表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

魔王軍


「やっぱ和泉強いな〜!」


「いっつも和泉に負けちゃうよ〜」


二人は和泉にボコボコにされてるみたいだ


ちなみにこのゲームは「大戦闘 ランジュール3」という。


「ふふふー!でしょ!」


俺のターンだ。


このゲームは必殺コンボがある。


和泉はそのことを知らない!!


「兄ちゃんには負けないぞ!」


「望むところだ…!!」


―――


「兄ちゃん強ーーい!!」


涙目の弟


「ふっふっふ…だろ?」


「え…小学生相手に…」


「マジでそれな?」


姉妹は引いてる。


てか母さん全然帰ってこねぇな。

父さんは夜遅いけど。


「ちょっと母さんに電話かけてみるな。なんかあったかもしれないから。」


みんな同じ返事をする。


電話の音が繰り返される、

プルルルと


ガチャ 電話に出る音がした。


「あ、もしもし母さん?」


「…息子さんですか?」


この声…母さんじゃない。


「あんた…誰だ。」


「兄ちゃんどうしたの?」


「お兄ちゃん?」


「あんたどうした?ブッサイクな顔して」


こいつは…誰だ?


「俺は魔物のリーダーさ…簡単に言えば魔王。その息子さ。」


…確かあれだ。

なんかの本で読んだはず。


魔王ザルビノア…だったっけな。

魔王は大昔に カーデルド ロッシーナ カズナリ という冒険者に倒されたらしいが…その息子か


「我が名は、バイオニクス・ロッド…貴様の母親は死んだ。」


何いってんだ…?こいつ。


「貴様の家族も、全員殺す。もちろん貴様もな。」


殺すって言ったのか。

母さんが死んだって?


俺たちの家族を殺すって言ったのか。


「リビング・パーソンと、それになり得る者は全員殺す。それが俺の目指す場所だ。」


なんでそのことを知ってる。

こいつはペラペラ自分の情報を話して、

そんなに自分に自信があるのか。


「どうゆうことだ!!!てめぇ冗談でも言っていい冗談と駄目な冗談があんだろ!!!」


なんなんだよ。


「お兄ちゃんまじどうしたの?お母さんと喧嘩?」


「いいや、喧嘩じゃない。こいつは母さんじゃない…」


「どうゆうこと?兄ちゃん?」


「お前の命はいつまで持つか。楽しみだ。」


電話は切れた。


「あ!てめぇ切るなよ!」


くっそ…!!こんな悪趣味ないたずら…気味悪い。


でももしこれが…本当なら。


母さんは死んで…

俺達の命は狙われてる…


父さんも危ない。


まずはこいつの正体とか、どうとか考えてる場合じゃ…まだ母さんは生きている可能性だってある。


「みんな、リビングじゃなくて碧の部屋に集まろう。できるだけ早く。」


まずは、みんなの身を守ろう。


「え?うち?急にどうした?」


「いいから。とりあえず部屋に行ってから事情を話す。」


この家だと、鍵がついてて外に出れる部屋は碧の部屋だ。

もし何かあっても窓から出られる。


「父さんにも連絡してみるけど…繋がるか。」


やっぱり…繋がんない。


仕事が忙しいか…あるいは…


いや、考えないようにしよう。


俺達は碧の部屋に集まった。


「とりあえず鍵閉めろ。」


「あ…うん。で、お兄ちゃんどうしたの?」


「そーそー。急にうちの部屋集めてさ。どうした?ミニ家族会議?」


「それが…」


俺はあの電話で話された内容を話す。


「お母さんが…?それに私達を殺すってどうゆうこと?」


「僕…しんじゃうの?」


「いや、大丈夫だ。和泉、俺とお姉ちゃん達がお前を守るから。」


「うん…」


どうするか…父さんに繋がらないのはいつものことだけど…

この状況で繋がらないってなると…最悪…死んでいる。


あの父さんだ。 簡単には死なんだろう。


「うちらさ、誰かに狙われてんだよね?それって何でなの?」


碧は何かを考えているような表情で言った。


「お母さんが…何か恨みかったとか?あの人何だかんだ好かれるタイプではなかったじゃん?」


それは…あるのか?人に優しい母さんだぞ。

まあでも家族の前ではってこともあるか…


「でも相手は魔王だ。大量に魔物を従えているし、いつ来るかわからん。」


あれが嘘だとしても、我が家が狙われていることに変わりはない。


「リビング・パーソンを呼ぼう。」


今の時代での最高戦力

だが、その実態はあまり明かされていない。


そこには、かつて魔王を倒したという者の子孫が居るらしい。


そこなら、俺たちを護ってくれるはずだ…!!


