表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

しにたみ住人と同居人

作者: SuikA

住人はにーしたという名前をしている。

正しくは二下と書いてにしたと読む。今までほとんどの多くを西田と書き間違われて生きてきた。にーしたは自分の名前が嫌いだ。祖先も嫌いだし両親も一族も二下姓を名乗り増殖をやめようとしない全てが嫌いだ。

にーしたの朝は常に陰鬱から始まる。元来の寝起きの悪さに寝付きも悪く最近は夜間に目が覚めるようになった。低血糖、低血圧、冷え性、逆流性食道炎、ドライマウス、睡眠時の姿勢の悪さ。どれを取っても快眠できる要素はひとつとして無かった。

にーしたの部屋からガタゴトと音がしてから数十分経ってようやくリビングに降りてくる。にーしたはリビングテーブルの決まって手前側に座る。

朝食の用意は全てリトが担当している。ルームシェアを始めた当初、朝は一杯の牛乳からと用意すれば冷たい飲み物に胃がやられた。ならば熱い飲み物をと用意すれば極度の猫舌のため膨大な時間がかかった。終始そんな調子であるから、にーしたは朝食をまともに完食できた試しが無い。そもそもリトがくる以前のにーしたの生活に朝食は存在すらしていなかった。

今朝のにーしたはチーズとトマトとバジルチキンのホットサンドをチビチビと齧っている。リトはまるで小鳥が餌を啄んでいるようだと思う。付け合わせに用意したコンソメスープはきっと完飲できないだろう。さっき出来上がったばかりだから。

にーしたは何ひとつとして文句を言わない。リトは対面式キッチンで洗い物をしながらそれを時折横目で眺めている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