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トランプファミリー

作者: 真暇 日間

 

……どうも。こんにちは。もしくはおはようございます? こんばんは?

私はトランプのカードの中でもかなり地味であると自負している『クローバーの3』です。

今回は私の兄弟、姉妹達の中でも目立つ人達を紹介していきたいと思います。

まず最初に、『スペードのA』兄さん。私達の一番上の兄です。

大体なんでもできる完璧さんですが、不意の事件や不足の事態に弱かったりするという、実に『人間らしさ』のある人です。

面倒見は良いですが、一人立ちできる兄さんや姉さん達に関わることはあまりないという放任主義で、今では私より小さい『ダイヤの3』や『ハートの2』の面倒をよく見てもらっています。

次に紹介するのは『クローバーのK』兄さん。Aの兄さん達に次いで年が上の、言わば次兄の方です。

因みに家の兄弟達は、皆四子で、ほとんどの兄弟が男二人、女二人の組み合わせです。

例外はKの兄さん方とQの姉様方。そしてJの兄様方です。他の兄弟達はみなクローバーとスペードが男、ハートとダイヤが女だったはずです。

………どちらでもない方が二人ほどおりますが、そのあたりはまたいつかがあれば……。

さて、Kの兄さん達ですが、基本的にクール系です。

唯一『ハートのK』の兄さんだけは心を情熱の炎に燃やしていますが、やはりそれを外に出すことは多くはありません。

『クローバーのK』兄さんはクール系天然さんです。

天然ならではの思考をそのままつい言ってしまったという感じの毒舌と、その後の優しさのギャップが凄い方です。

……マッチポンプ? 言ってはだめです。怒られます。

その次は『ハートのQ』姉様です。

Qの姉様方は、色々と変わった方が多いです。その上、顔はほぼ同じなのに一人一人の性格がまるで違っているので慣れるまでは大変です。

例えばダイヤの姉様はツンツンしています。いつもツンツンしています。デレはゼロです。でも優しさと面倒見のよさはハートのA兄様に通じるところがあり、厳しくも優しい姉であると兄弟の中ではもっぱらのうわさです。

……おや、デレましたね。

それと、外から見ているとバレバレですが、『スペードのA』兄さんに恋をしているようです。

……近●相○? いえいえ、なりませんよ。ダイヤの姉様は奥手(ヘタレ)ですから。

ハートの姉様はいつもぽけっとしています。

天然? いいえ、ハートの姉様は天然ではありません。ただののんびりやです。

……怒ると『クローバーのA』兄さんに次いで恐ろしいですが。

しかしいつもはのんびりぽえーとした空気を振り撒いている、我が家のマスコット的な存在です。

クローバーの姉様は面倒くさがりで、いつも『ハートのA』姉さんに怒られています。

……まあ、弟や妹達の教育に悪いので、下着姿でうろついたりはしないでほしいのですが。

……さて、遅くなりましたが、次は『ダイヤのJ』兄様達です。

Jの兄様達は……えーと、本人達には言いにくいのですが………遊び人気質な所があります。

たまに『スペードのK』兄さんや『スペードのQ』姉様が頭を抱えている所を目にします。

スペードの兄弟達は真面目な性格になることが多いようです。

Jの兄様達で一番凄いのは、やはりクローバーの兄様です。よくお酒に飲まれて気付いたら色々なことに巻き込まれていた、という話を聞きます。最近では強盗団のアジトで全員を酔い潰していたとか。

ハートの兄様は放浪癖があり、よく色々な所に旅行に行っています。

その旅から帰ってくる度にみんなにお土産を渡してくれますが…………木彫りの熊なんて欲しがるのは『クローバーの9』兄さんか『クローバーの7』兄さん。それに『ダイヤの8』姉さんぐらいなものですよ?

クローバーの兄弟達は、一般的な感性で言うところの『変人』が多いようです。

…私ですか? 私、これでも七歳ですよ? 十分変人の域に居ると思うのですが……。

そうそう、ダイヤの兄様ですが、よくどこかから大金を持って帰ってきます。何でも賭けで勝ったとか。

……ダイヤの兄様は他の兄さん姉さん達から『ラッキー大魔神』と呼ばれていたりします。

……後は………そうですね。兄弟姉妹ではありませんが、一応。

『ジョーカー』父さん、同じく『ジョーカー』母さん。

父さんは白黒っぽくて寡黙、母さんは色彩豊かで騒がしいような感じがします。

私達を養ってくれているのですが、いったいどのような仕事をすれば五十四人を不自由なく養い、さらにお小遣いまでふんだんに渡せるような余裕があるという状態になるのでしょうか?

………聞いてみたいような、聞きたくないような………。


これで有名な兄さん達と姉さん達の紹介は終わりましたね。これ以上はもうあまり言うこともありませんし、このあたりでおしまいに…………え? 私…ですか?

……わかりました。僭越ながら自己紹介をさせていただきます。

私は『クローバーの3』。歳の割りに落ち着いていると言われることが多いのですが、弟の『スペードのA』より才がなく、よく言えば万能、悪く言えば器用貧乏を地で行くごくごく普通でとても地味~な男の子です。

ええ、それくらいですね。『クローバーの10』兄さんのように女装と主夫業が似合うわけでもありませんし、『ハートの8』姉さんのようにマッドなサイエンティストなわけでもないですし、『クローバーの5』兄さんみたいに厨二病でもないですし、『ダイヤの9』姉さんのようにリアル魔法使いだったりするわけでもなく、もちろん『クローバーのA』兄さんのように気合いと実力とノリでありとあらゆるどうにでもできるわけでもない、ごく、普通の、地味な男の子です。


……そろそろお別れの時間がやって来ました。

それでは皆さん、いつかまた、会える日を楽しみにしております。




……なお、この作品はとてもとても短い、言わば四コマ漫画的な小説郡を作者が気が向いた時に書いては適当な所で投稿してゆくものです。




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