2つ目はイヤリング
その東西線の車内でオレは深雪を想い涙した。
自分のして来た重さを知った。
軽い気持ちでした行為は、
深雪に重い傷を負わせた。
それは体にも心にも。
その自責の念が、あまりにも重く、5年という月日が更に重くのしかかった。
もしオレが浮気をしているのを知っていて黙っていたなら、なんて最低な男だろうか?
カバンから指輪を出して見た時に、
深雪が幸せそうに笑う顔が想い浮かび、こんな派手な指輪でも私に似合うかな?と聞いたかわいい深雪を思い出して、更に泣いた。
イヤリングもそうだ。
2人で笑っていた初々しい思い出しかない。
…どこでオレは深雪の手を離したんだ、、、。
…いつからどうでもよくなった?
…あんなに好きだったのに。
【西船橋終点です!】
オレは銀座同様駅員さんに聞き、2番の付箋が貼ってある、45のロッカーに手当たり次第鍵を突っ込んだ。
【カチャン】
『はあ、、、はあ、、次は、、、なんだ、、、。』
手を伸ばして物を引っ張り出して見ると次はお守りだった。
…これは安産のお守りか?
…丁度結婚して2年目の記念日に元気な赤ちゃんが生まれますようにって買ったお守りか?。
…結局流れちまったけどな。
…泣いたなあの時も2人で、たくさん慰めたな。
…また作ればいいなって。
…そうですねとか、、、、おまえ、、、、言ってた、、、っけな。
『うっ、、、、、うっ、、、深雪、、、。』
オレは腕で涙を拭いて次のお守りの最寄り駅に向かった。
次は荻窪だ。