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魔術師殺しの転生者  作者: とまてるの
第二章十騎士殺し
35/99

第35話桜道

「ルーピン、止めてくれ……」


俺はあまりの痛みと吐き気に我慢が出来ず運転席にいるルーピンに言うとルーピンは後ろにいる俺を見て時間がないとはいえ流石にまずいと感じたのか荷馬車を少しの間止めてくれた

そして荷物から包帯や消毒液を取り出して綿に染み込ませて傷口に当てる


「ッ!!!」


「おいおい男なら我慢しろよ、俺も昔、鷹の魔物に襲われた事があってな、お前程酷くはねえがそれでも我慢したもんだぜ?」


しばらくして消毒は終わり痛み止めが染み込んでいる包帯を使って俺を体を巻き始めた

そして治療が終わるとルーピンは運転席へと再び戻り馬を走らせる

俺は荷馬車の荷台で寝転がり馬車が揺れる度に全身が少し浮き上がり頭を少し打つ

ラクシャルの手の力で頭を強く握られたせいで激しい頭痛が俺を襲う

血も失い過ぎてフラフラしてなんだが地上最悪の拷問を受けているのかと思った

ああ、やべ

吐きそう


「おえぇぇえ!!!!」


俺は荷馬車から顔を出して地面に向かってゲロを吐いた


「お、おい!!お前!マジかよ!!お前!!」


兵隊から逃げ切り3時間後

今頃あの地区が封鎖されている頃だろう

逃げ切れたのか心配だが兵隊が俺達を呼び止めていないという事は逃げ切れたという事だ

そしてラクシャルに殴られた影響と傷の悪化と馬車の酔いのせいで酷い熱と吐き気に俺は襲われていた

ルーピンは一様俺の傷を手当てはしたもののやはり深刻な傷のせいで馬車を道の端に止めて安静にせざる得なかった


「エディ、平気か?」


「い、一様な……俺が治るまで馬車を動かすなよ………」


「わ、分かってるって、それに3時間もぶっ続けで走ってたから馬も相当疲れてるだろうしな、休憩には丁度いい」


そう言いながらルーピンは俺に巻かれてある不潔な包帯を取り外し状態を確認した

巻かれていた包帯にはビッチャリと血がへばりついていて傷は無数の鉤爪で引っ掻かれたように胸や腹の至る所に傷がついており脂肪や肉の断面が微かに見える


「うえぇー、こりゃひでぇな」


他にも全身に青紫色の打撲傷があり特に酷いのは背中と胸の打撲だった


「ほんと、なんで生きてんのかよく分かんねえな。そういや少し前にお前に依頼した魔術師の殺害の時でも爆発に巻き込まれてこんな感じになってたっけか、こんな酷くはねえけど」


