メリクリ、ハピクリ、テヘペロ。
どこもかしこも、白いふわふわと緑のツリーと赤いお爺さんで埋まる特異のイベント。
そして、カップル以外は肩身の狭い思いをする今日。平等を説いたイエスキリストの誕生祭がこれとは呆れるものだ。
息が白い。それを目で追うと面白いように晴れた空が目に入る。
そういえば、ホワイトクリスマスというが、果たして西日本でそれは観れるものなのだろうか。
クリスマスシーズンになんて、少なくとも西日本の太平洋側では雪は降らない。
東京ではそれなりにレアなイベントなのだろうか。まあ、北海道では珍しくもないだろうが。
こういう東京を中心とし全て東京と同じとする考え方は辞めにすべきだとつくづく思う。
例えば、もうじきな箱根駅伝は東京の地方大会だとか。それがテレビでは全国放送で、新聞では一番目立つところを占領するとか。
まあ、そんなことはどうでもいい。いや良くはないが、現時点では自分には関係がない。
今の敵は自分だ。何故かって?イチャつくカップルにキレそうになるのを抑えるだけでも精一杯だからだ。
「そういうのいいから、何か動いてよ。クリスマス終わっちゃうよ。」
空から声がする。これが天の声ってやつか?クリスマスに天を名乗るにしては自己中な奴だ。
「全部考えてること分かってるよ。」
「貴様ストーカーか?」
「誰が好き好んでクリボッチをストーキングするよ。俺はこの作品の作者だ。早くしてくれクリスマスがおわったら作品にならん。」
「いやいや、ぼっちですよ。そんなのが短編ごときでどうなるんですか?」
「むう。」
そうだ。今の僕を描く作者よ。良く考えたまえ。
クリボッチとか言う完全に侮辱としか受け取れぬ、呼び名で呼ばれる僕を書いたって面白くもなんともないぞ。外に出るというシチュエーションまではまだある。
しかし、その後は?可愛い女の子出ないよ。絶対早足で家に帰るだけだよ。つまり、何も面白くない。
「それもそうだ。じゃ、ボツかな。」
「そうしましょう。」
「え、でも。一応何か書いた事にはしたいな。」
「え?」
「このまま、オチなしで投稿するよ。」
作者は、きっと阿呆なのですね。
「お前の考えてること全部分かっとるわ!!」
テヘペロ♪