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魔術師殺しの転生者  作者: とまてるの
第二章十騎士殺し
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第48話雷鳴の静香

静香は雷の如く物凄いスピードで走り出し一気に俺に詰め寄った

刀と大剣がぶつかり合い俺はあまりの勢いに後ろに下がって次第に衝撃が腕の骨に響いてくる

ジンジンと痛み出し体中傷だらけで衝撃の度に傷が開き血が出る

このままだと腕が骨折しかねない…!それに傷が開くしなんとかしてこの状況から抜け出さないと!

俺は力を振り絞り震える腕を使って刀を大剣で叩き刀は下へと下がった


「くっ……!!!」


俺は大剣より小回りが効く地面に落ちている短剣を拾い上げそのまま振り上げ静香の足を切り付けた


「その程度で私が狼狽えるとでも?」


俺は短剣を振り上げる勢いでフラフラと前に進み静香は俺の背中に刀を振り下ろし一線の綺麗な切り傷を作った

ビリビリと電流が走り全身が熱くなって電流の痛みと共に疲労が高まった

さ、流石に消耗しすぎている……

すると目の前がスローモーションになった

走馬灯みたいな感じ?なんだこれ?

目の前にはデットがいる


「静香の弱点は男だ、アイツは男に弱い」


な、何言ってんだよ、冗談はこの後にしてくれ


「静香は昔、冒険者パーティーの魔術師だった。合計5人の男4人の慰め係だったんだぜ」


「今でも詰め寄れば簡単にヤれる。だからまず、お前がやるべき事はアイツに抱きついて攻撃しろ」


「そうすれば倒せる」


気付けば俺は床に倒れその床は俺が倒れた衝撃で崩れ秘密の地下に落ちていた

そこには数十人にも渡る死骸や裸の奴隷達がいて腸を切り裂かれている者や下顎を引きちぎられてそのまま吊るされ生きている者もいる

2割程が民衆の服でつまり魔力がない者達


「魔術師殺し、降参しなさい」


「俺が降参するって…?マジで言ってんのかよ…」


俺は背後にいる静香に抱きついた


「キャッ!な、な、なにす、するの!?」


明らかに焦っていてそれに加えてうっかり刀まで落としている

感じる、体が熱くなり心臓の鼓動が速くなっているのを、自分の溶けた耳から感じる荒い鼻息

コイツは今、目の前にいる男に欲情していた

俺は大きく口を開け静香の肩に噛みついた


「ぎゃあああ!!!!!!」


歯型の傷から血が溢れ俺は静香の肩の肉を引きちぎった


「ぁぁあああ!!!!!な、なんて獣……!!!!」


「拷問してやる!!魔術師殺しは楽しませてくれる男だと思ってたのに!無力な猿共と何も変わりはしない!」


「爪を剥いでそこに糞を塗ってジワジワと感染症で感覚を無くさせてやるわ!!目玉も!何もかも全て失わせて私の"オモチャ"にしてあげる!」


「プッ!」


俺は床に静香の肩の肉を吐き捨てる

大剣を持とうと手を動かすが強く握れない

俺は倒れるように静香の顔に向かって拳を振り下ろした


グシャ!!!!!!


静香の口に当たり歯を飛ばしながら声を上げる

その時に俺の右拳は砕かれ指にヒビが入って殴れなくなった


「ゆ、ゆうへない!!」


静香は口からブシャブシャと血を吐き出しながら俺の顔に両手を当てる

すると爆発的な雷を流し俺の体からは湯気が出始めた


「あああああ!!!!!!!」


「ぁぁぁ………!!」


しばらくすると声にならないような呻き声を上げて俺は額を静香の顔に振り下ろす


ガンッ!!!!!!!


静香の歯茎から血が大量に出て額の攻撃で鼻が潰れ口が裂け始めた


「このクソ女がッ!!!」


あの男にされたかつての悲劇を思い出す


「どれだけ魔力を持っていない人間を殺す?どれだけ命を奪う?」


「教えろ!楽しいか!?どんな気分なんだ!?」


俺は左拳を握り締め何度も静香の顔に振り下ろす


「ぐあぁぁあああ!!!!!!!」


電気が流れ目の前が真っ暗になったり真っ白になったり頭の中にある脳味噌が焼けているような頭痛までしてくる


「自分達が上だって思ってたんだろ!」


俺は立ち上がり静香の顔に向かって足を振り下ろし踏みつけた


「お前らは堕ちた!お前らが見下す、俺達よりな!」


視界が外側から暗くなりフワッと浮いてるような感覚になって倒れていた

体力と血を失いすぎた

気付く暇なく俺は気を失った

そしてそこにビーストが現れる


「エディ」


ビーストは俺の足を掴んで宙吊りのように持ち上げる


「逃げるぞ、聞こえてるか」


意識が戻って来た


「逃げるぞ!エディ!」


そう耳元で叫ばれて俺は目をカッ開いた


「わ、わかった……」


「十騎士の2人組が来やがった」


ビーストは高く飛び跳ねあっという間に森に入った


「2人組…?」


「水と土の魔術を操る男女の奴らだ」


「今の俺達じゃあ場が悪い、立ち直すぞ」


大剣は?

