小さなあめ玉の夢R2
飴玉には夢があった。
できるだけたくさんの場所を旅したいという夢があった。
けれど、飴玉は小さい。
転がって移動しても、自分だけでは遠くへ行くことができないだろう。
だから飴玉は、他の動物に頼み込んだ。
俺をなめてもいいから、遠くの場所へ連れて行ってくれ。
その頼みを聞いた動物たちは、飴玉を加えていろんなところをへ向かっていく。
植物がいっぱいの所や、何もない土ばかりのところ、川があるところ、石ばっかりのところ。
いろんなところを旅できた飴玉は幸せだった。
可能ならば、もっとたくさんの場所に行きたいと思っていたが、飴玉は小さくなりすぎていた。
多くの動物に頼った結果、なめられすぎて小さくなってしまったのだ。
飴玉の命は風前の灯となった。
けれど、夢がかなうなら悔いはない。
動物に解放された飴玉は地面の上でそう思う。
太陽の光を浴びて溶けていく飴玉には、後悔は少しもなかった。