第40話竜人族
クリスの腹が貫かれトサカ頭の男は不敵な笑みを浮かべる
ガリウスはトサカ頭の男の頭上からメイスを振り下ろすがトサカ頭の男はクリスの腹を横に引き裂きガリウスの腕を手刀で切り裂いて宙に飛び上がるメイスを持った腕を掴みガリウスの頭を振り下ろした
グチャ!!!!!!!!!
ガリウスの頭は陥没して下顎だけが残った
それを見たクリスタは怖気付き一歩後ろに下がった瞬間トサカ頭の男は両手でクリスタの頭をリンゴを潰すかのように挟む
「あ、ぁああッ!!!!」
メキメキと音が聞こえてクリスタは鼻血を垂らすと一気に噴射して地面に顔をぶつけて倒れた
「ぁ、ぁぁあ」
オリヴィアは杖を落としてしまい腰を落として地面にへたり込んだ
そこにトサカ頭の男はゆっくり飛行しながら近づいた
「た、助けてください……」
「命乞いか、賢い判断だ。でも同時に愚かだ」
トサカ頭の男が腕を振り上げオリヴィアに向かって手を尖らせながら振り下ろす
拳はオリヴィアの口の中を突き進んで喉奥まで入りトサカ頭の男の拳はオリヴィアの腹を突き破って出て来た
オリヴィアの口は後頭部まで裂けており意識があるのか涙を流している
「可哀想に、でも死ぬ覚悟があったから来たんだよな?」
オリヴィアは助けを乞う様にトサカ頭の男の腕を掴む
「本当に哀れだ、弱すぎる、見てるだけでも可哀想だ」
「そうだ、助けて欲しかったらこの腕を引き抜いてみろ」
そう言われてオリヴィアはもがこうとする
「必死で間抜けだ」
トサカ頭の男は腕を振り払いオリヴィアの胸はガッバリと開いて吹き飛び地面に転がって行った
「またやっちまったよ」
するとトサカ頭の男は何か思い出したのか俺の方を見た
「いや、お前がまだいたな」
俺は大剣を握り締め引き抜き前に突き出す
「嘘だって、戦わない」
「それと聞きたいことがあるんだがなんで戦わなかったんだ?」
「……お前、俺のお兄ちゃんだろ、俺にはもう家族はいないし唯一の血の繋がりだから戦えなかった。それに俺達じゃあ今さっきみたいに楽しまれて殺されると思ったから戦わなかったんだ」
「へえ、てか俺の事兄貴ってわかってたのか、まあそっくりだしな、とりあえず俺に着いて来いよ」
「何するつもりだ」
「警戒すんなよ兄弟だろ?離れててもいいから話をしようぜ」
俺はそう言われて俺は近くの瓦礫に座った
男は俺に背中を向けて隙があれば今斬る事も出来る
だが今さっきの戦いを見てたら到底勝てる見込みは見えずま変な事を考えないうちに俺は剣をしまった
「俺の名前はエリック、お前はエディだよな、よろしく」
「……ああ」
エリックは血の池の地面に座りあぐらをかいた
「俺が竜人族って事はお前も竜人族って事だ」
「だからお前にも竜人族の歴史を知る必要があるし"使命"もある」
「俺が、竜人族?」
「ああ、俺達父さん同じだろ?」
「お前が本当に俺の兄さんなら……でも信じられない、俺が竜人族?」
自分は普通の両親から産まれて普通の人間だと思ってた
いや、俺の今の年齢は15歳
精神年齢は高くても肉体は幼い
なのに大人も蹴散らす程の力と体格を持っている
まさか、本当に俺って……?
