よく見ておけ!」
「させないわ!」
少女がアフライトさんを魔女の力で吹き飛ばしそこに少女が更に追撃を加えてアフライトさんは宙に吹き飛んだ
「皆んなはエディを押さえておいて!私が魔術で洗脳を解く!」
「わかったわ!」
少女がそう言ってアフライトと共に姿を消した
そして俺はアフライトさんを目で追っていると前にいた5人は俺に向かって襲い掛かる
「エディ!」
赤毛の少女が俺の名前を呼ぶ
俺は短剣を持っている男の攻撃を屈んで避けると脚を掴んで自慢の怪力で振り回し奴らが俺に近づけさせなくすると武器を作る男に向かって放り投げた
「うおっ!邪魔すんな!!」
「イデッ!!」
2人は一緒に吹き飛んで地面に転がり俺との距離が離れた
そして目の前には空を飛ぶ少年と赤毛の少女、金髪の女性が残った
「アストレアの言う通り、捕らえましょう!」
「そうね!」
ズドォォォン!!!!!!!!!!
金髪の女性も赤毛の少女が連携を取ろうとしたらアストレアと言われる少女が地面に向かって吹き飛ばされ地面の土を破壊し撒き散らしながら倒れていた
するとそこにトドメを刺そうとするアフライトさんが見える
「アフライトさん!やっちまえ!!」
「アストレアー!!!!」
俺が声を掛けると2人と一緒にいた空飛ぶ少年がアフライトに向かって突進しアフライトさんの顔を殴り飛ばした
その光景を見ていたのも束の間、俺は背後に回られていた短剣の男に気が付かず捕らえられてしまった
「アストレア!捕らえたぞ!」
短剣を持つ男がそう言うがアストレアと言われる少女は迷っているようだった
「アストレア、ここは俺に任せておいて!」
そして空飛ぶ少年はアフライトを殴り捕まえてそのまま空を飛んで行った
アストレアと言われる少女は俺に近づいてくる
「や、やめろ!俺に何をするつもりだ!」
「待っててエディ、私が診てあげるから」
アストレアと言われる少女は俺の額に指を当てその瞬間、俺の脳内に何かが流れて来た




