2021年夏アニメ感想
2021年夏アニメが終わりましたね!
私が好きな異世界アニメ・なろう系アニメも多く、たくさん楽しませて頂きました。皆さんはいかがだったでしょうか?
本格レビュワーの方と比べると数は少ないですが、なろうエッセイをお借りし、いくつかネタバレは抑えめにして、紹介と点数付きのレビューを書かせて頂きます。
私の中では50点いまいち、60点まあまあ、70点良作、80点名作というイメージです。
個人的に好みで評価した点数と、人に薦められる点数は違うと思うので、個人的満足度とは別におススメ度もあげておきます。
・精霊幻想記
個人的満足度 65点 おススメ度 ☆3
異世界転生物ですが、主人公は地球の人間というより現地人と融合したような印象で新鮮でした。雰囲気は良くも悪くもSAOに近いものを感じました。
(私はSAOは世界観等素晴らしいと思いますが敵が悪く描かれすぎる所は苦手で、精霊幻想記もその部分は合わない所がありました)
昔からなろうで連載されていた作品で、書籍化、アニメ化を想定していないこともあってか、ラストの区切りが悪いのが残念でした。とはいえ主人公が旅をしていき年月も舞台も次々と変わっていくのは先が読めない部分があり楽しかったです。
女性キャラが多くどんどん出て入れ替わっていく様は悪く言えば消費財、使い捨て感がありますが、90年代のギャルゲーのような印象もあり、この作品の独自性になっているのかなと思います。
・現実主義勇者の王国再建記
個人的満足度 75点 おススメ度 ☆3.5
異世界転移して王になった主人公が傾いた国を立て直していく作品。似たような展開になる異世界アニメが多い中、内政を前面に出していて新鮮味がありました。作画の作りこみはあまり良くなかったですが(設定が間に合わなかったのか登場人物がいつも同じ服をしていたりとか)スレイヤーズの渡部監督による王道演出が光ってました。ややチープさを感じる演出もありましたがそれが作品の雰囲気を明るくしている面もあったと思います。
さらに経済問題とか、震災の救助とか、現実の出来事を参考にした話が多く、シナリオに説得力を感じます。
あとは円盤が売れず海外配信に活路を見出す時代、ラジオをやらない作品、隔週の作品が多い中、毎週やってくれて楽しかったです。(私も第11幕に投稿を採用して頂きました)
分割2クールだったのか、1月から2期が発表されました。分割は予算が増えそうにないのは難点ですが製作スタッフが慣れてくるからか、より面白くなるケースもあります。名作になるポテンシャルはあると思うので頑張ってほしいです。
・転生したらスライムだった件(転スラ)
個人的満足度 60点 おススメ度 ☆4
転スラ2期の後半クール。評判は悪くなく、楽しんだ人も多いと思うのですが、私には合わなかったかな・・。合わない作品は素直に視聴をやめればいいのですが、転スラについては2018年放送の1期が楽しくイベント行ったくらいで切るわけにもいかず。
合わない理由としては、ワンピースのように味方人数の多い少年漫画的な展開が苦手なことと、私は関ケ原だと西軍・三成を応援してしまう判官贔屓なのですが、この作品については敵側が弱く見え、主人公がいじめているように感じてしまい、感情移入ができなかったからです。脚本・シリーズ構成の筆安さんの作品は好きなものが多いのですが。考えられるのは大作病というか、漫画の売上の多い作品なので守りに入って漫画に準拠しすぎたのでは?漫画通りやってもアニメではうまくいくとは限らないですし、もっと自由にやらせたらいいのにと思いました。
とはいえ全体は不満でも随所は迫力あるバトルシーンなど、楽しい所も多かったです。映画も決まりましたし、なろう累計1位として転スラには頑張っていってほしいです。
・月が導く異世界道中
個人的満足度 60点 おススメ度 ☆3
王道の異世界転移物ですが、中世ヨーロッパというよりやや和風な世界観が特徴です。世界観以外は目新しい物を感じなかったので切ろうと思いましたが、前述した通り転スラが合わず、直後に放映していたこともあり、失礼な言い方ですが口直しにならないかなと視聴を続けました。
そしたら絶賛こそできないですが、最後までまずまず楽しめました。私はアニメには作画よりシナリオ重視で、意外性と目新しさを求めるたちなので、正直自分でも予想外。おそらく時代劇という日本が長年培った下地があり、この作品はそれを元にしているので面白く作りやすかったのではと思います。作画はなかなかよく、主人公達が強すぎて緊張感出ないと思ったらなかなかシリアスなシーンもはさんでくれました。
・100万の命の上に俺は立っている
個人的満足度 75点 おススメ度 ☆3.5
昨年放送された1クール目に続く、後半クール。ラノベではなく漫画原作で、主人公がクラスメートと異世界と現代を行き来し、神から与えられたクエストをクリアしていく作品。
