装備変更
左眼の手術の2週間後、右眼の人工水晶体を入れる手術をした。
私が手術した頃の人工水晶体は、水晶体と異なり、ほとんど伸縮しないため、ほぼ焦点が固定の単焦点レンズであった。
そのため、生活スタイルに合わせて、遠くが見やすい遠用レンズと、近くが見やすい近用レンズがある。
今では、保険適用にならないが、水晶体のように焦点を変えられる多焦点レンズもあるようだ。
私は、とっつぁん先生の勧めで、遠用レンズにした。
右眼は、初めてとっつぁん先生に手術をしてもらった。
手術室に入ると、とっつぁん先生に、
「前にも話したけど、あなたはもう水晶体を取ってあるから、ちょっと切ったとこから、畳んだ人工水晶体を入れるだけ。すぐに終わっから。」
と、軽い口調で話してくれた。
予防接種みたいに一瞬(いっしゅbん)で終わるかのような雰囲気で話していたのが印象的だった。
お陰で緊張せずに済んだ。
手術は予告通り10分で終わった。
さて、今回の手術で、右眼は強度遠視ではなくなり、眼が拡大されて見えるほどのぶ厚い虫眼鏡を卒業し、通常の厚さのレンズを使うことになった。
代わりに、無水晶体の左眼がぶ厚い虫眼鏡装備になるのかと思いきや、医療用コンタクトレンズの着用となった。
これまでコンタクトレンズを使ったことがなく、洗浄など面倒だなと思ったのだが、医療用コンタクトレンズは取り外すことなく付けっぱなしだったので、楽だった。
ただ、逆に医療用コンタクトレンズがずれた場合は、自分で脱着することができない。
そのため、左眼に人工水晶体を入れる2ヶ月後の手術まで、朝起きたらずれていて、朝一番で(あさいりばん)で通院するというぃとが5回あった。
左眼の視力は、医療用コンタクトレンズを入れたら、1.0になった。
ということで、2ヶ月で右眼は度入りのレンズ、左眼は度なしのレンズとなり、見た目普通の眼鏡への装備変更となった。
そして、また2ヶ月後に左眼の人工水晶体を入れる手術後の装備変更も確定である。
半年程度、ステータス変化による装備変更で、眼鏡を何度も作り替えるというなかなかユニークな経験をしたものだ。