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〜異世界なんて俺の死の呪いで余裕です〜「全員ブッ◯してやる!!!!」
ソレは、目を覚ました。
目を覚ましたのに、目を開けられない。
それどころか体のどこかしこも動かせなかった。
少し、煩わしく思った。
自分の体のはずだった。
今度は耳を澄ましてみた。
何も聞こえない。
が、それは無音だから聞こえなかった感じではなかった。微かながら、空気の流れを感じた。
いたく静かだった。それに淀んでいる。
何もない筈なのに、心の底にずっしりとのしかかる感じがした。
目が開いた。
何も見えない。
いや、灰色、灰色だ。
視界の中は灰色で満たされている。
それ以上は分からなかった。
息。息が吐けない。
息。
息。
息-ーー
「ハー」
口が空いた。
一口分。一口分だか、口が開いたようだ。
だが、呼吸は感じられない。
どうやら口は固まってしまったようだ。
立ちあがりたい。ーーー力が入らない。
目を開きたい。ーー光が返らない。
何をしようとも、何もが自分とは関係が無いようだった。
暫くして、
元の暗闇に引き戻されようと意識を手放してーーー
己は立ち上がった。