なろうの異世界物にかなり影響を受けていますが差別化を図ろうとかなり設定をひねっており、異世界物は好きだけど変わった作品も見たい私には合っていると感じます。
ただし、1クール目は、作画いらすとやで1話を全編放送するという衝撃のスタートの後は、作画があまり良くなく演出もかなりチープさを感じました。そこがB級映画を見ている感じで楽しいと感じる人もいると思います、私がそうでした。とはいえあまり薦められるものではないし、あまり期待しないように2クール目を見始めました。
ところが予想以上に面白く、スタッフが慣れてきたのか普通のアニメとしてもかなり評価できる出来に仕上がっていると感じました。2クール目から加入する2人の仲間が良い味を出してます。あとはサイコパスだけど人間味があり、頭も切れる、主人公が魅力ある作品だと思います。絶望的な状況下で、活路を見出していくダークファンタジー的な展開も良かったです。
・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったX (はめふら)
個人的満足度 65点 おススメ度 ☆4
活動的というか個性的なJK主人公が、乙女ゲームの悪役令嬢に転生する作品の2期。
破滅フラグを回避しようと奮闘する姿、個性的なキャラ達が魅力的な1期はかなりの良作だったと思います。とはいえ1期で必要なことはやり尽くした面があり、面白くできるのか不安要素も感じながら見始めました。
見終えた結果ですが、かなりスタッフ頑張ったんじゃないでしょうか。所々描写が丁寧で、新キャラも充実、特に欠点らしいものがなかったです。シリアス回はこの作品にはあまり合わない気もしますが、コメディ重視の流れの中にアクセントができたのは良かったかと。
女性向け要素が男性の私にあまり刺さらなかった部分があり点数こそあまり高くしてませんが、十分おススメできる作品です。
あと完全に個人的事情で恐縮ですが、この作品は声優による副音声があり、性別逆転の回など面白くなりそうで、後日まとめて見ようと楽しみに録画していたのですが、HDDが壊れてしまいました(-_-;)
他作品は加入している配信等でカバーできるのですが、副音声についてはどうしようもなく、ショックで、はめふら熱が冷めてしまった部分があります。
春にはイベント、映画もありますし、熱を取り戻していけたらと思ってます。
・出会って五秒でバトル
個人的満足度 55点 おススメ度 ☆3
謎の組織に拉致された主人公達が与えられた特殊能力で戦い合う、デスゲーム的作品。
主人公の能力が相手の心理状態に左右される独特な能力で、頭脳戦が期待できます。序盤はかなり勢いがあり、主人公が冷徹でかなり頭が切れる姿に魅力を感じました。あとは直接の面白さにつながっているわけではないですが、敵キャラに単なるクズで終わらない、生々しさを感じ、他のデスゲーム物との差別化になっている気がします。
ただし中盤以降、個人戦から集団同士の戦闘に変わっていき、主人公が目立たなくなった上、仲間を大事にする過程で冷徹さがなくなった印象を受けました。
あとは組織がかなりゲームに介入してくるため公正なゲームに見えず、悪いのは組織のはずなのに拉致された被害者同士で争うというのも爽快感は薄いなと思いました。いずれ組織と戦う日も来るとは思うのですが。
・マギアレコード2ndseason
個人的満足度 60点 おススメ度 ☆4
かつてダークな魔法少女物として大ヒットを記録した、まどかマギカのソシャゲを原作とした外伝の2クール目。今季トップクラスに作画が神がかっていたと思います。まどマギの脚本家こそ参加してないですが独特の雰囲気もまどマギにかなり寄せて作り込まれていました。
あとはシナリオの好みで賛否別れると思います。私はソシャゲという特性上、キャラを完全には退場させにくい上、たくさんのキャラを登場させなければならないしがらみが、少数で死と向き合うまどマギの特性とかみ合ってないと感じました。とはいえ、スタッフのこだわりを感じますし、まどマギ好きな方はチェックする価値がある作品だとも思います。
・カノジョも彼女
個人的満足度 70点 おススメ度 ☆3.5
主人公が2人の美少女と同時に付き合うという二股宣言から始まるラブコメ作品。それだけ見ると拒否反応が起きるかもですが、徹底的にラブコメの中にギャグを挟んでいて不快感は少ないです。
私は複数ヒロインによるハーレムラブコメというジャンルは所詮浮気という一面があるため、成功させるには普通にやっては無理で、何かそれ以上の衝撃を取り入れるしかないと思ってます。それが上手くいったと思ったのは2019年のアニメ「変好き」で、ヒロイン達が皆やばい、めちゃくちゃな性格で、もはや浮気しようと些細な問題と感じる作品でした。この作品の登場人物も、主人公含めてかなり性格が偏っていて面白かったです。絵柄や作画に派手さこそなかったですが、原作のストックがたまったら2期を期待したいと思います。
・ひぐらしのなく頃に卒
個人的満足度 85点 おススメ度 ☆4.5?
