アラタ、やっと旅に出る
またしても説明回、次回から第1章突入です
「で、俺は当分町に近い森に住むんですね」
「そうだね、町に近いって言っても十キロぐらい離れているけどね。そういうことになるね」
「はぁ、分かりました森に住みます」
まあ、ある程度自衛できるようになってからでも世界を旅するのは遅くないよね
「森に住むって言われてもまさか自分で住居作れとか言わないですよね」
「さすがにそこは用意するよ、こっちの問題で君は死んでしまったのだから」
衣と住は用意してもらわねば困る、何せ元々は神に殺されたのだから。具体的に言うと創造神(妹)にだが。
食事は森を徘徊してる魔物を仕留めれば食べれるらしい。
「それと、あとじゃあ、使える感じのスキルください」
「そうだね、みんなにあげてる基本スキルと素質スキルをアラタくんに授けよう」
「へぇ、基本スキルと素質スキルは何が違うんですか」
「そうだねぇ、基本スキルは異世界人全員にあげるスキルの総称なんだよ、そして素質スキルは個人の力のスキルのことだよ。ユニークスキルと同じ意味だね」
「基本スキルは何があるんですか?」
「うん、必要最低限なスキルのセットなんだけどね、色々あるよ、例えばマップ、ソナー、シャドウとか色々あるけど、自分で確認してみるといいよ、ステータスって唱えてごらん」
この辺は結構定番だな。小説で読んだファンタジーに似ている。
「ほんじゃあ、ステータスっと」
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フジムラ・アラタ
職業:
年齢:13歳
経歴:学生
Lv:0
HP(体力):20/20
MP(魔力):15/15
筋力:30
素早さ:50
精神力:50
器用さ:60
知力:70
≪スキル≫5
生活魔法:Lv.1
使用可能範囲:火…マッチ並み
水…桶一杯
風…扇風機の弱
光…懐中電灯の光量、ピンポン玉並みの大きさ
スキャナ:Lv.1
使用範囲:5メートル範囲
使用時間:1人15秒、魔物や物も同様
左目に組み込まれた機能。
観察することによって立ち振る舞い、表情、風格などから相手の職業、スキルなどが割り出される。
使用するたびに記録として頭に残る。
マップ:Lv.1
使用範囲:半径50メートル
まだ見ぬ場所はマップ上では黒色
ソナー:Lv.1
使用範囲:半径50メートル
まだ大雑把な把握しかできない。
何かがあるのはわかるが、それが何なのかわからない
シャドウ:Lv.--
使用可能容量: 入れたいだけ入れられる
自分の影に色々入る。少しでも影があれば使える
可能性は無限大!色々なものが入るよ!
≪ユニーク≫0
≪称号≫1
[神に殺められた者]
取得条件:神よって殺された者に与えられる
効果:不明
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どうやら地球人は全員レベル0なんだと、神様が言っていた。称号の効果の不明も気になるが、今はスキルのほうを見てみるか。
ごちゃごちゃと色々書いてあるが、どうやら任意で説明文は消せるらしい。一々文章が多くても読みづらいから、消せるのはありがたい。
説明文を見て思ったこと
「基本スキルって結構チートだと思うのですが」
「これは異世界人向けの配慮なんだよ。行った直後に死なないためのね」
「はぁ、そうなんですか」
まあ、いいか役に立ちそうだし貰っておこう。
「それで、素質スキルだけど、今アラタくんはこれの内のどれかを選べるよ」
神様は俺の前に3つスキルの書かれた半透明の表を出してそう言った
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≪ラスト・ワード≫
スキルタイプ:アクティブ
全使用者:22人
成功率:10割
発動条件:いつでも
使用魔力:10 MP/min
自身の体を強化する魔法。
一度に大多数と戦うときに本領を発揮する。
魔力が続く限り継続可能。魔力回復はポーションでは不可。
敵対するモノが強いほど使用者の力が増す。
使用後は魔力枯渇のため、体が動かない。
≪トランセンド≫
スキルタイプ:オート
全使用者:0人
発動条件:色々必死なとき発動する。
成功率:10割
大体そのとき必要な能力を発現する。
覚醒できるかもしれないし、そんなこと無いかもしれない
謎多きスキル
≪インタンジブル≫
スキルタイプ:ランダム
全使用者:3人
成功率:5割
空気に溶けこむことができたり、液体状になることができる。
ただし使用時間が長いと、そのままの状態から戻ることができなくなる。
自分自身の体を物質変換しているためリスクが大きい。
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えっと何々?
とりあえず、1つ目は無しだな、燃費が悪すぎる。
いくら強力な魔法だからと言って、体がついていけない場合どうなってしまうのか。
使ってる人が多いことから魔力が多い転生者がたくさんいるのかもしれない。うらましくなんてない、ないったらない。
そして使ったとしても、今の俺では、1分半しか持たない。
2つ目は結構使えそうだ。しかし発動条件なるものがついてるし、説明が曖昧すぎる。
なんだよ謎多きスキルって。これがハイリスクの理由か?
