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第5話 運命の出会い?

 昼休み、本来なら楽しいランチタイム。しかし、ほのかは浮かない顔をしていた。

「ふう……」

 ほのかのため息に瑞樹が気づく。

「ほのか、どうしたの?」

 瑞樹はほのかの頭をぽんぽんと撫でた。同い年だが、背格好や雰囲気からいっても瑞樹のほうがお姉さんに見える。実際、竹を割ったような性格に面倒見がよい瑞樹は仲良しグループでも部活でもお姉さん的存在だ。

「別に、大したことないんだけど……」

 かくかくしかじかと、ほのかは昨日の階段での失態を話した。

「……怪我がなくてよかったな」

 瑞樹はフォローする。しかし、他の三人は違った。

「なんというか、ほのからしい」

「う……」

「ドジっ子キャラは萌えだから、大丈夫!」

「ドジっ子キャラ……?」

「その男の子かっこよかった!?」

「顔はよかったと思うけど……」

 最後のは、もちろん綾。

「きゃー何それ!階段から落ちてそれをかっこいい男の子に助けてもらうなんて運命的じゃない?」

「いや……あれは……運命的というか、目怖かったし」

 綾は話を聞いているようで聞いていない。

「少女マンガみたいな展開よね。ソレ」

「やだ!ほのかがそんなヤルことしか考えてない男子なんかに触れられたら穢れる!!」

 翼ががばっとほのかに抱きつくと、嫌々と首を振る。

 さすが、AKY(AあえてK空気Y読まない)の翼は周りのクラスの男子などお構いなしの音量で発言なさる。話の内容を聞いていなければ可愛らしい女子が戯れてるとしか見えないのだが……。

「翼、食事中。TPOをわきまえて発言しような」

 瑞樹がにこっと翼に笑いかける。が、目が笑っていない。

 ほのかは抱きつかれたのでその視線に晒されて、巻き添えを食う。バレーコートの中では別人格というのは本当らしい。

「ご、ごめんなさい。以後、気をつけます」

「翼があんなに素直に謝るのはじめてみた」

「あんたと翼、いつからの付き合いだっけ?」

「えーっと……幼稚園」

「とりあえず、翼の暴走は瑞樹に任せておけば大丈夫そうね」

「そうだね……」


 退屈な(先生ごめんなさい)授業も終わって放課後、いつも瑞樹はHRが終わった途端消え去る。

 なんでも1年は準備があるらしい。運動部って大変だな、とほのかは呑気に考えていると声をかけられる。

「ほのほのも今日部活?」

「うん、火・木が活動日だから……って『ほのほの』ってなに?」

「じゃあ、一緒に途中まで行こう、『ほのほの』って新しいあだ名」

「文字数増えてるし、言いにくいような気がするんだけど……」

「翼の言動を深く考えるだけ無駄だよ」

 とあきれて言ったのは綾、顔と身体の比率が1:1のマスコットキャラを2つ付けたカバンを肩にかけている。

「うぬ、綾、失礼な。確かに文字数が増えて若干言いにくくなっているが、「ほの」を繰り返すことによってほのかのこのほのぼのとした感じを……」

「ダジャレじゃん。翼、図書館行くんでしょ。私も暇だし行くわ」

 まだ言い続けようとした翼を、ばっさり斬った綾は腕を掴んで引きずっていく。

「え!?ちょっと待って!」

 マイペースに机のものをカバンに入れていたほのかだが、慌てて二人を追いかけた。

  

毎度、サブタイトルの付け方に悩みます。私だけでしょうか?

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