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合体と不可能

「何してんだ……お前……!」


 俺がヒナノに追いつくと既にヒナノは自分の意識が残っていないのか右側が虚ろな顔をしており、左側が狂喜に歪んでいた。


「あーあ、きちゃったのか〜」


「でももう遅い……あなたの大切なものは私達が全部奪う……ふふ、アハハハハ!」


 明らかに性格が変わっている、やはりレヴィとアスモに乗っ取られているのだろう。


「どういう事だ!」


 そして悪魔が話したのは俺にとって今日一番受け入れ難い内容だった。


「ヒナノと融合した」


 前が見えなくなった。

つまり悪魔を倒すにはヒナノも倒してしまうということだった。


「ゆる、さないぞ……」


 俺から魔力が奔流となって溢れ出す。

余りの怒りで普段抑えてる魔力を抑えきれなくなっていたのだ。


「お前だけは、殺す!」


 急いでおり、防具を着けてなかった俺は魔法で羽衣を作りさらに速さを上げていく。


 そして俺が聖剣で切りかかる!

が、ヒナノはなんの抵抗もしない。

しかし……


「トウマさん!」


 ズキッと心が痛む。

いくら悪魔がついていようがヒナノはヒナノなのだ。


「レヴィ……アスモ……!」


「なーに〜?」


「お前ら……!」


「攻撃しないならこっちからする!」


 レヴィがナイフを使い攻撃を仕掛けてくる。

俺は反撃も出来ず防戦一方になる。


「くそ! ヒナノ……」


 どうすれば……聖魔法なら……いけるか?


「聖魔法! 浄化!」


「……ふふ、無駄だよ。この体は人間のものだからね、綺麗になるだけ」


「そんなのありかよ……!」


 俺はもはや打つ手もなくなりアスモとレヴィに嬲られていた。


「ほらほら〜、はやくたおさないと〜」


「貴方……死ぬよ?」


「ガ! ァァァァァ!」


 そしてとうとう逃げきれず俺の腹にナイフが刺さる。


 もはやここまで……そう思った時


「待て! 何をしている!」


 アレクが来た。


「む? ヒナノとトウマか……?」


「待て、違うアレクさん!」


 悪魔がアレクに襲い掛かる……が


「ふむ、何かは知らぬが悪しきものが付いているようだ」


 アレクが悪魔をひっくり返した。


「グッ! 何こいつ……」


「ふむ、状況は分からぬがトドメを刺すか」


 アレクがヒナノの体に剣を突き刺そうとする


「待ってくれ! それはヒナノなんだ!」


「ん? どういう事だ?」


しかし俺がアレクを止めている間にヒナノが消えていた。

咄嗟にサーチを発動するが魔力による妨害で見つけられない


「待て! ヒナノを返せ!」


「トウマ、どういう事なのだこれは」


 俺はアレクに事情を話した。

そしてヒナノを探してもらう事になった……が、3日後、最後の目撃情報は2つ先の街らしく、それ以降の足取りは掴めなかったらしい。


「絶対探し出して……ヒナノを助ける!」

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