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【1章-16 審問の塔】中世の裁判

 有名な中世の裁判として、魔女裁判を例に出します。


 時々、政治的、学術的なたとえとして、魔女裁判と言う言葉が使われます。

 主に、非道や不法と言った裁判に対して使われる揶揄ですね。


 魔女裁判における最大の特色は、「法的解釈を必要としない」です。

 裁判のくせに、法に照らし合わせる必要がないんですね。

 必要なものは、教会の許可だけ。

 これも中央や支配層への問い合わせは必要ありません。


 つまり、礼拝所でも大聖堂にでも、ほかのどこに所属する神官でも「あの人は魔女です」と断言すれば、OKというわけです。


 はっきりいって、目をつけられたら、誰でも公的に罰せると言うわけですね。

 ワイロを払わないとか、募金が少ないとか、なんとなくムカツクとか。

 

 神官の判断と、それに乗っかる人々の熱狂。これさえあれば、かなり非道なことも可能だったようです。


 さて、今回サフィリアが呼ばれた審問会とは、この魔女裁判に近いものです。


 書を守る者、インボルグに産まれた魔術の純血種。


 その扱いがこれって、メティスの法がほどよく腐ってる証拠ですよね。 

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