第30話関係の崩壊
アストレアは壁の外で戦っていて仮面の男の顔を掴み地面に叩きつけて殴る
だが仮面の男は血も何も出さない
「小娘、そろそろ終わりだ」
仮面の男は上にいるアストレアの拳を避けアストレアの顔を殴り腹を蹴って起き上がる
仮面の男は義手の腕に魔力を込めてアストレアの顔を殴りアストレアは倒れた
仮面の男は追撃に右拳を振り下ろしアストレアの鎧を破壊すると中には赤黒い煙がある
それを蟹の身を取るように引っ張りアストレアの体内から抜いた
すると変身は解かれ生身のアストレアが出て来た
「終わりだ」
仮面の男は右拳を振り下ろしアストレアの腹をぶん殴る
「ごはっ!!!!!」
アストレアは腹を抑え這って仮面の男から逃げようとする
仮面の男はアストレアの肩を掴み裏返してまた腹を殴った
「ごばっ!!!!!!」
アストレアは血を吐きその血は仮面の男の金属の拳に付いた
「………」
「どうしたの……?顔は殴らないの……?」
仮面の男は拳を上げるが動かさない
そんな様子を見たアストレアが男に言った
仮面の男は仰向けになっているアストレアの横に座る
「私には孫みたいに想っている血の繋がっていない女の子がいる」
「その子は元気でな、丁度お前の見た目ぐらいの年齢だ」
「だがつい最近、その娘は冒険者になる為に家を出て行ったんだ」
「何が言いたいの……」
「お前とその娘の姿が重なってしまうんだ」
「ああ、クソッ!!」
仮面から涙が出ていて仮面の男は地面を思いっきり殴ると空に向かって飛び立って行った
「本当、なんだったのよアイツ……」
そしてアストレアはゆっくり立ち上がり苦しそうに歩きながらあの基地へと向かった
一方メイデンは俺の肩を触れて言う
「エディ、お願いだから人を殺すのはやめて」
「コイツらはお前を犯し、他にも散々酷い事をしてるだろうな。捕まっても外に出たらまたやる、こんな奴を生かしていても意味ないだろ」
「コイツらは全員化け物だ、人間なんかじゃない」
「化け物?それ本気で言ってるの?」
「魔術師もこういう連中も化け物だ」
「コイツら一人一人野蛮で卑劣な獣だ、そして俺はこの獣を殺した」
「何を言ってるのか分からないけど、もう殺すのはやめて」
メイデンの目を見ると涙が出掛けているのが分かる
「ずっと、ずっと嫌いだったんだ。お前はいつも殺しはやめろだのなんだのいつも文句を付けやがる」
「お前も殺してただろ?」
「そう、でも私は変わったの!……だからあなたも変われる」
「そうだ、エディ」
メイデンと話していると向こうからジェイクとジミーがやって来た
「ジェイク、お前も思うだろ?女性や子供を殺すコイツらを許せるか?」
「許せない、だがお前がやっている事は何もかもが間違ってる」
「俺は言ったよな?殺すなって」
俺はジェイクの背中にいるジミーを見る
「おい、ジミーはどうなんだ。そうやって頷いて、便乗してるだけの馬鹿にしか見えないぞ」
俺がそう言うとジミーは口を開いた
「俺は人を殺すのを生業としているから言えないが、人を殺すプロとして見るとお前は無駄に命を奪う"異常者"だ」
「"異常者"だって?」
「ああそうだ」
ジェイクはそう言い俺はメイデンを見る
「そうよ、無駄に命を奪えばこんな人達と同類、だからお願い、もうやめて……」
俺は手を見る
手の平は血だらけで甲で顔を拭くと血がびっしりと付いた
意味がわからない
皆んな、苦しい思いさせられているのに苦しませたその相手にやり返したらそれは駄目だって?