でもなぜ誰も使おうと思わなかったのか。もしかして俺が初なのかもしれない。
でも、このスキルが今の所一番の有力候補だと思う。
3つ目なんて成功率5割だぜ、半分の確立で失敗したらどうなるか気が気でない。なので、どちらにしろこれは絶対に選ばない。俺は普通に生きたいんだ。死んでは元も子もない。
結果的に2つ目になったな、まあこれなら何とかなる気がする。
「じゃあ、2つ目の≪トランセンド≫でお願いします」
「へぇ、初めて見るスキルだね」
「え?そうなんですか」
「うん、そうだね。その人の素質によってスキルは現れるからねぇ。しかも3つ現れるとなると結構色々な才能あると思うよ?」
「へえ、そうなんですか。普通だといくつスキルが現れるんですか?」
「えっとねぇ、スキル1つの人が大多数で2つの人が10人に1人、3つだと大体100人に1人ぐらいかな。4つは見たこと無いや」
「そうなんですか、それとどういう資質なんですか?」
「1つ目が主に拳で戦う人たち所謂脳筋の部類で3つ目は自分の体を実験台にするようなちょっと危ない魔術師の部類の人たちかな」
え、何それ。脳筋と自虐行為の魔術師の才能あるってことか。いやぁ、その2つ意外に選択肢があってよかったよ。いや本当に。まだあの説明文の意味よくわかってないけど。でも前任者がいないからこれこそユニークって感じだよね。
「はい、2つ目に設定しておいたよ。スキルの確認も終わったし次の話をしようか」
「えっと、まだ話すことありましたっけ」
「えぇ!アラタくんは今から森に住むのに家がなきゃ不便でしょ」
「あぁ、さっきそんな話もしましたね、忘れてました」
「もう、本当にしっかりしてよ」
神が、困った顔をしていた。
「ご飯は魔物の肉とか食べられるから、頑張って狩ってね。それ以外に要望ある?」
「じゃあ、家の中身は一人暮らしのアパート風にしておいてください。水道とガスと電気あれば大抵大丈夫なんで」
「水道とガスと電気ね、あと一定期間たったら私のほうで全部の元栓切るから頑張って魔法覚えてね、水道代、ガス代、電気代も結構かかるんだよ」
え、神様も光熱費払っているんだと俺は思ったが口には出さなかった。
それよりも、早く魔法を覚えねば生活ができなくなってしまう。それだけは勘弁願いたい。
「もう家のことは大丈夫だね、あとは言語勉強するための日本語訳されている本と私の声が録音された本とその他諸々を上げるからちゃんと勉強してね!」
「結構準備いいんですね。録音された本なんていらない気がしますけど」
「私が録音して練習していたものをあなたに渡すからだよ、言語習得できたらその本燃やしてね。それと、本で読むより実際に音声を聞いて発音練習した方がいいと私は思うよ」
「そう言う物ですかね。分かりました頑張ってみます」
「うん、まずは家と、君を町の近くの森に送るためにここで座標固定しなくちゃね、ちょっと待ってて!それが終わったらあとは君を送るだけだ!後のことは手紙に書いて本と一緒に送っておくから」
そういうや否や彼は何処からか表紙が茶色く分厚い本を出してめくり始めた。
しばらく俺が待っているとあったあったと言い出し、本とパソコンを見比べながらカチカチやりだした
「座標固定終了っと!じゃあ、ここでお別れだねアラタくん。あっちでも頑張ってね!あと森からは2年ぐらいでられないと思うから!」
そこで俺は暗闇に落ちる感覚で意識を失った…
◇
そしてその白い空間には創造神一人が残った。
「ちゃんとアラタくんが着けたか確認しないとね!」
と意気込んだが、突然そこに現れた人物により遮られた
「また私の転移位置間違えたでしょお兄ちゃん!」
「あはは…はは」
その会話は何時ものことなので、もう一人の人物は愚痴をこぼすだけに留まった。
ただ、座標指定失敗のせいで初めて人間が一人死んだとは言わない。
そして、文句を言うだけ言って現れた人物はさっさとどこかに消えてしまった。
さっきの人間の子供を見届けるまでが私の責任と、画面を地図に切り替えてみていた。
この森にいるはず!と地図上の森を拡大縮小しながら見つめること数分
「あれ?この森にいない?そんなことないよね?え、あれ?」
と言いながら本をめくり始めた。と、突然
「あぁぁぁぁぁぁ!また場所間違えたああああ。違う大陸の森に送っちゃったぁぁ」
またしても、転移場所をミスする神であった。それにアラタは気づくのだろうか。
次回は2日後の予定です