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【1章-8】チューリップの歌

「赤、白、黄色。どの花見ても綺麗だな」


 戦後の日本、主に学校教育の場で歌われてきました。


 この歌の示すところは、

 違いや個性を良いもの、尊いものとして受け入れる、となります。


 この思考は、民主主義の国において推奨されます。

 一方で、軍事傾向が強くファシズムが推奨される国では危険視されます。


 さて、次の例を出してみます。 


・みんな違ってみんないい。(金子みすず)

・みんなと違っていなければ、いけません。


 似ているようですが、全く違います。

 上は違いを容認し、良いものと受容しています。


 下は違いを強制し、それ以外を劣ると決め付けています。


 歴史的に見て、「魔法使い」と呼ばれる人物は、下の考えに近いといえます。

 ハリーポッターでは、魔法を使えない人々をマグルとして、軽蔑する風潮がありました。


 ナチスドイツも、アーリア人を最も優秀と位置づけていました。


 現在も無視できない、インドのカースト制。

 上位層にいるものは、下位層と交わることは許されません。


 大正の鹿鳴館時代に、身分違いの恋がテーマになる場合も同じですね。

 華族は普通の民衆とは全く違う存在でした。


 身分制度を確立し、支配者層と被支配者を分けるには理想的な理屈といえるかもしれません。


 サフィリアの所属するメティスは下の思考に染まっています。

 シーグやリーザの所属する国は、上の思考の影響を大きく受けています。


 ハイファンタジーである以上、国家体制そのものも考えてゆかなければいけませんね。

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