どうやら俺は神によって殺されたらしい
初投稿です。。。
俺は先ほどとは違う場所で目を覚ました
体をどの方向に向けても木、木、木と目の前に家がぽつんと一軒
どうしてこうなったのだろうか
いや、どうしてこうなったのかは理解している。ただ、現実逃避したくなったのだ。
それも仕方ないと言えば仕方のないことなのだろう。何せここは森の中、そしてそこに俺一人。仲間は誰もいない。今から俺はここで時が来るまで過ごすことになるのだから。
そして、ここは木が密集して視界も悪い。ここは町の近くの森でそんなに深いとは思っていなかった
そして歩くこと数百メートル。今、目の前には一軒の小屋が森の中に佇んでいる。さっき目覚めた場所のすぐ近くだ。
俺は構わず中に入っていった。
小屋は木でできた玄関の扉を開けると一人住むには十分な大きさの部屋が一つとキッチン、トイレ、風呂がついていた。
森の中に佇む家にしては結構豪華である。見た感じ普通のアパートって感じだね、こんな森の中じゃなくて、都会だったらよかったのに!
でも気分的にこの部屋にいるときだけ都会ぽさを感じることができる。外見は小屋で中身はアパート。小屋とアパート合わせて、コパート?うーん、まあいいか何でも。
まず何が悲しくて俺はこんな森の中にある一軒家にいるかというと、さっき現実逃避する前に俺と話していた存在の話をしなくてはならなくなる。
まずこの世界に来る前の俺の話をしよう。
*
まず元々の俺の話をしようか
俺は13歳の中学一年生の藤村新だ。先月中学生になったばかりで、身長は155センチ、中学一年にしてはまあまあな感じの身長だと思う。顔のほうは普通だ。イケメンでもなければ不細工でも無い、そんな感じの顔だ。
俺の一日は、五時に朝起きることから始まる。五時に起きないと学校に遅れるとかではない、むしろ七時に起きても学校には普通につく。俺は毎朝自分と母親の弁当を作っている、そして家で飼っている猫の分も。猫の名前はシロで全体が白いためである。なんとも安直な名前だ。
なぜ俺が自分と母親の弁当をと思うかもしれないが、俺の家は母親が朝に弱すぎて起きないし、親父は元々早くに他界してしまっているため、俺が作っている。
最近、俺はよく食べるようになった。だから、結構な量を作らなければならない。これが成長期というやつだろうか。最近では弁当を作るのは苦ではなくなったが、最初の内は指が絆創膏だらけになった。小学五年生の時に始めた弁当作りは昼頃から出勤する母親のためのモノだったが、今ではとても役に立っている。あの時の俺頑張った。超頑張った。
うちの母親は放任主義で俺は大体放置されて育ってきた。そして、やっと昼ぐらいに起きて出勤する母親は何時もコンビニの弁当ばっかり食っていた。それは何かと栄養素が偏るといつしか授業で教わっていたので、それが俺の弁当を作るきっかけだった。最初の頃は微妙だったが最近は母親も俺の弁当を旨いと言ってくれる。
しかし、包丁の持ち方も教わらず曖昧に料理していたため指を切ったこと複数回。ガスコンロで火傷したことも数え切れなかった。
最初の頃は怪我しまくりでどの指にも絆創膏や包帯を巻いている時期があった。それを先生が見兼ねて母親に相談してから、教えてくれるようになった。
弁当を作り、朝食を食べ終わると大体七時前後になり学校に向けて出発するのにいい時間になる。うちから学校まで電車で30分ぐらいだが、あえて俺は自転車で通っている。
なぜなら、最近食べるようになって思ったことだが、食べると太ると自分ではと思い自転車で通っている。結局学校に着くころにはちょっとした空腹感に見舞われる。少しお腹が減るぐらいが丁度いいのだろうか。
そうして、1時間ぐらいで学校に着いて授業開始の八時半になるまで、だいたい三十分くらい暇な時間ができる。まだ友達は出来ていないいわゆるボッチである。というわけで、その間に俺は小説やらなんやら読んでいる。
何時ものように俺は自転車に跨って、学校に向けて出発したところ学校目前で道路工事の通行禁止の看板が立っていた。