「え?リビング・パーソンってあの胡散臭い組織?私あんまり信用してないんだよねぇ。」


まあそう思うのも無理ない。

実際何をしているか明かされていないからな。


「でも、僕たちを守ってくれるんだよね?」


「絶対…守ってくれるはずだ。あの人なら…」


城内 優太郎 俺のことを助けてくれたリビング・パーソンの一人。

口は悪かったし、あまりいい感じではなかったけど

根は優しいんだと思う。


いやまて、俺はどうやってリビング・パーソンを呼ぶ?あの時、俺が死にかけたときにどうやって連絡して呼んだんだ?


連絡先がわからない。


「ねぇ…お兄ちゃん…窓の外…見てよ…。」


人が倒れている。

それも何十人も


あの服は…


リビング・パーソンの?


「リビング・パーソンが…殺られた。」


もう駄目だ…

希望は

残っていない。


「みんな。隠れろ。」


紫と和泉が隠れられるだけのスペースはある。

俺と姉貴は…分からん。


来たんだ…魔王か、その部下達が。


「うち、ちょっと玄関見てくるね!!」


「やめろ。姉貴。絶対に、この部屋からは出るな。」


もし姉貴が死んだら、下二人が動揺して暴れる。

そうなったら二人も…!


「おっじゃましまーーす。」


ドン!!と大きな音が鳴る。


それは多分、俺の家のドアが破壊される音だ。


「ホントにここにいるんですか?」


「当たり前だろ。魔王様がいってんだぞ。あの方の情報把握能力と言ったら凄まじいだろ。」


「リビング・パーソンスクールの新しい生徒なんか潰したって、まだ何の力もないっすよ。あったとしても、俺達には勝てませんって。」


この感じだと、魔王では無さそうだな…

部下といったところか。


「まあだから下っ端二人なんだろうよ。こんな民家1つに勢力費やしても意味ねぇからな。」


下っ端…あまり地位は高くない。


「あんま話さないほうがいいっすよ?篠原陽介って奴が聞いてるかもしれないっすから。」


御名答。そ、俺は聞いてるぞ。


「もし奇襲くらってお前がやられたとしても、俺が残ってる。じゃああいつは俺に勝てるか?勝てねぇだろ。」


「俺がやられる側なんすか!?まあ例ですからね…まあそれでも、奇襲なんてくらわせられるならもうやってますよ。こんなくだらない話してる間に。」


……奇襲なんてできない。

ひとりなら出来たかもしれない。

でもこの部屋には三人がいる。

そんなことできない。


「いいや?そうでもねぇかもよ。同じ部屋の家族がバレないために隠れてるだけって可能性もあるぜ?」


こいつら妙に勘がいい。


いや?このタイミングで窓から逃がすか。

今ならいける。


「お前ら…窓ゆっっくり開けて、外でろ。声も音も立てるな。いいな?」


俺はかすれ声で、弟と妹、姉貴に聞こえるかどうかのギリギリのラインで話す。


そして姉貴がゆっくり窓を開けて、まず弟を逃がす。

その次に妹。


そして、姉貴。


「次は俺だ。」


背中の奥で、破壊音が聞こえる。


「見つけたぜぇ?篠原陽介。」


見つかった…!!こいつか!さっきのやつは!


「ケケケ。ひょろっちいガキじゃないすか。俺でもやれますぜ。」


「お前ら、リビング・パーソン何十人も倒すって、相当の腕前だな。」


「ケケケ!あいつらはレベルが低いっす。リビング・パーソンといっても、所詮は雑魚っすよ。」


「んまぁ、あんまり手応えは無かったなぁ」


でかい方の魔物は、鬼のような見た目をしていてコン棒を持っている。


ひょろ長い方の魔物は、頭に角が生えていて着物を着ている。目玉が赤い。


「俺に…そんなこと言っていいのかな?お前らなんてボコボコなんだよ。下っ端魔物。」


「ケ!こいつさっきの会話聞いてますぜ!」


「おいガキよ。下っ端って言っても、てめぇ殺すのには充分すぎる力ァ持ってんだ。」


いや、一発KOか?あんな棍棒で殴られたら、ひとたまりもない。


「ケケケ…!ビビってやんの!ホントは弱いんじゃなーい?」


あぁそうだよ。ホントは弱いんだよ。


「まずはこの棍棒くらって生き残れるかなぁ!このクソガキィ!!」


風を切る音がしてこっちに棍棒を振ってくる。


俺は数日間で何回、命を落としそうになればいいのか。


もう一度、風を切る音が目の前でする。


「なァ!?」


「ケ!?マジっすか…」


棍棒が…綺麗に真っ二つに切れている。


「通報があったから来てみれば…何なんだこの状況は…リビング・パーソンは何十人も死んでる、街は破壊されてる。全部てめぇの仕業かよ。バケモン。」


「あなたは…」


一度命を救ってもらった。

あの人


城内優太郎


「あ?この間のガキか。まだくたばっていなかったとはな。」


「ケケケ!感動の再―――」


ひょろ長い方の魔物の首は壁に飛んでいった。


「なァ!?てめぇ…中々やりがいがあんじゃねぇか…リビング・パーソン。」


「かかってこい。下っ端野郎。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