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魔術師殺しの転生者  作者: 電撃勇次郎
第二章十騎士殺し
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第45話魔大十騎士殺し

強烈な空腹に襲われて俺はベットから飛び上がった

そして地面にぶち撒けられている自分のゲロを見て気分が更に落ち込む

時間を見るともう朝方で今日、十騎士の静香を殺す日だ

俺からしたら本当に最高で絶好日和

だが目の前にあるゲロと昨日起きたあの現象のせいで今日は最低日和になってしまった


「片付けるか」


俺は雑巾と水の入った木製のバケツを用意して事件場へ移動した

掃除を終えた後、朝一からゲロを見たのに食欲が湧き俺は下へ降りて地下のバーへと向かおうと廊下を歩いた

やけに涼しいなとあくびをしながら目を擦って前を向く


「うおっ」


壁や天井が破壊されていて職人達が工事を進めていた

階段は不安定ながらも魔法で固定されていて命綱なしのアトラクションを終えて地下のバーへと向かった

バーは所々壊されているが営業していてローバの冒険者達が集まって依頼に向かっていたり終えたのか酒を飲み交わしている姿も見れる

そして俺はカウンターに座り店員である女性が来た


「新人のエディ君、昨日の出来事聞いた?」


この人はバーテンダーであるラティという女性で黒髪の腰まである長さの髪をしている

話せばわかるが彼女は社交的で初日にいじってくるまで距離を詰めてくるコミ力の天才だ


「いいや、何があったんだ」


「ここにあのビースト、別名ホワイトライオンが1人の少年と戦ってたんだよ」


ビースト

聞き覚えがある、約1年前俺がジミーの傷跡を聞く時に聞いた名前だ

階段といいここといい、かなりの暴君らしい

そして俺は聞く


「少年?どうして」


「噂じゃアンタ目当てだってさ、確か今日、十騎士殺しするんだって?」


「ローバから聞いたのか」


「そう、それでビーストに目をつけられた者は生きて帰れないと言われてるのにその少年は逃れたんだって!凄くない?前代未聞だよ!?」


前代未聞?まあいいか


「ビーストって奴、そんなに強いのか」


「当ったり前よ!十騎士だって止められないって言われてる傭兵なんだから!」


「いやー、ほんとかっこいい、もう一回見たいなー」


「………まさか熱狂的なファンだとは思わなかった」


「そう?意外だった?」


「あっ、長話ごめんね?ご注文は?」


「バタートーストとあったかいお茶」


「はーい」


ラティはカウンターの裏に回りそこで準備をして数分後、注文した物が届いた


「それとローバ様が言ってたけどあとで私の所来てって」


「今日の"ヤツ"か」


「多分ね、あそこのデカ男がいる先だから」


「わかった」


そうして俺は朝食を食べ終えるがまだ空腹感を覚えまた頼んだ

結局6回おかわりしたのち、俺はローバと今回の作戦を話し合う為にデカ男の前に現れた


「エドーじゃねえか、昨日何が起きたか知ってるか?」


「ビーストが暴れたんだろ?もう聞いたよ」


「そう!あのホワイトライオンが……!」


また長話はごめんなので俺はデカ男を無視して先に進む


「あの筋肉!そしてあのスピード!いやー、一体どれだけの魔力量を持ち合わせているんだろう!って………」


「話聞けよ」


そして俺は右にある扉に手を掛け扉を開けようとするが開かない


「エドー、今回は真っ直ぐ行け」


「?」


「わかった」


俺は言われた通りに右ではなく前に向かい階段を上がる

すると広場に出て見渡すとローバがソファーに座っており使用人がお酒を注いで立ち去って行った


「エディ来たか」


俺はソファーに座りローバと対になる


「確か獣人族もこれに参加するんだったんだっけか、何処にいるんだ?」


「トイレに行っている、もう時期帰ってくるさ、先に話を進めよう」


ローバはグラスに入った酒を飲みテーブルに置く


「前回話したように深夜の2時に始める、エディは傭兵が表門を襲撃している間に裏門から雷鳴の静香を襲う」


「静香の明確な場所は?」


「すまないがわからない、自分で探してくれ」


「はあ……わかった」


ローバは俺から目線を逸らして俺の後ろの方を見る


「来たぞ、今回の協力者だ」


ドスドスと威圧感のある足音を奏でて歩いて来たのは白い毛をしているライオンだった


「彼の名はビースト、ホワイトライオンだ」


ジミーが話してた"ヤツ"か