2000年代に同人ゲームから始まり、地方の村を舞台に猟奇的サスペンスが繰り広げられ、少しずつ謎が解き明かされ考察が楽しいことで話題を呼んだ「ひぐらしのなく頃に」の続編。昨年よりひぐらし業が2クール放映され、今回の卒で完結となります。
業はメインキャラ同士による衝撃的な展開・すれ違いが描かれ、私の学生時代の経験にも通じるものがあり胸を打つものがありました。卒でその後が描かれましたが、全体的に急展開したのはラストの2話で、それまでは業の振り返り・別視点的な展開で、シナリオの衝撃が少なく、作画も使い回しが多かったです。だから残念という意見もありますが、逆にいえば、だからこそ予算を節約でき、短い尺のアニメが多い中で3クールも放送でき、ラスト2話は神作画になったとも思います。
個人的には原作者の別作品「うみねこのなく頃に」のゲームをプレイしていて、ひぐらしより思い入れがあったくらいだったので、業卒で魔女のシーン等、関係を匂わせるシーンが多数出たのは大変楽しかったです。うみねこのゲームをプレイしてない人には不明な部分もあると思いますが、逆にいえば業卒見た方は今後うみねこのゲームをプレイすれば違った楽しみ方ができるかもしれません。
(スターウォーズは4~6と1~3、どちらを先に見ても楽しめるみたいに)
おススメ度なのですが、ネットでは賞賛の声と同時に、展開が理解できないと否定の声も大きい印象でした。ただ、エヴァンゲリオンみたいに多少難解でも人生これを見ないと損するアニメってあると思います。「なく頃に」シリーズは今後も展開するようですし、原作者が中心となってこれだけ深みのある世界が展開する作品は早々ありません。ファンも多く、視聴後はアニメ系ユーチューバーさんの考察サイトなどで語り合う楽しさもできます。アニメ好きとして、ぜひ追ってほしい作品と思うので高めに付けることにします。
個人的には今年の冬、ひぐらしラジオに投稿を採用して頂いたことがきっかけで、投稿にはまり、いくつかアニメ系ラジオに採用してもらえるようになりました。そういう意味では私のアニメライフにまで影響を及ぼしてくれた大きな作品で、ありがたいです。
2021年夏アニメ全体の個人的評ですが、随所に面白い部分がある作品が多いですが、総合的に見ると何かしら不満点もある作品が多く、そういう意味では不作なクールという面はあったと思います。
(料理で例えるなら何かメインディッシュ的な絶対安定の作品があると全体のアニメ熱を引っ張ってくれて、少し欠点のあるサイドメニュー的アニメも、より楽しめるのですが。2021年冬アニメがそうでした)
アニメの本数が多くなり、海外にも人材が流れる昨今、なかなかクオリティの維持が難しく、高いクオリティのアニメを見たいなら映画をという時代なのかもしれません。
とはいえ放送が始まった秋アニメは長くなろうで1位を記録した無職転生を始め、素晴らしいアニメが続出している印象。長く尺を取ることでストーリーの奥深さが楽しめる、テレビアニメを今後も追っていきたいと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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異世界作品中心に、他クールのアニメ感想も書いています
2021年春
https://ncode.syosetu.com/n0975hc/
2021年冬
https://ncode.syosetu.com/n9472gw/
2017年夏
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