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目覚める前に
初投稿となります、千華です!
チハル、とよみます!
今回の作品は完全オリジナルです!
楽しんでもらえれば幸いです
ジリリリリリリッッ
強烈なアラーム音が響きわたる部屋。
その中で未だぐっすりと眠る少年が1人…
死んでいるんじゃないだろうかと思うほどだ。
「起きなさい!!!」
その音の渦の中に、さらに声が加わる。女性の声だ。
ジリリリリリリッッビーッビーッガッシャーンパッパー!
音の大洪水がまき起こる。マンモスも失神するであろう音量だ。
ドスドスドスッガダン!
明らかにアラーム音と似ても似つかぬ音が聞こえた。
しびれを切らした女性が、普通じゃ考えられない音を立ててドアを開けたのだ。
「白九丨!!起きなさい!!」
少年……白九の名を呼ぶ女性。しかし、白九は微動だにしない。
無言で拳を握りしめる女性。
「白九!!白九!!起きなさい!」
名前を呼ぶも無反応。それを確認した女性は、どこから取り出したのか、柄の長いほうきを振り上げる。
バゴッ
鈍い音がした。部屋には息を切らした女性と……
「いってえな!!何すんだよ、母さん!!」
瞳に涙を浮かべ、頭を押さえて起き上がる白九がいた。