第51話完璧な奇襲、戦い
大剣は見事、突き進んで来るリーベルトの拳を叩き落としリーベルトは地面に転がった
だがすぐ立ち直って俺に向かって走り出す
「はあぁぁあああ!!!!!」
リーベルトは姉を攻撃された事に対して怒っておりそのせいで上手く状況を判断出来ていない
俺はアクアの水の檻が破裂したおかげで濡れた土を掴み取り隙を見てリーベルトの目に向かって投げ飛ばした
「小賢しい真似をするな!」
手で弾いてまた奴を確認するが一瞬目を離しただけで奴はもうそこにはいなかった
どうやって!?まさか、まさか奴も魔法が?
俺は大木を利用して姿を隠し暗闇の中音を殺して歩き回る
クソ!クソクソ!!!あの野郎何処だ!?
透明魔術か?だけどあの魔術書はしっかりと管理されてるはず……
奴は大木を背にして辺りを見渡す
俺は大木から降り奴の鎖骨に向かって大剣を突き下ろした
ガギン!!!!!!!!
激しい衝突音が鳴り俺は焦って大木を蹴り上げ地面に着地して奴の様子を見た
突き刺したと思ったんだがな、大剣を体重任せに突いたが、奴の体を切り裂く事はそう容易じゃないって事か
「お前が魔術師殺しか」
「そうだ」
「ラクシャルを殺し静香の顔をあんな目にさせたクソ野郎が!次は俺の姉の命を奪うのか!」
「この世に魔術師はいらない」
「なんだと?いい加減にしろよ魔術師殺し……!!」
リーベルトは怒りを露わにしてそれをぶつけるように俺に向かって来た
リーベルトは拳を三つの刃が付いた鉤爪に変形させ振り回す
素早く俺の大剣にとって相性が最悪的に悪い
「動きが鈍くなってるぜ!!?」
ザスン!!!!!!
リーベルトは両腕を広げ鉤爪で俺の胸に切り傷を付ける
リーベルトのガラ空きになった腹に俺は前蹴りをお見舞いさせリーベルトはよろけて俺は大剣を薙ぎ払いリーベルトの頭を大剣で殴った
やっぱり硬てぇな!!
腕の骨にジーンと当たった時の衝撃が走り俺はリーベルトとの距離を取る
「イッテェ事しやがる……」
リーベルトは俺を睨みつけると地面を蹴り上げ一瞬で距離を詰めると俺が攻撃をする間もなくリーベルトは俺にタックルしてきた
「うおっ!!!」
リーベルトは前進し続け大剣を持って両手が塞がれている俺は抵抗も出来ずに大木に衝突した
そして怯んでいるとリーベルトは硬い土の鎧で覆われた拳を振るい俺の顎を思いっきり殴った
俺は大木に頭をぶつけ大木はへこみ木片をばら撒く
「?」
かなり痛いが脳震盪が起きる程衝撃は強くない
俺は咄嗟に反撃に出て俺は大剣を振り下ろし油断していたリーベルトは大剣をモロに喰らってしまい土の鎧を破って鎖骨を割り肉を切り裂いた
「ぐあああ!!!!!!」
リーベルトは叫びながら左拳を握り締め俺の顔を殴った
俺は大木に衝突しリーベルトは蹴りやパンチを繰り出し俺の体をボコボコにした
物凄く痛いはずなのに外傷が多くない
竜人の血を受け継いでいると自覚し始めた時からこんな事が続き始めた
俺は人間から竜人へ、進化しているのか?
そうしてリーベルトは俺の鼻を殴り飛ばし俺は鼻血を出しながら吹き飛んで大木に激突した
俺はすぐさま立ち上がり大剣を握り締め走り出す
「お前一体何処からそんな力湧き出してんだよ!」
リーベルトは薙ぎ払う俺の大剣をスライディングしながら避け肘にブレードを作って俺の背中に向かって飛び上がって切りつけようと腕を振るった
ガキンッ!!!!!!!!
俺は背中に大剣を移動させブレードの攻撃を防ぎ弾いたのを確認すると後ろ蹴りをしてリーベルトの腹に命中しリーベルトは地面を膝で削りながら減速した
俺は大剣を握り締め息を吸う
コイツは今までやってきた中でかなり相性が悪い
ビーストが来るまで持ち堪えるか?だが………
すると人影が俺を包み込んだ
「手を貸してやろうか?」
俺は空を見上げる
そこには俺が一番頼もしいと思っている男がいた
一方ビーストは大木を利用してアクアの魔法を防ぎ接近していた
「胸を刺されても尚、動けるとはな」
「十騎士を舐めないことね………」
狙いを定めアクアは詠唱しようと口を動かす
し、視界が……
血を失い過ぎたせいかしら、視界がボヤけてきた……
ズドン!!!!!!!
詠唱して放った魔法は大木に命中し木片を撒き散らす
そして立ちくらみが起き後ろに倒れてしまった
「くっ………!」
いくら魔力で傷口を治してるとはいえ、流石の私にも無理がある………
しかも相手はビースト
私、死ぬのかな………?
