第34話剛石のラクシャル
ラクシャルは俺に向かって走って来て俺はタックルされて吹き飛び地面に激突して転がりながら建物の壁にぶつかって止まった
「コイツに弱点ってあるのかよ……!」
俺はフラフラと立ち上がり震える脚を落ち着かせて真っ直ぐと立った
ラクシャルは俺の前に堂々と歩いて近づいて来て拳を振り下ろす
俺は大剣でガードをして防ぐが次の攻撃がかなり速い
次に来るパンチを見て俺は大剣を振り上げた
ズガンッ!!!!!!!!
大剣はラクシャルの拳にめり込みヒビを入れ血を流すがラクシャルはニヤリと俺に笑うだけで痛みなんか効いていなさそうだった
拳が切り裂かれたんだぞ?なのに、なのにコイツは………
ラクシャルは左拳を振るい俺は大剣でガードする
そして血が出て少し裂けている右拳を振るい俺はそこを攻撃すればいいものをビビってガードした
そう、コイツは文字通り戦闘狂だった
「ほらほら!どうした!!俺の拳を防ぐばかりで、つまらんぞ!!!」
ラクシャルは右拳を振るうと見せかけて脚を薙ぎ払い俺の横胸に食い込んで俺を壁に叩きつけた
「フンッ!!!!」
ラクシャルは拳を突き俺は屈んで避けラクシャルの拳は壁にめり込む
そして立つのと同時に踏ん張りながら大剣をガラ空きのラクシャルの腹に目掛け突き立てた
ズゴン!!!!!!!!
コイツの腹、頭と違って脆い…?
物凄い音を立て大剣はラクシャルの腹を突き刺さし破片が地面に散らばるが大剣の先端しか突き刺さっていない
だが弾かれた頭の装甲と比べて腹は弱かった、それでも血なんか出ずラクシャルの反応を見るとどうってことなさそうだった
「本当にそんなちっぽけな攻撃だ、それで魔術師を殺せるのか?噂はデマなんじゃねえの?」
ラクシャルは俺を腕で振り払うと俺の胸や腹にザクザクと尖った石の先端が刺さり肉が引き裂かれながら吹き飛ばされた
「ッ!!!!」
そして吹き飛ばされた俺は窓を突き破って建物の中に入った
ズドォォォン!!!!!!!!
ラクシャルは壁を殴って破壊して倒れている俺の前に現れる
「魔術師殺し、噂はやはり過大評価されていたか」
「さあ、どうだろうな」
俺は大剣を握り締めて奴に向かって薙ぎ払う
ラクシャルはそれを見越して先に動き俺の頭を潰す為目掛けて拳を振り上げていた
俺は大剣の方向を変えて床に突き刺し腕に力を入れて無理矢理体の動きを変えラクシャルの拳を避ける
「すっげえ動きだな」
そしてそのまま床を切り裂きながら体を回転させて勢いよく奴の空いた横腹に大剣を薙ぎ払った
ゴンッ!!!!!!!!
ラクシャルはタックルする為に主に頭や肩、腕、胸を分厚く強くしていて腹は他のと比べて脆かった
だから頭や腕より俺はラクシャルの横腹を狙い大剣はラクシャルの横腹を切り裂き血がタラタラと大剣の刃を走って地面に垂れ落ちる
「うおぉぉぉぉおお!!!!!!!」
俺は大声をあげラクシャルが自分の血を見て困惑しているうちに大剣を抜き再度傷を付けた横腹に目掛けて大剣を薙ぎ払った
ガシッ!!!!!!!
大剣がラクシャルの横腹に食い込む前にラクシャルは俺の大剣を掴み止め、俺の頭を鷲掴みにして持ち上げた
「先程の剣術は良かった。褒美に握り潰してやる」
頭に圧力が掛かっていき皮膚が千切れるような痛みが頭を通して首まで伝わってくる
「死ねぇ!!死ねぇぇえ!!!!」
「あがぁぁあ!!!!!!」
言葉にならないほどの激痛が頭全体を襲い目玉が飛び出てしまうのではないかと思うぐらい目が前に出ているような感覚を覚える
奴には必ず弱点がある
鎧のように関節部分は覆えない、だからその関節を狙えば傷を与える事が出来るはず
だがこの位置じゃあ大剣は踏み込んで振れもしないしなら脚の関節を狙おうとしても当然無理
脇と角度的にも石の鎧に弾かれてしまうだろう
だから俺は奴の首に繋がる肩に注目した
奴はタックルをする為に肩を丸めやすくしている
俺はそこの露出している肩を見てラクシャルの肩を頭を鷲掴みにされながらも強引に手の平一杯に掴んだ
そしてりんごを握り潰すように、草むしりをするようにしっかりと握り引きちぎろうとする
「ぐっ!!!!な、なにをする!!!」
「はあぁぁああ!!!!!!」
「あ、あがっ………!!!!」
ブチィ!!!!!!!!
