1-1 また黒歴史を晒す田中マジワロスwwwww
タイトルに深い意味はないです。
ちゅんちゅん…小鳥のさえずりが清々しい朝を告げる。
「…?」
そのさえずりで刻は目を覚ます。
時刻はちょうど7時
登校するには丁度起きるような時間。
まだ寝たいという願望を押しのけ、刻はのろのろとベッドから降りると
一階に降りる。
「おはよう」
朝の早い老人の祖父はもうすでに起きており
朝食の準備をしていた。
そこに刻が降りてきたという感じだ。
「おお、起きたか。おはよう
朝はしっかり食べなきゃいかんぞ」
「わかってるよ」
育ち盛りの高校生、朝食を抜くのは少々厳しい。
「ならいい。朝が一番大事だからな」
そういうと祖父は、テーブルに二人分の食事を用意し、刻に座るよう催促する。
「ほれ、座れ」
「いただきます」
「おう」
メニューは鯖の塩焼き、白米、あさりの味噌汁、ほうれん草のおひたし
などの、純日本食だった。
「うまい」
「そうか、それはよかった。ところで学校にはどうやっていくんだ?」
「自転車ないから、歩いていこうかな…って思ってる」
学校まで徒歩20分前後
自転車が欲しくなるような距離ではある。
「うむ、じゃあ帰りに自分の気に入るものを買ってきなさい」
そう言って、祖父は3万円を刻に渡す。
だが、高校生にとってそれは結構な大金で
刻は、もらった瞬間すこしだけギョッとした。
「ちょ、こんな大金学校にもってけっていうのかよ、じいちゃん!?」
「?、時雨は普通にそれくらい持っていってたぞ?」
「…と、父さんと一緒にしないでくれ…」
時雨…夕暮時雨――刻の父親――の名が出てきた時
すこしだけ、刻の顔に陰りが映った。
やはり親がいないのはさみしいのだろう。
「まあ、とにかくもらっておけ」
3万円を軽々しく渡す祖父に
別にもらっておいてもいいか…という感覚になってしまった刻は
結局、受け取ってしまった。
「とりあえず、ありがと」
「なんか欲しいものがあったら言うんだぞ」
「うん…(あぁ…目覚めたわ)」
長めの朝食を取ると、いよいよ家を出る時間になる。
「じゃあ、そろそろ学校いくわー」
「ああ、いってらしゃい」
「行ってきます」
そう言って家を出ると、新調したばかりのローファーをならし
あたらしい通学路を歩く。
周りをゆく学生たちは何やら急いでいる様子だった。
「(そんなに急がないといけない用事があるのか?
大変だな)」
とのんびり考えながら歩いていると、いつの間にか
学校の前まできていた。
「(結構大きいとこだな)」
校舎を見上げながら、もんをくぐる。
その時だった。
後ろからものすごい勢いで走ってくる音がする。
刻はその音に気づき振り向くと
その足音の主はすぐそこまで来ていた。
「え?」
ドン
強い衝撃が刻にかかる。
足音の主と刻がぶつかったのだ。
刻はそのまま後ろ向きに倒れ、尻餅をつく。
「ッ!」
尾てい骨を打ったのか、激痛が走る。
一方、足音のほうは…刻の上に乗ったままこういった。
「あ、ごめんなさい」
いい感じに刻がクッションになったようで
まったくダメージはないようだった。
「うん?」
痛みがだいぶ収まった刻は、上に人が乗っていることに気づく。
「あの大丈夫ですか?」
上にのっかている人は、黒がみのミディアムで街を歩いていると誰もが一度は
目を向けるような可愛さをもつ美少女だった。
「ああ、まあ」
いくらそんな美少女に上に乗っかられた状態でそう大丈夫ですか?
っと問われてとしても違和感を感じた刻は、そんなぞんざいな受け答えになる。
「あ、あのさ」
耐えられなくなった刻は、ついに口を開く。
「なんですか?」
「おも…失敬、いつまで上に乗ってるんでしょうか?」
すると、何も言わずにその少女は刻の上からどく。
「?(なにか悪いことでもいったか?)」
「ねえ!!」
「は、はい?」
「あなた、さっき私に重いっていいかけなかった?」
「え?…あ!………いえ、滅相もない」
刻の心境を表すとこうだ。
重いっていったっけ?→(考えること5秒)→あ、言ったな→
(考えること10秒ほど)→いやでもこれは言わない方がいいってやつだな→
よし適当にごまかそう
「ふーん…そう……」
鋭くなった目つきは未だに鈍ることを知らない。
しかし、さっと校舎にかかっている時計を見ると
顔色がかわる。
「あ、やば遅刻……さっきのこと忘れないから!
私は、高田あかね。放課後校門前で待ってて。じゃね」
そう早口で言い終えると、とんでもないスピードで
走っていく。
「…は?ちょっとまて!意味不明だぞ!?」
先程までフリーズしていた刻があかねと名乗った少女の
話を理解したのは、あかねが走りすぎてだいぶ経った頃だった。
「ん?そういえば遅刻とか言ってたか?」
ここで刻は、ようやく自分が転校初日から
遅刻をかましたことに気づいたのだった。
注意:タイトルに深い意味は(ry