第20話魔女の家
「さあ入って入って」
俺達はアストレアに案内されて家の中に入る
そして廊下を歩きリビングに案内されると見るからに高そうなソファーにアストレアはジミーを放って話し始めた
「ここがリビングよ、いつもここで私がご飯を作ってジミーと一緒に食べてるの」
案内されたこのリビングは家の外観とは程遠くまるで新築の家の中のようだった
それに加えて清潔でゴミは散らかっておらず見た通り埃なんか見えない
というか全部この女の子がやっているのか?見た目は俺より歳下だけど、俺より断然しっかりしてる
「アストレアさんですよね、どうやって一人でこんなに綺麗に掃除してるんです?」
「アストレアでいいわ、あと敬語はなし」
するとアストレアは俺の横にある花瓶に手を向けた
花瓶は俺の頭の所まで宙に浮き俺が声を出して驚くとアストレアは笑いながら花瓶を元の位置に戻した
「あなた、結構いい反応するわね!こんな広い屋敷を全部私が掃除出来る理由は……」
するとジェイクが腕組みをしながら鼻で笑う
「お前どっかで見た事ある顔してんな、アストレアだっけか?見た目とは裏腹に結構老けてんじゃねえの」
「じぇ、ジェイク!女の子に失礼でしょ!?それにあの子はどう見たってエディより歳下よ!」
メイデンが少し強く言うがジェイクはあの子に対して生意気な態度を取り始めた
「へえ、本当かな?成人男性より体重が重いはずのジミーをそう単純に担げるかよ」
するとジェイクはジミーの脚に付いてある投げナイフを取り出して手慣れた手つきでアストレアに向かって投げた
な、なにやってんだアイツ!!
「ジェイク!?」
するとナイフはアストレアの目の前で不自然に止まり床に落ちた
「やっぱな、テメェ魔女だろ」
「魔女……!?」
メイデンは何かに気付いたかのように驚きジェイクは相変わらずアストレアに対して敵意を向けている
魔女、ジェイクは確かにそう言った
この世界には魔法とかあるから当然魔女はいると思ってたけど、まさかここで会うとは思ってもなかったな
「……だからなに、アンタもしかして差別主義者?」
「なんで魔女がこんな所にいやがんだよ、テメェらは森にいるだろ」
「訳ありでジミーと住んでるだけよ、私ここにいちゃだめ?」
ジェイクは腕に電気を纏わせアストレアとの距離を縮めようと近づくと二人の間にメイデンが立ち塞がった
「ジェイク、この子が魔女だからって嫌う必要ないでしょ?だから仲良くして」
「お前までそう言うのかよメイデン、俺は魔女と慣れ合うつもりなんかない」
「もう過去の話でしょ!?それにこの子だって悪気があったわけじゃないでしょ!」
ジェイクは俺の方を見て言う
「エディは?お前はどっちにつく」
「ど、どっちにつくって言われても」
「単純だろ、俺がアイツらか」
俺は迷わず答えた
「勿論アストレア側だ、なんか文句あるのか」
「エディ、お前まで……」
「それにジェイク、俺は嫌う理由はないし逆に聞くけどなんでそこまであの子を嫌うんだ」
俺がそう言うとジェイクは机を叩く
「チッ、俺だけ除け者かよ、仕方ねえな」
そう言うとジェイクはジミーが寝ている横にある椅子に腰掛けた
「俺はエディを守る為にここに残っとく、いいよな魔女」
「別に構わないけど?」
「言っとくがテメェ、エディになんかしやがったらぶち殺してやるからな」
そしてジェイクは人の家にも関わらずタバコを加えて火をつけ始めた
「ふ、二人とも……それにジェイク?人の家なんだからタバコなんてやめて」
「黙れよ、俺は……俺はコイツに!」
二人はバチバチに睨み合っていてそれを見ている俺は見るに耐えない
「アストレア、こいつは放っておいて案内の続きしましょう」
「そうね!こんな奴置いておこう!」
「勝手にしろよ馬鹿野郎!!俺は用事を思い出したから外に行くぜ!!」
「メイデンも何かして思ってるだろ!」
「………思ってなんか、いないわ」
そうしてジェイクはブツブツ文句言いながら屋敷から出て行った
「あ、アストレアさん、大丈夫ですか?」
メイデンがアストレアに聞くとアストレアは小さく頷く
今さっきのを見ても分かるが魔女とか、そういう嫌われてる雰囲気を出されたのがショックなんだろうな
それにこの三人
どういう関係だ?