仕方がないので迂回路に向かうべく脇道から大通りに出たところ、角からお姉さんが出現して思いっきり正面衝突した。
自転車から突き飛ばされた俺は思いっきり頭をコンクリートの地面で打った。
めっちゃ痛かった。頭がくらくらする。ぶつかってしまった人は大丈夫だろうか。
朦朧とした意識の中で考えながら俺はそこで動かなくなった。
*
俺は何処にいるのかわからず、ただ立ち尽くしていた。
地面は漂白剤のように白く、空も同様に白くどの方向に体を向けても景色は変わらなかった。
「いやぁ、ゴメンねアラタくん」
俺の後方で突然、申し訳なさそうな声がした。
振り返ってみると何故か謝りだしたのは白衣っぽい服を身に着け、肩まで伸びる銀髪が眩しい20歳ぐらいのイケメンがいた。一目見れば全員が全員研究者だと思うだろう。
しかし、そのイケメンの一番気になるのは頭の上に光る輪っかだ。
いや輪っかだよ、誰だって気になるはず。
そして、大体想像は着くが聞いてみようか
「んであんたは誰なんですか」
「ここの管理している創造神神だよ」
まあそういうことなんだろう、まあ予想はしていた
さて、二、三質問しますか…
「んで、あんた何の神様何ですか」
「創造神っていえばわかるかな」
めっちゃえらい神様じゃん、この人の言葉信じるならだけど。
「へぇ…じゃあ、ここはどこなんですか」
「ここは何処でもないよ、有って無いような所で無くて有るような所だから此処は何処でもないんだよ」
「はぁ、まあいいです。結局俺はここで何してるんですか。別段ここに来る理由はないと思うんですが」
「全員が全員ここに来るわけじゃないよ、そんなことしてたら忙しすぎるからねぇ。それより君には謝らなくちゃいけないことがあるんだ」
急にまじめな雰囲気出してきたな。
「んで、何について謝るんですか、最初も謝罪聞きましたが」
「それがね、僕のせいで君は死んじゃったんだよ」
「はぁ…?っはぁ!?」
「本当にすまないと思ってる、だから何かしてあげられることはないかと思ってね、どうだい」
「いやいや、ちょっと待ってください。俺いつ死んだんですか?俺まだ体あるじゃないですか」
「いやぁ、とてつもなく言いにくいんだけど、それ本物の体じゃないんだよ…ここの空間の物の寄せ集めで作ったものだから…」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「それと、君最後の記憶思い出してみなよ、そうすれば君の死因が分かるはずだよ」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「思い出したようだね。君の死因は私が君に目の前に私の妹を送りつけちゃったせいなんだよ」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?」
「私の座標指定ミスなんだよ。全く人がいない所に下そうと思っていたんだけど、本当謝って済むものでないけどね、本当に申し訳ない」
何と俺が角を曲がるときに出現したお姉さんが神の妹だという。
神様は深々と謝罪の念を込めて頭を下げてきた。
現れた瞬間にぶつかったのか、それはそれで凄いな。
「じゃあ、あのお姉さん生きてるんですか?」
「うん、間違いなく生きてるよ。それと君が当たっても彼女は傷つかなかったから」
「えっと、そうなんですか」
「そうなんだよ、そこに降り立って数秒はそのまま硬直しているんだ」
「で、何のために地上に降ろしたんですか…」
「地上の偵察といったところかな」
「妹さんが生きてるならいいです、俺が死んだのはこの際漏れるわけじゃないですから」
「…ほんとゴメンね」
神はすごく申し訳なさそうに謝った。
俺は地球にやり残したことがあるとすれば、友達作りだろうか。母親は俺がどこか行ってもケロッとしてそうだし。シロのことも少しだけ気になるが、母親がちゃんとご飯をあげるだろう。悲しきかな俺はボッチなのだ。