第32話情報屋
一年後
北に位置するバケストラ王国とは正反対に位置する雪の国スノータウン
俺は酒場の外の雪の上で寝転がっていた
「………」
寝ている俺の前にはキョロキョロと周りを見ている酒臭い中年がいて背中には大荷物を背負っている
そして俺を見つけると急いで走って俺の上半身を起こした
「……ィ」
「…ディ」
「エディ」
中年は俺の名前を呼び掛ける
コイツ誰だっけ?
モサモサのヒゲに長い青い髪、ビール腹の男
ああ、思い出した
「………お前、ルーピンか」
「そうだよ、情報屋のルーピン。お前一体こんな所で寝てて寒くないのか?」
「お前が酒飲ませたせいでこうなってんだろ……」
「ほら、早く家に帰って明日の用意しろよ。"剛石のラクシャル"の居場所が分かったから」
「ラクシャルは何処にいるんだっけ」
「ここから西に進んだ小さな町だ、奴の犯罪歴は強姦、殺人、放火殺人、数え切れない。クズ野郎の代表十騎士の一人だ」
「家に帰れって言ってたよな、テロリストに占領されたよ」
「は?全く、俺ん家来いよ」
ルーピンは俺に手を差し伸べ俺は手を掴んで若干ルーピンはよろめきながらも俺を持ち上げてくれ肩を首に掛けて俺は吐きそうになりながらも酒場の窓から人が飛び出したり酒瓶で頭を叩いたりしてる異常な中ゆっくり歩き出した
中年の男ルーピンとの出会いは半年以上前に遡る
俺は仲間と離れ半年の間金を貯める為に魔術師や魔術師以外の悪人数十人殺害したせいで顔はバレていないが指名手配されていた
それに俺の特徴的な大剣のせいで大剣を使う冒険者狩りが始まり当然俺も酷い目に遭った
話が脱線したな、そうして俺は酷い目に会いながらも旅を続けある町の酒場で打ち上げをしている冒険者である魔術師の所に疲れながらも尋ねた
「ウェーイ!!!」
「ちょっとー、やめてよー!」
金髪の髪に鎧と片手剣を持っている男と胸や脚の露出が高い女魔術師が酒を飲みながら騒いでおりその周りにメガネを掛けている大人しい子がいた
「うるさいですよ、今日はそれだけ騒ぐのも分かりますけど」
そんな場所に俺は男の前に割り込み座った
「ん?なんだコイツ」
「酔っ払いじゃない?一緒に飲んであげたら?」
「そうだな!!俺の名前はガー、そこの女の子はエヴで右の子はジラだ」
「よろしくねー」
「………?」
ジラは笑いながら酒を飲みエヴは突如知らない男が来たせいで困惑している
そうしてガーは信頼を込めて俺の胸に酒を押し付けてきた
「俺達!ドラゴン討伐に成功したんだぜ?お兄さんも俺達を褒めてくれよー」
「ちょっとガー………」
俺は酒を手に取り飲み干した
「ノリいいね!じゃんじゃん飲むぞー!」
「お金、全部使い切ったらダメよ?」
「おうよ!」
そうして意外に仲が深まり俺と3人は宿屋へ行き泊まらせてもらった
ガーの横で眠らしてもらっていると隣で寝ていたジラが俺に迫る
「ねえ、お兄さん」
ジラがそう言うともう一人起き上がり俺の耳元で囁く
「エディさん、最近話題の魔術師殺しでしょ?」
彼女は俺の胸から下へ指でなぞる
「こっちも強いんですか?」
俺の経験上下着姿の彼女達の尻尾で分かるが淫魔の類いの魔物だ、俺は屈せず二人に立ち向かう
ガーを置いて脱衣所に向かいエヴやジラは服を脱ぎ始め俺のベルトに手を掛ける
そして二人と共に一夜を過ごした
朝になり酔い潰れているガーの横でジラとエヴと情報交換をし合っている中"ルーピン"という名前が出た
ガー達とはかなり仲が良いみたいで依頼は大体その男から受けているらしく政府も目を付ける程情報を持っていると言われておりここ雪の国スノータウンにいるという情報も得た
そしてここまで来てルーピンの家に辿り着きルーピンと話をつけ信頼を得る為に2ヶ月ぐらい魔術師の殺害関連の酷い仕事を受け信頼を勝ち取り、酒場でルーピンと飲んでいると知らぬ間に雪の上で寝ていた
そして今現在ルーピンの家に辿り着きルーピンはゆっくり俺をソファーに俺を座らせた
「おーいエディー!」
「ん?うん」
「ボケーっとしやがって、クスリがまだ効いてんのか、それとも酒か?俺はお前の為に魔大十騎士殺しに手伝うんだぞ、しっかりしてくれよ」
神はどうやら俺を見捨てておらずルーピンが情報屋をやっている理由は俺と同じ魔大十騎士の撲滅
目的が同じなので奇跡的に手を組む事となった
「それにしてもエディ……」
「なんだよ」
ルーピンはキッチンへ行き魔法家具を使って自慢の自作茶葉で紅茶二人分を淹れながら言う
「まさかガー達の知り合いだったとは俺も驚いたぞ」
「あー、酒場の時の話か」
「エヴとジラとヤッたのか?」
「なんでそんな話になるんだよ」
ルーピンはキッチンで紅茶を飲み態々俺の前にある机に紅茶を置いてまたキッチンに戻る
「だってよ、あの二人サキュバスだろ?でも二人とも好みが激しいからよ、他のと違って全然させてくれないんだ」
「でもお前は一日知り合っただけでいけたろ?一体どんなテクを使ったんだよ!」
「……昔、仕事仲間だった奴がいてな、そいつが色々と教えてくれた」
「へー!仕事は出来るし男としてのレベルも高いし、お前なんでも出来るな!」
「でも唯一自信なさげなのがお前のダメな所なのなー!」
「うるさいな、それで今日も俺はこんなオンボロで臭いソファーで寝るのかよ」
「当ったり前だ!顔が良い奴はクソみたいな場所で寝ろ!」
「あっ、それと昨日手紙が届いてよ、今夜中に依頼して来る奴が来るんだってよ」
「はいはい、問題起こすなって言いたいんだろ。俺はそんなヤバい奴じゃないから安心しろ」
「ヤバい奴じゃないって、お前それ本当に思ってんのか?」
ルーピンは笑いながら言い紅茶を飲んで棚から煎餅をかじりだした
「おっ、煎餅じゃん」
俺は反応してルーピンは一個俺に向かって投げる
その煎餅をキャッチして食べるとあまり美味しくなかった
するとルーピンは服を着替え始め金を準備し始める
「よっしゃエディ、今から淫魔店に行くぞ」
「今はそういう気分じゃない。てか、お前本当に好きだなサキュバス。自分から誘えないからか?」
「うっせえ!じゃあ俺だけ楽しい思いしてこよ!」
そうしてルーピンは玄関を強く閉めて出て行った
お客様が来るんじゃないのかよ、いつも通りじっと出来ない奴だな
煎餅を食べ終わり紅茶を飲み干すと雑誌を開いた
いつも思うが雑誌とか写真集載せたりそういう技術があるならもうそろそろスマホやパソコンみたいな電化製品も出てくるのか?