数多の敵を葬ってきた伝説と言われる男、十騎士をも手を出せない兵器


「聞いていた年齢の割には大きいな、まさかだとは思うが……」


「"竜人族"か?」


俺はゾワゾワと鳥肌が立ち始め冷や汗が湧き出てくる

察しられないように俺は表情を自分なりに変えずビーストを睨み続けた


「彼が竜人族な訳ないだろ、もしそうだとしたら初対面でもっと生意気な態度を取ってくる」


「確かにそうかもな、アホな竜人族なら」


コイツ、なにやら竜人族に詳しそうだな

それにアイツが俺を見た時のあの目、捕食者のような、でも対等に見ているような、戦友を見ているかのような目をしていた


「聞いているかもしれないが俺の名はエディ。よろしく」


「ビーストだ、………何処かで会ったか?」


「噂は聞いたことあるが顔を見るのは初めてだ」


「ん?そうか?」


少し興奮気味のビーストと会話しているとローバが咳をしてビーストはスンと落ち着いたのかローバの話を聞こうと席に座った


「ビーストだっけか、本当に数十人の剣士や魔術師を相手にできる保証はあるのかローバ」


「勿論だとも、なあホワイトライオン?」


ローバは笑いながらビーストの方を見る

ビーストは表情をピクピクと動かし明らかに腹が立っているのがわかり俺は少し怖気付いた

そうして時間は経ち雷鳴の静香がいる豪邸へ足を運んで数時間、深夜2時になり掛けた数分前になる


「あともう少しか」


俺は裏門で双眼鏡で豪邸を観察しながら静香の居場所を探り続ける

頻繁に時計を見て表門の方にいる森に体を隠しているビーストを見つけ双眼鏡で追う

ギラギラと金色の目が輝いていてこんなの夜中に見たらいくらなんでもビビって腰が抜けるかもしれない

それと何故ローバの力で大勢で攻めない理由はその大量の傭兵を通じてローバだということがバレてしまうかららしい

それにしても2人は少なすぎる気がするがそれほどあの獣人族の傭兵は信用できるのだろう

そしてビーストの前を兵士が通り過ぎようとした瞬間、ビーストは背中から不恰好な金槌と刃が波状の太刀を取り出してぶった斬った


「我が名はビースト!!ホワイトライオンだ!!!!」


「貴様らを血祭りにあげにきた!!!」


ビーストは森から出てそう言うと兵士達は集まり対処しようとするが流石噂の男

兵士達は自ら道を開けていた


「腰抜け共め!!!」


ビーストはそんなほぼ降伏している兵士を見逃すわけもなく2つの武器を使って兵士を叩き潰し切り刻んでいった


「大岩をも硬い敵を砕き、灰にしろ!!!」


「ファイアーフェニックス!!!!」


「神速の風、空を真っ二つに切り裂き神をも殺す風の剣よ!!!」


「神殺しの剣!!!!」


豪邸の門から出て来た魔術師達が次々と魔法を唱え始め放つ

双眼鏡から目を離して肉眼で確認するとかなり遠く離れているはずなのに魔術での爆発や攻撃がハッキリと見える程の激しい戦いをしていた


「あ、アイツ大丈夫かよ」


そして眩しい炎の光が静まった後、俺はまた双眼鏡を取り出してビーストを見た

ビーストの胸は少し血が流れる程の切り傷があり全身の鎧が破壊されて全体に少し火傷を負っておりそして下半身はズタボロの布切れだけになっていた

ビーストは頭を貫通しようとする魔法の攻撃を避け金槌を振り回す

先程まで沢山いた兵士は魔法で木っ端微塵、魔術師はビーストによって殺戮されていた


「足りん!足りぬ!!」


ビーストは大声を上げ魔術師を掴んで引きちぎり頭を食って吐き捨てた


「ありゃいけそうだな」


そして俺は崖を降り始め裏門へと向かい始めた


「ガアアアア!!!!!!!」


獅子の咆哮を出し表門を金槌で破城槌のように門を破壊し庭へと侵入した

そこでは数々の兵士達が待ち構えており、依頼でゴールドの首飾りをつけている冒険者までもがいる


「あ、あれって、ホワイトライオンじゃねえの?」


「なんでこんな所にビーストがいるんだよ!聞いてねえぞ!」


そんな声を押し潰すかのように護衛の兵士達が剣を天に突き上げ言う


「貴様ら!静香様をお守りするぞ!!」


『静香様の為に!!!』


そして静香に魅了されている兵士達はビーストに立ち向かう


「フンッ!!!!!!」


ビーストが両腕をクロスさせ思いっきり外側へ払う

刃が波のようになっている刀はまるでハムを切るように敵をスパスパと切り殺し金槌は重装騎士の兜をぐちゃぐちゃにカチ割った


「我を楽しませろ」


そう口についた大量の血を舐めとりまた武器を振り回した

その頃俺は豪邸の中に侵入していた

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