俺はメイデンに近づき耳元で囁いた
「メイデン、何かあったんですか?」
するとメイデンはちょっと困った顔をする
「アストレアさん」
「なに?」
「この子、エディに話してもいいですか」
「ええ、でも案内が終わってからね」
そうして図書室やトイレ、客室や寝室まで案内された
なんだかまるで俺のような奴を招いて修行させてるんじゃないかと思う程整備がしっかりとしていて不気味だ
「はい、ここで案内は終わり、質問ある?」
俺は疑問に思っていることをアストレアに聞いた
「アストレア、なんでここはこんなに準備が整ってるんだ」
「まるで俺が事前に来ることを知ってたみたいだ、不気味で居心地が悪い」
「伝えるのは忘れてたわ、あなたが来るの二日前に知ってたの」
「え?」
「考えてみて?私は魔女よ、ちょっと時間を掛ければあなた達がいつ着くかだなんて未来予知で分かるの」
「じゃあジミーが俺を誘ったのも?それも未来予知して?」
「それは知らない、ジミーがただ単にあなたに興味があったんじゃないの?」
な、なんだよ、凄い伏線が張られてるのかと思ったじゃないか
それにしても未来予知出来るのか!
待て?じゃあ………
「アストレア、未来の俺はライアードに勝ってる?」
アストレアは黙り込みしばらくして口を開いた
「ごめんなさいね、何千年経験を積んでる魔女がいたら分かるだろうけど、私は数十年だから……」
「というか何千年の魔女は全員死んでるから、どっちにしろ分からないわよ」
「な、なんだかごめんなさい」
「いいの、じゃあ私は今日の晩御飯を作らなきゃだから買い物に行ってくるわ」
そうしてアストレアは後ろを向いて歩き出すと突然と姿を消した
「あ、あれ魔力があったら出来るんだろ?メイデンも出来る?」
「無理よ、ああいう常識はずれは魔女にしか出来ない」
「精々似てるのは転移魔術だけね、あんな一瞬で移動できないけど」
「転移魔術か、色んな種類あるのか」
そして俺は三人の関係の話を思い出した
「それでメイデン、そろそろ教えてくれる?三人の関係」
「分かった、ここじゃあ話しづらいからこっち来て」
そして俺とメイデンは下へ降り最初に来たリビングに戻ってそこの椅子に座って話を聞いた
「私がまだ学院にいた時、雪原の森に潜む魔女の討伐に向かったことがあるの」
「それぞれパーティーが組まれてあって私とジェイクと他三人、その五人で討伐に向かった」
「ちょっと待って、どうして討伐なんか」
「私含む五人は学院から期待されてたのよ、力を示す為だとか魔大十騎士に選ばれる為だとか」
「それとアストレアさんがそこに居たせいでそこの地域が住めなくなってたの」
「そして私達は問題解決の為、魔女と対峙した」
「魔女は幼い見た目をしていて当然舐めて掛かったわ」
「そしてら一瞬で私と他三人は氷の魔法で攻撃された、その攻撃で生き残ったのは私だけよ」
「その時に仲間を殺されて怒ったジェイクが魔剣でその魔女を斬った」
「それと同時にジェイクの魔剣が奪われて逃げられた」
「5年前ぐらい前の話よ」
「ジェイクはその三人と仲がかなり良かったし魔剣も盗まれたから根に持ってるのよ」
「でもそれってアストレアが悪いんじゃ?周りにも被害出してたんでしょ?」
「そう、でもアストレアさんのおかげで溶けかけてた永久凍土が改善されたの」
「じゃあなんとも言えないな」
「でしょ?アストレアさんからしたら自然をよくしてたはずなのに斬られちゃったしね」
そう俺達が話しているとジミーが起きた
「イッテェな……ここは?」
「家の中、ジミーやっと起きたんだな」
「お前は……エディだったよな、手紙を見てよくここまで来てくれた」
「はい」
ジミーは周りを見渡し頭を傾げる
「どうやらジェイクはいないみたいだな」
「アストレアと喧嘩して頭を冷やしに行ったよ」
「通りで、それでエディ約束通りお前を鍛えてやる」
「待て、俺はまだお前を疑ってるぞ、義理もないのになんで俺を鍛えるって言うんだよ」
俺がそう言うとジミーはどっかの男から聞いた言葉を言い出した
「そりゃ興味があるから、お前が復讐相手にはちゃめちゃしてる所見てみたいんだよ」
「既視感のある答え……」
「よしそうときたら俺に着いて来い、中庭でやるぞ」
「分かりました」
そうして俺はジミーに連れられて中庭へやって来てそれからと言うものアストレアが帰って晩御飯を作り終えるまで体力作りをさせられた
中庭は俺が思っていたより広くて回って20メートルほどある
その周りをジミーと一緒にずっと走らされやっと終わると休む暇なく懸垂や腕立て、主に自重訓練をさせられた
そうして修行という名の拷問は12時まで続いた