「ダアアア!!!!!!!!」
ビーストは鉤爪を振るいアクアを攻撃しようとする
「水の精霊よ、我の力となり自然の源を宿せ!」
アクアは揺らぐ視界の中、瞬時に攻撃を認識して後ろに飛び上がって宙で回転しながら避け事前に唱えた魔法をビーストの腹に打ち込んだ
「アクアヴェリス!!!」
膨大な魔力を詰め込んだ水の弾丸はビーストの腹の皮膚を破り肉をぐしゃぐしゃに抉り水の弾丸は弾けビーストは吹き飛んで行った
しかしアクアの方にも衝撃は伝わり強すぎるがあまりアクアは吹き飛んで大木にぶつかってしまった
「ごはっ!!!!」
その衝撃が更に傷口を抉り肺に溜まった空気が押し出され呼吸が上手く出来ず疲労し先程まで魔力で抑えていた出血は衝撃で少し解けてしまい血が溢れ出す
「あ、あぁぁあ………!」
アクア自身こんな事初めてだった
幼少期から天才と言われレールを走るトロッコに乗るようにそのまま上級階級へ、次第に魔法学院でも有名になり歴代最年少で魔大十騎士に入団する
すぐ弟に歴代最年少の記録は越されてしまったが例外なくアクアは強かった
だが目の前にいる獣は違う
次元が全く違かった
ビーストは近づき倒れ込んでいるアクアの頭を掴み上げる
「我には兄弟がいなかった」
「何故なら殺されるからだ、弱く情があり苦しみに耐えれない弱者」
「だが我は強く無情で痛覚を喰らう強者」
「我は生まれてから全てを与えられているのだ」
そうしてアクアの首と肩を掴んだ
ブチブチと皮膚が伸び焼けるような痛みが走る
「は、はがっ………!!!」
「ギャァァアア!!!!!!!」
アクアの首と肩の間の皮膚が引き裂かれ肉と鎖骨が見える
ビーストは手刀で鎖骨を砕き割りアクアは絶叫する
筋肉の繊維一つ一つが耐えれず引きちぎられる音が森林の中響き鎖骨下まで肉が裂けた
そしてビーストは引き裂かれた傷口に手を振り下ろし肉を裂き骨を砕いて横腹まで一気に裂いた
ビーストは拳についたアクアの血を舐める
「美味い」
すぐにビーストはアクアの綺麗に整えられた髪に目をつけた
ブチブチブチ!!!!!!
引き抜いたアクアの髪の毛をビーストの白い毛で編まれている髪を解き混ぜ込むように慣れた手つきでアクアの髪と共に編んで完成させた
白色と黒色、絶妙なバランスを保てている
ビーストは芸術を感じていた
「残るは………」
ビーストは下唇を舐めエディがいたあの場所へと走って行った
森林を駆け巡り辿り着いた
その先にはビーストは思いもよらなかった人物がいた
鼻血が大量に垂れ目は腫れ上がり手の甲もズタボロで到底剣を握れるように見えず脚は明後日の方向に向いているエディを捕まえている男がおり地面には四肢がないリーベルトが倒れていた
そしてビーストは口を開いた
「スラッグ、貴様何故ここにいる?」
「懐かしいな、その名は……昔に葬り去った名前だ」
「質問に答えろ」
「ある男から連絡が来た、コイツもそろそろ自分の役目を理解する時だと、私はここに来たのだ」
「このガキの居場所を知っていたのか?」
「私が全力で空を飛べばほんの数日でこの大陸全体を見れる、見つけるのは簡単だ」
「連れ去るのか?」
「必要でな」
ビーストは拳を握り締め空に浮かぶ男を睨む
「久々にまともな竜人族とやり合える……」
ビーストは笑みを浮かべ飛び上がり空に浮く男は拳を握り締めてエディを持っている左手は使わずに右手だけでビーストに立ち向かった
数日後
俺はベットで目が覚めた
「………?」
この天井には見覚えがある
けど分からない、なんだか懐かしい感じがして、心地が良いからか?
てか俺、死んだよな、滑って後頭部をぶつけて
あれ?違う、自分は大剣を握り締めてた?
何一つ分からない、だけど……
誰かを物凄く嫌いなのは分かる
何も分からないまま俺は情報を得る為ベットから起き上がって部屋の外に出て廊下を歩いた
「エディ、起きたか」
「ん?あ、ア……誰でしたっけ」
「アフライトだ、どうしたんだエディ」
エディ、俺の名前だ、思い出した
「エディ、まさか記憶がないのか?」
「記憶がない?」
確かにいくら何か手掛かりを掴もうとして記憶を辿っても蜘蛛の巣みたいに掴めば消えるけど何か引っかかってくる
今は俺の事をよく知ってそうなこの人を頼ろう
「た、多分?おじさんの事、見覚えあるし」
「そうか、まあゆっくり覚え出せば良い」
「それでおじ、いや、アフライトさん。俺は一体何者なんだ?」
今は情報が何よりも必要だ
「………お前は竜人族であり使命を持っている、人類を殲滅するという使命を持っている者だ」
「俺、その人類と戦っている間に記憶を失ったって事?」
「そうだ」
アフライトは俺に抱きつき涙を流した
「生き残っていてくれて本当にありがとう」
「………」
疑心暗鬼だった俺の気持ちは今、この老人によって本当だと思った
俺はエディ
人類を殲滅するという使命を持った男だ