「いいから黙ってなんとかしろよ……!」


「おお、悪い悪い!」


ルーピンは笑って誤魔化し俺の傷を見る

そして荷物から色々な物を漁り始め裁縫道具みたいな道具を取り出した


「お、お前、それで何すんだよ……」


「縫うんだよ」


「麻酔とかは……?」


「そんなん高えから使わねえに決まってんだろ?それと縫ったら3日ぐらいで傷は塞がるから安心しろ」


「炎症とか起きない……?」


「こっちは消毒してんの!この針だって綺麗だしな」


「消毒を信じ過ぎじゃねえの……?」


そうしてルーピンは丈夫な糸を針に通してそれを俺に向けた

その後はチクチクと血を出しながら縫われて涙目になりながら治療は終わった


「あとは包帯を巻いて傷が塞がるのを待つしかないな、ローバの所に辿り着いたら俺が説明してやるからそこで安静にしとけ」


「そうなったら静香の件はかなり伸びちまうな、静香の殺害はまた今度にしよう」


「待て……次、その十騎士の奴が何処に現れるのか知ってんのかよ………」


「いいや知らねえ、だからまた今度っつってるだろ」


「駄目だ……!これを逃したら次は絶対にない……!」


「は!?じゃあこのままローバと手を組んでそのまま静香ん所行くのかよ!死にてえのかよ!!」


「この魔大十騎士殺害自体、自殺行為だろ……!」


「はいはいそうだな、伝説になる為にそこまで無茶するかよ」


「………」


「………あー、もう!好きにしろよ!」


「一旦お前の状態を見て馬車を動かせれるか見る、それでローバの所に送り届けたらそっからお前に全部任せるよ」


「ありがとう……それで、俺ら別れた後お前は何処に行くんだ………?」


「役所に遠出するって嘘の申請してる、怪しまれる前に役所に言ってた町に行くつもりだ」


「それと俺は態々お前の為に別れた後も情報集めしてやっから、二週間後俺は雪の国にいるはずだから行き詰まったら俺の事務所にまた来い」


「何処から何処まで、本当に助かるよ………」


「お前の復讐は俺の夢でもあるからな、突然だ」


そうして痛み止めが染み込んだ包帯を取り替えて巻きしばらく休憩したのち荷馬車を動かし走らせる事となった


まだそんな所で寝てるつもりか、さっさと起きろ


そうモゴモゴと聞こえて俺はルーピンの方を見た


「なんか言ったか?」


「だから!エディ、お前なんであんなにいい仲間から離れちまったんだ?」


移動している最中運転席からルーピンが俺に言う


「いい仲間?」


「誤魔化そうたって無理だぞ」


「………」


「やっぱお前が魔大十騎士を殺すって言ったから仲違いが起こったのか?」


「……まあ色々あってな、喧嘩して俺から離れた」


「あまり言いたくないのか」


「ああ」


「そうだ、東の国の名前知ってるか?」


ルーピンは話題を変えて俺は答えた


「俺の生まれた地は義務教育がなかったんだよ、13ぐらいから復讐する為に旅立ってるし、だから外の事はあまり知らないんだ」


「じゅ、13?お前今いくつ?」


「去月で15」


「15でその体格かよ、気持ち悪りー」


「じ、自分でも結構気にしてんだよ」


「それコンプレックスなんだな」


「肝心な国名は?」


「忘れてた忘れてた、"桜道"だ」


ルーピンは笑いながら言い俺は座って外を眺めて時間を潰した

そうして数時間が経過し東の国の目の前にまで来た


起きろ


夢の中でゴモゴモと聞こえる


「エディ、そろそろ到着するぞ」


俺は気付かないうちに寝ていてルーピンの声で目が覚めた


「準備してくれ」


「ああ」


痛み止めがあまり効いていないのか分からないが全身が物凄く痛み、特に頭が少しの振動だけで激しく痛んで二日酔いより更に酷いような状態だった

そんな状態で服を着て足枷にしかならない大剣を背中に背負う

そしてしんどいせいで上をボーッとずっと見ていて重い瞼が落ちた


とんだ弱っちい奴だな、そんなんであの十騎士を殺そうってのか


夢の中でまたゴモゴモと男が喋る

うるさい、変な夢ばっか見るな


「エディ、お前何回寝るんだよ」


ルーピンが声を掛けて起こしてくれて俺はまた目が覚めた


「ここは?」


「馬宿だ、荷馬車をここに置いてる」


「しんどそうだな、包帯取り替えるか?」


「そ、その前に早くそのローバとか言う女と会いたい」


「そうだな」


俺は馬と離されて解体されている荷台からルーピンの肩を借りて降りゆっくり歩き出す


「エディ、本当に大丈夫かよ」


「全然大丈夫じゃない、毎回アイツらと戦う度にこんなんになってちゃあ体がも、もた………」


その瞬間ぐらんと視界が揺らぎ気持ち良くまるで吸い込まれるように一瞬目の前が暗くなった


「わ、悪い、視界が歪んで………」


周りを見ると俺はベットで寝かされていてあまりの唐突に意味が分からない


「あなた、気を失ってたのよ」


すると横の椅子にスーツを着ている30代ぐらいの女性とその横には助手らしき修道女の格好をした俺と然程変わらないだろうが年上の女性がいた


「通りでフワフワするわけだ」


「あのルーピンから聞いたよ、重症なんだってね」


「ああ、でもまだ戦える」


「ならよかった、私はこの桜道の女王と言われてる、近くに私の地下のバーがあるから体調が安定したら来てくれ」


そしてローバは立ち上がって目の前から立ち去ろうと高そうな音を奏でる革靴の足で去って行った


「俺の話しくらい聞けよ、それでアンタは行かなくてもいいのか?」


俺は修道女のに目をやり言う

すると修道女は俺の太ももを触って近寄り耳元で囁いた


「はい、私はあなたの付き添いなので」


そして耳元から離れてニッコリと笑顔を見せた


「………それで、これから俺は何をすれば?」


「言われたでしょ?傷が治るまで"大人しく"するんですよ」


その女の言うことに耳を貸すな、俺はそいつをよく知ってる


頭の中で響く男の声のせいで修道女が話す内容が聞こえない


俺は名前はデット・レッドアイズ


俺の体に相応しい相手を探している時にお前の意識に入らせてもらった


俺、ラクシャルのせいで頭がおかしくなっちまったのか

俺は不安と恐怖に襲われて胸が締め付けられ汗が流れる

殺し合っている時でもこんな気持ちにはなったことは最初の頃だけだった

俺は、弱くなってしまったのか?


お前は"選ばれた種族"だ、そんな傷、大したことない。それとその女には気を付けろ


この女はラッ………


俺は耳を押さえ込んでもその男の声は聞こえて不安や恐怖よりそいつに対しての怒りが高まってきた


「うるさい!!!」


ついそう口に出してしまった


「……すみません、私、何か……」


「ち、違う、血を失い過ぎたせいで幻聴が聞こえるんだ」


「そうなんですか?すみません気を遣わせてしまって、お名前だけ伝えるのでまた後日来ますね」


「私の名前はラッセル、それだけ覚えておいてください」


「では」


そうしてラッセルという修道女はお辞儀をして俺の前から去って行った


「幻聴なんて初めてだ………」


次は姿として現れるなよ?

心臓の音が高鳴り緊張が走って冷や汗が出る


はあ、いちいち夜に耳と目を押さえて閉じなきゃいけなくなったじゃねえか


「う、うわぁぁぁあ!!!!!」


「お、おい落ち着けよ」


この後叫んでしまったせいで看護師が駆けつけ余計な心配を掛けさせてしまった

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