いや、この電球みたいな物も魔力で光ってるだけだし、やっぱり訳わかんない世界だな
次のページを捲ると最近活躍している冒険者のランキングみたいのが出てきた
「え!!?」
思わず声が出てしまう
第三位はガー達で第二位は知らない奴ら
一番驚いたのは第一位の奴だった
記載されている名前には"ミア"と記載されていて背中には槍を背負っておりつい最近銅から銀へ成長して異常な出世スピードだと話題らしい
「いつか、会いに行くか」
そうして次のページを捲るとえっちな写真集が最終ページまであり俺はルーピンが帰って来るまで見続けた
そして数時間後
「また来てくださいねー」
「はーい」
ルーピンは淫魔店から出て行きすっきりした顔をして家に帰ろうと歩き出した
すると目の前にはかなり背が高いイケてる二人が美人な一人の女性と背が低い可愛い女性を囲っており相当な危険な集団のようだった
するとその中の右腕が無い隻腕の高身長男が歩いて来た
「少しいいか」
「め、めんどうごとはやめてくれよ……」
「違う、ここらに国一番の情報屋がいるって聞いてな。知らないか?」
「なんだ俺のお客さんか、着いて来てくれ」
そうしてルーピンが歩き出すと後ろから奴らがボソボソと何か喋っている
ナニ臭いのがバレたのか?
俺は聞き耳を立てた
「ジェイク、本当にこの人信用していいの?」
「もし変な事してきたら一発ぶん殴ればいいだろ」
「ジミー、ジェイク、うるさい。少しは静かにしてくれる?アストレアも心配しなくていいからね」
「メイデンこそ、さっきまでは化粧品見た瞬間駄々こねてた癖によ」
「う、うるさい……!」
そうして俺はこんな怪しい奴らを連れて行きながら自分の事務所兼家へ俺と4人は中に入り俺は客間に案内する
「それで要件だけど………」
「さあさあ座って、それにお嬢さん綺麗ですねー!」
「私のことか?」
「ええ、その金色の……」
そうやっていつも通り変態な事を聞いて話に繋げようとすると俺の真横に血のような色をした尖った刃物が壁に突き刺さった
「私の話をちゃんと聞いてくれるかしら」
「は、はい」
「私達はある男を探している。名はエディ、最近噂に聞く魔術師殺しだ」
「うーん、その男、私も探しているんですけどね、正体を隠すのが上手いのか全く情報が掴めないんですよ」
「もし来月中に探せたのなら、この袋に入っている金を全て差し上げるわ」
メイデンはテーブルにパンパンに詰めた金貨が入っている小袋を置いた
「な、な、な、なんじゃこれ……」
「もし"来月中"に情報を掴めたのならこれを全て差し上げる、だから、私達に協力してくれるかしら」
「……ええ、分かりました。私に任せてください!」
「よかったなメイデン姉様」
ジェイクが茶化してメイデンはテーブルに置いてある小袋を荷物に入れてしまう
「その言い方、私だけが探してるみたいじゃない、あと姉様呼びはやめて」
「冗談だって……」
すると小さい女の子が立ち上がった
「こんな所で時間潰してる暇はないし皆んな早く違う情報屋を探しに行きましょ」
そう小さい女の子が言い4人は喋りながら出て行った
わんぱくな奴らだな
そう思いながら俺はエディを起こす為にリビングへ行った
「おいエディ」
エディはえろ本を腹に乗せて呑気に寝ている
「おいエディ!」
俺はその声に目が覚めた
「今さっきお前の昔の仲間が来てたぞ」
「そうか、何も喋ってないだろうな」
「話を合わせる為に言ったが俺はお前を売るつもりはない、それとお前は何も思ってないのか?かつての仲間を追いかけるとか」
「俺はアイツらをぶっ刺したりぶった斬ったりしたのにまだ追いかけてくる」
「仲間想いな奴じゃないか、戻ってもいいんだぜ?」
「アイツらは俺を仲間に戻したくて探してるか殺したくて探してるだけだ。もし殺しに来てるんだったら……」
「リスクは避けたい、だろ?今から飯作るから何がいい」
「………シチューがいい」
「またかよ」
そうしてルーピンはキッチンへ行き俺は読み終わっていなかった雑誌を読み始めた




