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狐の恩返し?

1年もお待ちさせてすみませんでした。私生活が忙しく書く暇がありませんでした。これからはなるべく早く出そうと思っているので待っていてくださいm(_ _)m

とてもめんどくさいと言いたいかのような目でこちらを見てくる葵をスルーして私は宮月と同じ目線になるように中腰になり、宮月の手を握りながら頑張って探すね!と言うと宮月は顔を赤らめそっぽを向きながら手間をかけると言うと同時に私はニッコリと笑いかけてから手を離した。


「さて、どこから探ろうか」


私は呪符を手にしながら呟く。人探しなら探偵を雇えばすぐにでも見つかるだろうけど、人型にあまり慣れていない宮月だと大変だろう。代理で私が行ってもいいのだけど、私にというか葵に依頼してきているという手前避けたほうが無難だろう。私が呪符を持ったまま悩んでると葵が口を開いた。


「人探しなら土地神に聞いたほうが早いんじゃねぇか?ある程度の範囲なら把握できてるだろうしな」


そういうと言うと葵は重い腰を上げて部屋から出て行こうとする。


「あんた、一人でどこ行くのよ」


私はとっさにどこかに行こうとする葵を引き留める。


「どこって、さっき言ったじゃねぇかよ。土地神に会いに行くに決まってんだろ?俺が言ってたことも忘れるなんて馬鹿じゃねぇの?」


そういうと葵がフッと鼻で笑うのと同時に葵の後ろの扉が開き、そこには高次さんがにっこりと笑ったまま立っていた。その光景を見て私は葵がどんな目に合うのか瞬時に理解できてしまった。


「葵?今なんておっしゃいましたか?」


「だから、俺が言ったのも忘れるなんて馬鹿じゃねぇの?って言ったんだよ」


そこで葵はさっき自分に問いかけていた人物が奏ではなく高次さんだと気づいたのか、顔を真っ青にしてゆっくりと後ろを振り返った。


「葵?誰に向かってそのような口の利き方をしたのか分かっていますね?あれほど私が躾けてあげたというのにまだ言葉がなっていませんねぇ」


振り向いた葵に高次さんはにっこりと笑いかける。葵はにっこりと笑う高次さんを見て、顔が真っ青を通り越して真っ白になっていた。


「高次……さん?ほら、これは言葉のあやというかね?」


「言葉のあや?どこが言葉のあやなのかしっかり説明していただけますね?」


高次さんはにっこりと笑顔を崩さずにそう告げるがどう見ても高次さんの後ろに般若がいるのがわかる。


これは助け船を出してあげないとやばいなぁと思いながらちらっと葵を見るといかにも助けてほしいと言わんばかりの目をこちらに向けてくる。


この借りはどこかで返してもらうからなと思いながら私は高次さんに話しかける。


「あのお取込み中のところ悪いのですけど、高次さんがこちらにいらっしゃるということは何か用があったからじゃないんですか?」


私が話しかけたことで高次さんがこちらに体を向けてくる。


それと同時にその場から葵は逃げ出そうとするが高次さんに着物を掴まれ逃げられないようになっていた。


高次さんは葵の着物を掴みながら私の質問に対して答え始めた。


「そうなのですよ。これから急に打ち合わせが入りましてね。出かけなければならないのでもし私の依頼等があれば後日お聞きしますと来てくださった方にお伝えしていただきたくてね。可愛い愛娘の奏にこんなお願いするのは心が痛いんだけどお願いするよ」


「高次さん、お客様が来たらそのように対応しますね。」


私はにっこりと高次さんに微笑むとお願いがあるんですけど葵を離してあげてくれませんか?と話すと高次さんは仕方ありませんねと一言いい葵を離してくれた。


葵は高次さんの手から逃れるとそそくさと私の後ろに隠れる。


「では、私は行ってきますね。くれぐれも危険なことはしないようにね」


高次さんはそういうと部屋から出ていく。


「葵は、もう少し考えて行動した方がいいと思うわ……」


私は後ろにいる葵に呆れながら言うとこの神社を留守にするために私たちの代わりに働いてくれる式神を用意する為、机に向かう。


「奏殿、机に向かって何をしているのですか?」


キョトンとした顔で宮月が問いかけてくる。


あぁ、そうか。宮月は見たことないんだ。と思った私は丁寧に説明を始める。


「今から私達の代わりに留守番をしてくれる子達を作ろうと思ってね。だから、この人形(ひとがた)に今から呪い(まじな)をこんな感じで書いてから呪文を唱えるのよ」


「八百万の神の恵みを我に与えたまえ。このものに命を与えたまえ。」


私がそう告げると人形が人の姿へと変化する。


「お呼びでしょうか、奏様。」


「うん、ごめんだけど少しの間ここを離れるから参拝客の対応とか任せても大丈夫かな?依頼なら返事は後日って伝えといてくれる?」


私がそう告げるとコクリと式神が頷く。


「これが式神と言うやつなのですな。私ら妖となんぞ変わりがないように見えてしまうが……」


「そりゃな、式神は性質が違うだけで俺らとそこまで変わりもねぇしな。」


そう葵が投げやりに宮月に告げるとすっと立ち上がり部屋から出ていく。


「ちょっと!宮月さん置いて行く気!?あんたどんだけ宮月さんのことどうでもいいのよ!」


私はそういうと式神を残し、宮月の手を引いて葵の元へと駆け出した。

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