「待て、俺はお前と違って魔力がない、だから違うんじゃないのか?」
「お前は俺の弟、しっかりとした竜人族だ。ただしお前は欠陥品で魔力を持たず通常の俺達より身体能力が低い」
「そう言うなら違うんじゃあ……」
「でもお前は遥かに高い耐久力を持ちそれに早い治癒も持っている、それに加えて大人顔負けの力を持っているだろ?」
「竜人族……なのか」
「お前には知る権利がある。遥か昔、竜人族は"地球"を支配していた」
「地球って、ここの事か?」
「そうだ」
「そして竜人族は下位種族である人間や獣人族達に魔術を教えた、すると奴らは自分の物にしたかったのか今から500年前起きた第一次魔法戦争で下位種族は我々に牙を向けた」
「数は激減、今ではもう絶滅寸前だ。生き残ってる奴らは50人程度しかいない」
「絶望の中、竜人族の王である男が俺達が歩める道を切り拓いた。その道とは俺とお前、竜人族の皆んなが歩める道」
「それって?」
「人間と獣人族の撲滅、俺が言っていた使命とは人間と獣人族の撲滅だ。そして再び我らの時代を取り戻すんだ、ゴミは省いてな」
竜人族以外の全ての種族殺害?脅しているのか
「どうやってやるんだよ」
「お前が十騎士を殺し数少なくなってきた時に我々選ばれし戦士10名が世界を改築する」
「俺の戦いっぶりを見たろ、あの5人は金の首飾りを下げていて歴戦の猛者だ」
するとエリックは自分の首に下げている物を見せた
冒険者ランクの最高ランクである鉄の首飾り
「この手で殺した」
「ま、待てよ、い、いきなりすぎて、ちょっと……考えさせてくれ」
俺は震える声でそう言い頭を抱える
ここになんで兄貴がいるのかは置いといて竜人族の今の目的は人類殲滅、そんなの絶対に嫌だ
ミアやアフライトが殺される
「な、なあ、魔力を持たない人間も殺すのか?」
「ああ、勿論、それと獣人族もな」
「待て、それは困る。魔力を持っている奴だけ殺そう、その条件を守るのなら俺は十騎士を殺してあとはお前達が魔力を持つ人間だけを殺せばいい」
「人間に大切な人がいるのか」
「ああ、そうだ」
「断ると言ったらお前は十騎士殺害をやめるのか」
「当然だろ!!」
「なら断ろう、なんせお前は我々が危険に晒されないよう十騎士を殺せるから"利用するだけの存在"だからだ」
「は?ちょっと待ってくれ……!」
「我々は今からでも作戦を実行し、お前のその大切な人間の生首を持って来てやろう。お前が高潔な種族だと理解させる為にな」
「どっちみち変わらないじゃないか!」
「そうだ、どっちみち下位種族が滅ぼされるのには変わりない、時間が伸びるだけだ」
「待て」
「ん?」
「俺は十騎士を殺す、でもお前らがその殲滅を行う時、その時はお前らを全員殺してやる。俺が望むのは魔術師の死だけだからな」
「………そうか」
「竜人族が下位種族に感情を抱くとは、まるで親父みたいで恥ずかしくなるぜ」
「それと俺が出てく前に言う事がある」
「父さんが十騎士に殺された理由は竜人族だからだ。人類の脅威となる存在、十騎士はそう思って殺したのだろう」
「………」
「最後に言おう、竜人族の為、父親の為、大義や正義の為」
「お前はまだ、俺や族の共に人類殲滅の道を歩まないのか」
「ああ、ハッキリ言うぞ、俺は魔術師を殺すだけだ」
「俺は人間として生まれたんだ」
「………わかった。また迎えに行こう、その時は兄弟として話したい」
そうして俺の兄エリックは手についている血塗れの手を振って血を払い穴が開いている天井を見つめ飛び立つのかと思ったら何かを思い出した顔をして俺の方を見た
「言い忘れていた」
「ミア、お前の女の名前、そいつとはもうコミュニケーションを取っている」
俺は大剣を引き抜き振り下ろしてエリックの肩スレスレで止めた
肩からは一滴の血が流れてエリックはゆっくり大剣を掴んだ
「何をした!!ミアに!何をしたんだ!!」
「エディの兄だって言っただけさ、その後ご飯を食べて解散、良い人間もいるようで感心した。まあ計画には私情は持ち込まない主義でちゃんと計画の日には真っ先に殺しに向かう」
「その日にはミアの頭を鷲掴みにする。そして俺の左拳で美人な顔を台無しにする為に鼻を破壊する。次は顎を殴り千切る、脳震盪が起き身動きが取れなくなったら次は片足をへし折って食ってやろう」
「逃げる事も出来なくなったら片足と頭を掴み引っ張る。ブチブチと筋肉や内臓が引き裂かれ背骨が離れて千切れ次は皮膚が限界に達っし破壊されるまで引き伸ばす」
「俺の顔にはお前の愛する女性の内臓が降り掛かり口一杯に血を溜めてやろう」
「面白くない冗談か?お前は俺の抜刀を見切れず肩に傷が入ってる。次は頭を狙うぞ」
「ごめんな、悪趣味な冗談だ」
エリックはそう言うと手を差し伸べ握手しようとする
「ここから立ち去れ、そういう依頼でここに来たんだからな」
「知ってる」
俺はエリックの兄の顔を睨み付け握手を交わしエリックはその瞬間手を離して飛行して何処か消え去って行った
そして静かになり俺は周りを見る
「ローバになんて話したらいいのやら」
すると突然頭痛がして目を開けると目の前の瓦礫にはデットが座っていた
「お前は特別な存在だったな、まず異常な治癒能力を持っている時点で気が付かなかったのか?」
「少し他の人とは違うとは思っていたけど竜人族だとは知らなかった」
「それでエディ、どうしてエリックの野郎はお前がここに来るかのように待ってたと思う」
「それ聞き忘れてた、その言い方だと何か知ってるな?」
「ああ、ラッセルがエリックと手を組んでた」
「どうして」
「ラッセルは70年前、俺と手を組む前に情報屋をしてた。すぐ引退したが金欲しさで復帰したのかもな」
「マジかよ」
「単なる仮説だ、本当にラッセルが復帰したのならお前の旧仲の奴らは情報集めを依頼しているかもな」
「俺が前アイツらを見た場所は雪の国だった、もしそこにいるのなら2日でここに来るな」
「そうだな、敵対するか仲直りするか、よく考えておけよ」
頭痛がして目を開けるとデットは消えていた