「なんだよみんな、俺が間違ってるって言うのかよ」
「そうだ!お前は間違っている!!」
ジェイクは俺に詰め寄る
知らない間に俺とジェイクの目線は同じでもう下じゃない
「ねえエディ、魔術師にもそうするの?恨んでない私達みたいな魔術師も殺すの?」
メイデンは涙ながらに言うとジェイクは魔法の詠唱をして剣を作り出した
「殺すよ、いくらメイデンみたいな優しい人でも邪魔をするなら俺は殺す」
するとジェイクは剣を振るい俺は大剣を引き抜きガードして距離を取る為に後ろに下がった
「ジェイクやめてよ!」
「メイデンは黙って見とけ!!」
そうしてジェイクとジミーは俺との距離を徐々に詰める
「エディやめて、お願い!あなたを傷付けたくないの!」
「私はあなたを愛してる!弟みたいに、私はあなたの事を愛してるの!」
メイデンは涙を流しながら俺に訴えかけて来た
「黙れ!!」
「お前もコイツら二人と同じなんだろ!」
俺は走り出しジェイクは思ったより速いと感じたのか反応が遅れる
俺は大剣を振るいジェイクは咄嗟にガードするが俺の剣に吹き飛ばされ建物の壁に叩きつけられジミーは飛び上がり俺に向かって剣二つを突き刺した
俺はジミーの攻撃を避けて大剣を振り下ろしジミーは地面から剣を引き抜いて受け止める
「やめろ!エディ!俺はお前と殺し合いたくない!!」
「覚えてるかジミー、俺とお前で暗殺任務での殺した男が営業していた会社は違法な利息をつけて借金を借りざる負えない人達を騙してたよな」
「その後、俺達はそいつを殺した事で感謝された。今から俺がやる事はみんなに感謝されるような事なんだよ」
「それは違う、エディ」
俺は下にあるジミーに体重をかけて追い込み続ける
「違くない、何も間違ってない、師匠」
ジミーは剣を上手く使い俺を受け流して俺は前に飛び出しジミーは背中から俺を切り付けようとしてくる
俺は大剣を背中に回して攻撃を受けたのを確認すると引っ掛けながら自分の前へと大剣を引き出しその勢いでジミーの二つの剣を手から離させ二つの剣は自分の前に落ちた
そして俺は後ろにいるジミーの方を向く
「拳だけで俺を戦うつもりか」
するとボロボロと壁が崩れる音がして俺は後ろを振り向いた
「エディ!!!」
そこには剣を二つに割り二刀流にして襲い掛かるジェイクがいた
ジェイクは片手に持っている剣を俺に投げつけ俺は避ける
そして避けてそのまま突き進む剣はジミーが持ち俺に襲い掛かった
俺は前にいるジェイクの攻撃を受け止め脚を蹴ってジェイクの体制を崩して背後にいるジミーの攻撃を見て弾きジミーの体制を崩し倒れさせた
「お、俺はいくら傷つけられようともお前を邪魔して殺戮を止める!」
「なら終わりにしてやる」
俺は殺す気で倒れたジミーの胸に向かって大剣を突き下ろした
「エディ!」
後ろからジェイクが呼び掛ける
俺は動きを止めて倒れているジミーを見逃し背後にいるジェイクに迫る
「エディ、復讐するのは魔大十騎士の一人だけじゃなかったのか!」
「考えが変わった、十人のクズを殺せば世の中は確実に良くなる」
「エディ、お前まさか、復讐ってのは殺すのか?一騎打ちで打ち負かして謝罪させるとか今までやってきた事を暴露して騎士団を崩壊させるとかじゃなく殺すのか!?」
「そうだ」
「お前は俺がやる"復讐"に興味があって着いてきたんだろ、何を今更」
「それにお前は俺が強さを求めてた理由は打ち負かす為だって本気で思ってたのかよ」
「……分かった、復讐する相手を殺すなら好きにしろ、だが殺戮は間違ってる。生きている間に罪を償わさせたらいい」
「生かして罪を償わせる………?」
「そうだ!!」
俺はジェイクに言いジェイクは剣を振るい俺は受け止め次々へと攻撃がくる
次第に追いつけなくなり腕や肩に切り傷を負う
「やめてよ……」
メイデンは涙を流してそう言うしかなかった
そして俺は気がついた
こいつは殺せない
俺はジェイクの隙を見て攻撃がきた瞬間強引に大剣を振り下ろす
「な、なに!!?」
通常ではジェイクが腹を切り裂けばいいがジェイクは人を殺せない
それを利用して俺は攻撃のチャンスを掴んだ
ズドン!!!!!!!!!