手元を見ると俺はしっかりと大剣を握っている

お前だけ、いつも俺の手にいるよな

そう感じていると後ろから縄が付いている投げナイフが飛んできて俺の腹を刺した


「がはっ!!!!!」


「チッ」


あまりの激痛に完全に意識は吹っ飛んだ

微かに聞こえるのは打撲音とナイフが振り回されて風が切られている音

土の匂いと水の涼しさを感じ気付けば朝になって目が覚めていた

口には土の味と………

髪の毛のような物が舌にくっついていて重い手を動かし取った

昆虫の足だった


「…………」


俺は腹の痛々しい刺し傷よりも昆虫を知らずに食っている方がダメージが大きい気がした


「目が覚めたか、エディ」


目の前には手の裂けた傷をくっつけているように巻かれてある包帯と腹をグルグルと包帯で巻きつけ到底戦えるようには見えないビーストがいた


「にげ、きれたのか……?」


「いいや、時間はあるが時期に奴らはここに来る」


周りを見渡すとここはやけに森林臭いし窓を見ると木造建築でそれに加えて木の上の建物だった

バケストラ王国の南方面のアフライトがいるような薄暗い森のような雰囲気でもない

明るくて空気がよくて、田舎と都会の空気みたいに差がある


「ここは……?」


「ここは我ら獣人族の故郷、ガーディアン帝国の外れにある島国の集落だ」


「よく分かんねえけど、桜道から大体どれくらい離れてるんだよ」


「桜道から南に向かい海を渡って1週間の場所だ」


「1週間か、1週間!?お、俺そんなに寝てたのか?」


「ああ、人間……いや、竜人族にしては回復が早いな」


「もう俺の正体に気付いてるのか、どうやってわかった?」


「生物は体力を回復する為に眠りに着く、竜人族も同じく貴様の場合傷の治りが早かった。つまりお前が1週間も眠りに着いていた理由は致命傷を治す為に1週間寝てエネルギーを再生能力に全て費やしていたからだ」


「通りで……」


ナイフで刺された腹を見ると傷は塞がっている

しかし他の傷はまだ完治はしておらず激しい運動をすれば傷が開いてしまうだろう


「それでこの木の上の家は?よく出来てるな、作ったのか」


「ここに住んでいる獣人族に話をつけて住まわしてもらっている、そして我は今から食料を取りに向かう」


「待て」


「なんだ」


「お前、意外と優しいんだな」


ビーストは外に出ようと玄関に向かった


「2人の十騎士を俺とお前で殺す、それが終われば俺は貴様と戦う」


「は?」


「だから生かしているし我との戦いの為、傷を癒しておくんだな」


そしてビーストは家の外から出て行った

俺は1週間寝込んでいたせいか毛布を被ったままあまり動けない

すると頭に力が入り目の前にデットが出現した


「ビーストか、厄介な奴と会いやがって」


「デット……なにか嫌な思い出でも?」


「ああ、俺がまだ一人前になる前の時に闘技場で戦った事があるんだ。ルールを無視して俺を危うく殺す所だった」


「それにアイツは文字通り戦闘狂、竜人族をあれだけ詳しく知っているのは強者を求めているからだろうな」


「だからあんなに詳しいのか、あっ、そういえばお前って強いのか?」


「十騎士を壊滅寸前にまで追い込んだ大悪党だぜ?弱かったらそこまで追い込めねえよ」


「……なんでデットはアイツらを倒そうと?」


「お前と同じみたいなもんだ、彼女を殺され目の前で犯された」


「そ、そこまで言わなくてもいいのに、それにお前も思い出すのは嫌だろ?」


「いや、思い出す方が力が湧いてくるんだ。不思議とな」


「それと気になるんだがビーストみたいな完全な獣と人間らしい見た目の獣もいるよな?なんの違いだよ」


「あ?そんなん孕ませる相手に決まってんだろ、男か女かどっちかが獣人族でどっちかが人間だったら人間っぽい奴が生まれるってだけだ」


「意外と単純だな」


「それとお前が気を失ってる間、俺は意識があってな、お前にゾッコンな獣人族がここにいるぜ」


「嬉しいけど、お、俺にはミアがいるし、その……」


「いきなり処女みたいになんなよ、お前もお前で経験済みなんだしいつまでも………いや、悪かったな」


「どうしたんだよいきなり」


「なんでもねえよ」


すると外に繋がるスイングドアから1人の女性の獣人族が果物や包帯を持ってやって来た


「あなたが魔術師殺し様?」


「………いや」


「警戒しているなら別に大丈夫、ビースト様がもう皆んなに言っちゃってるから」


「あ、アイツ……」


いや、もし後々俺の正体を明かして面倒な事になるなら先に明かした方がいいよな

誤解する前に言っておこう


「ああ、俺が魔術師殺しだ」


「いつ十騎士が来るか分からない状況だから早く傷治してよね、ほんと」


「それも言われてるのか、迷惑だとか逃げたりしないのか?」


「獣人族が戦いから逃れるのは敗者の証、目の前から来る災悪から立ち向かうのが私達よ」


獣人族の女性は屈んで俺の背中を押して上半身を起こし包帯を外し始めた


「共に戦う仲間になるんだから名前を教えて、私の名前はアリッサ、魔術師殺し様は?」


「エディだ」


「早速だがアリッサ、ビーストは今何処に?」


「ここから出て橋を渡って行ったら騒がしい所があるからそこよ、あとで案内するわ」


「わかった」


そうして1日目、獣人族との共存生活が始まった

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