【1章-3】 暦、大祭と政治
雪解けに伸びる麦の芽を祝う、収穫祈願の春祭り(インボルグ)。
恵みの雨を願う、夏の花祭り(ベルテヌ)。
恋人たちが主役となる、秋の収穫祭。
この世に恐怖が流れ込むと恐れられる冬の死神。
というわけで、専門用語続発。10は余裕で越えたかな?
たぶん、ラノベのコンテストに投稿していたら、このあたりで落第確定してもおかしくありません。
この4つはケルトの4大祭で、日本語のフリガナがおおむねの意味です。
サムハインだけは、作品の都合上ものすごく不吉な日としています。
現実では、年末の日であり、ハロウィンの原型とも言われています。
不吉は不吉だけど、次の日は新年というわけでめでたい日でもあります。
ハリーポッターの場合は、パーティーをしてましたね。
これらはケルトの4大祭ですが、日本にも似た習慣あります。
たとえば、節分です。
瞬間的に2月3日をイメージしますが、各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことが本来の節分です。
米と麦という違いはあっても、農耕中心の時代では、季節の移り変わりがかなり重要だったようですね。
稲作の文化には稲荷神社があり、麦主体のエジプトではシリウスの輝きがナイル氾濫の兆し。
神事や魔術、政治的にも重要な日であったようです。
政治の【政】を【まつりごと】と読むことができます。
過去の歴史において、祭礼と政治は同義でした。
特に中国では、皇帝や天子の役割として「社稷」というものがありました。
「社」とは土地神を祭る祭壇。「稷」とは穀物の神を祭る祭壇。
具体的な解釈は、国民の食と土地を守ること。
ヨーロッパの王の役割もこれに似たところがあります。
メティスの魔術師達はお祭りそっちのけで、都市ぐるみで天体観測実施中です。
中世の政治機関としては、 かなり疑問を感じますね。
歴史の傾向として祭礼を秘密化し、組織を結社化するとき、その国家は衰退の途上にあるのですが・・・