大剣は地面にぶつかり大きく砂埃を舞い上がらせる
「クソがッ………!!!!」
ジェイクは避けたらしいが胸には縦に傷が入ってそこから血が流れていた
するとその血は動き始めメイデンの手元に移動した
メイデンも他人の血を使うと言う無理に魔術を使ったせいで鼻から血が流れていたがそんなの気にしない
メイデンは俺に手を翳すと手の平にある血の球体は高速で回転していた
「私が発射すると一瞬で避ける暇もなくエディの体を貫くわ」
「それで?」
「お願いだから争いはやめて、私の方に来て。そうしたら全部許してあげる」
「皆んなもそうしよ」
メイデンが周りを見てジェイクとジミーを見ると二人とも頷く
「エディ、いくら悪人だからって殺してもいいの?」
「全部許す?俺は皆んなを傷つけたのに?」
「ええ」
そうやって簡単に許すのか?いくら大切に思っているからって………
俺を油断させた隙に殺すつもりなのか?
信じていいのか?
「………断る」
「なら!」
メイデンは俺に向かって高速で回転する血の球体を発射しようとする
だが出来ない
弟を殺してしまった時の記憶が蘇りそれがエディと重なる
覚悟の準備は出来ていたはずだったのに、そうメイデンは思う
これ以上俺に歩み寄らないで欲しい
俺はメイデンに近づき大剣を突き立てた
「やめろ!!エディ!!!」
ジェイクは走り出すが遅い
俺はメイデンの腹を大剣で突き刺し引き抜いた
ドサッ!!
「エディ!!!!!」
ジェイクは怒りを露わにしながら近づき俺に剣を振るう
俺は受け止めるが今までにないほどの衝撃だった
「お前は超えちゃいけない一線を越えたんだぞ!!!」
「ずっと前から超えてたさ、一年前、人を殺した時に」
俺はジェイクの剣を受け止めていたが次第に俺がジェイクを押していきジェイクは力で負けていく
「め、メイデン」
ジミーはメイデンに近づき必死に傷口を押さえてジェイクの手助けさえ出来ていない
「分かるか、ジェイク」
「何をだ……!!」
「お前は数年努力してきてこれだが、俺は一年でお前を圧倒してる。物凄く良い気分だ」
「メイデンを殺した時だってそうだ。魔術師は以外に弱いのかもな」
「エディィィイ!!!!!」
ジェイクは必死に踏ん張るが俺に勝てない
そしてジェイクの剣を地面に撃ち落とし剣は跳ね上がって後ろの地面に突き刺さった
俺はジェイクの顔を蹴り上げて倒れた所に剣を突き刺そうと近づいた
「見ろジェイク、ジミーはお前のことなんか気にしてないみたいだ」
「クソがッ……前までのお前は何処に行ったんだ」
「前までの俺?今も同じだ。違うのはお前らと合わせるのを止めただけ」
「必要のない殺しはするな」「迷っていたら殺される」そうアフライトの声が頭を駆け巡る
これは必要な殺しだ
そうして俺はジェイクの胸に向かって剣を突き刺そうとした
しかし動かなかった
俺はなんでメイデンを突き刺したんだ、なんで今ジェイクを殺そうとしてるんだ
迷えば死ぬ
それを思い出して俺はもう一度剣を動かした
「これで無事ね」
大剣の先端がジェイクの胸を突き刺した時だった
アストレアの声が背後から聞こえる
「はあっ!!!!!」
ジェイクはその隙を見逃さず剣を掴み俺の腹を切り裂いた
俺はギリギリで避けようとは思っていたが避けきれず傷を負ってしまいジェイクは立ち上がり追撃を入れようとしたが俺は大剣を振り下ろしジェイクは咄嗟にガードする
「ああ、クソっ……!!!!」
何度もジェイクの剣に向かって大剣を振り下ろしているとジェイクの剣にはヒビが入りついに折れてしまう
そして俺がガラ空きになったジェイクの胸を剣で切り裂こうとした瞬間だった
俺はアストレアに魔女の力で引っ張られてアストレアとの距離が10メートル程まで後ろに飛ばされた
俺はしっかりと着地してアストレアを見る
「ジミー、しっかりメイデンのこと見ておいて」
「わかった」
そうしてアストレアは皆にそう伝えると俺に向かって歩いて近づいて来た