奴の肩の肉を引きちぎり握り潰そうとしてくる力が弱まってくる
そして俺は奴の肩を掴んで顔を近づけ千切った箇所にむしゃぶりつきベリベリと鶏肉みたいに肉を噛み砕き引きちぎった
ラクシャルは流石にその痛みには耐えきれず鷲掴みにしている手を離す
俺も頭の痛みのせいで離された後も床に倒れて頭を掴み悶え苦しんだ
それでも俺は立ち上がり落としてしまった
大剣を拾い上げる
「終わりだクソ野郎……!!!!」
「終わり?終わりだと?勝手に決めつけるな!!!」
ラクシャルは俺をしっかりと捕まえて地面に振り下ろす
「がはっ!!!!!」
俺の上半身は地面に叩きつけられその衝撃で肺に溜まっていた空気を全部吐き出す
そしてラクシャルは俺を壁に叩きつけ俺は大剣を手放してしまった
ラクシャルは壁に俺を叩きつけた後、引き摺り回し外に放り投げた
ドサッ!!!!!!
俺はゆっくり息を吸いながら立ち上がり肩に負傷を負っているラクシャルの前に立ち塞がった
俺の足元には酒場での奴の仲間達が待っていたであろうハンマーがあり石を纏うラクシャルに対してはかなり良さそうな武器だ
睨み合っている中俺は足元にあったハンマーを掴んでラクシャルの腹に目掛け振るとラクシャルは拳を薙ぎ払う
ラクシャルのタイミングはかなり良く俺の胸を殴って俺は吹き飛ぶが俺のハンマーは俺が吹き飛ばされたせいで手放してしまいハンマーはラクシャルの顔面にぶつかって石の装甲を剥がした
吹き飛ばされた俺は近くの街灯にぶつかり地面に落ちラクシャルは鼻が折れ鼻血を大量に吹き出す
そしたラクシャルはフラフラと姿勢を崩してながら倒れかけるがギリギリで耐え続け小刻みに震える脚を動かして倒れている俺に歩み寄る
「貴様は何を思って魔術師を殺しているんだ……?」
ラクシャルが倒れている俺に問い掛けた
俺が魔術師を殺す理由
そんなの決まっている
「復讐の為だ……!!!!」
俺は地面に手をついて立ち上がりラクシャルはニヤリと笑った
「復讐の為か、醜い奴め」
そしてラクシャルは拳を俺の頭目掛けて振り下ろす
ゴゴゴゴと奴の拳が風を切り裂き途轍もない威力を持って迫り来る音が聞こえる
奴の拳は石の装甲を覆われていて今、殴られたら一溜もないだろう
俺は奴の拳をスレスレで避け石の装甲が俺の頬を切り裂き血が流れる
そして俺が振るう拳が奴の顔をめり込んだ
「ブフゥ!!!!!!!」
拳は奴の折れた鼻を抉りグチャグチャにして鼻と前歯が取れ口や鼻から血を吐き出す
そして後ろにフラフラと倒れ始めるが脚を止めてゆっくりと前に歩き出す
「はあぁぁあああ!!!!!!」
俺はラクシャルに飛び掛かり抉れた肩に向かって爪を立てながら掻きむしった
ラクシャルは大声を出して耐え難い苦痛に地面に倒れて悪化した肩の傷からは血が大量に吹き出す
そしてラクシャルは小さく呼吸をしながら震える手を抑えて立ち上がろうと地面に手をつけた
俺は、こんな所で………!
その時ラクシャルの目線の横に真っ赤に血に染まり月の光で反射している大剣の刃が映り俺はラクシャルの肩に狙いを定めて大剣を振り下ろした
ザンッ!!!!!!!!
大剣はラクシャルの肩甲骨を貫き奴の腰まで大剣は肉体を切り裂いた
休憩している暇もなくピーピーっと兵隊が駆けついてくる笛の音がして俺は大剣を背負いルーピンが言っていた場所までふらつきながらも走って行った
「遅っせえなー、アイツ」
ルーピンは馬車の運転席で鼻をほじりながら優雅に空の夜景を眺めて大回りをして東の王国へ向かう為に地図を確認していた
「おーい!馬車を出せ!早く!早く馬車を出せ!!」
そう遠くから聞こえて体をビックリさせて横を見るとエディが兵隊に追いかけられ血塗れで大声を出しながら逃げていた
「うおっ!マジか!!」
ルーピンは荷馬車を動かし少しゆっくりなスピードで走り出した
俺は背を向ける荷馬車に一か八か手すりに飛びついてしっかりと掴み荷馬車に入った
「おい、エディ平気か?」
「平気じゃない!頭は痛いし全身傷だらけでどうにかなりそうだ!」
ルーピンは荷馬車を加速させて後ろにいるエディの容態を見ると胸と腹に無数の鉤爪で引っ掻かれたような深い傷や体全身の青紫色の打撲傷が見えた
「うへぇー、これは酷いな、拷問でも受けたのかよ」
「それでルーピン、お前が言ってた東の王国にはいつ着くんだ……?」
「10時間とかじゃないか?休憩含めてな」
「長いな……」
「その間、そのクソッタレみたいな傷をじっくり治せるだろ?」
「そうだな」
ルーピンは兵隊が追いかけて来ていないか後ろを確認した
後ろにはもう誰も追いかけてきておらず本来の道のりとは違う方向に進んで東の王国へ大回りして向かって行った




