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自己嫌示欲

作者: 小林

読まないでください

 俺の叔母は統一教会である。


 母は早くして俺を産んだ。

 18歳、当時はまだ未成年だ。

 これを書く俺はもう20代、彼女も居なければ仕事も無い、大学にも行っていないし友達も少ない。


 いない訳では無い少ないのだ。


 バイトだってしてる。


 彼女もいたことはある。


 こんな文章を書くのは自分に要らないプライドがあるせいだろう。

 本当にくだらない。


 小さい頃父と一緒に暮らしていた記憶が少しだけ残っている。


 父は帰りが遅かった、飲みに誘われると断れない性格なもので、更にお金が無いのに奢り癖まである。

 ひとりぼっちの母は泣いていた、しくしくでは無く豪快に泣いていた。


 帰ってくる父によく当っていた。

 こうDVという物は、普通父から母子に行う物だと創作物を見て思うが我が家は違う。


 母がフライパンを父に投げつけ、腕に煙草で焼印までする。


 母も父も余り育ちが良くない、ヤンキーと言う奴だ。


 一緒に襖の隙間から覗いていた妹は、まだ1つかそれ未満だった為、覚えていない

 4つを迎える自分だけが、物心を勝ち取ってしまった自分だけがそれを覚えている。


 ある日の夜、母は俺と妹を連れて家を出た。


 去り際父は俺の腕を掴み「りゅうは一緒に残ってくれるよね?」と聞かれた。

 俺はそれに答えられなかった。


 りゅうと言うのは俺の名前だ、お坊さんから取ったらしいが結構気に入っている。

 本当はりゅう〇〇と続くのだが、もしこれが知人に見つかれば恥ずかしいので伏せるとする。


 それで答えられなかった理由だが、単純なもので、2人とも好きだったからだ、考えている間に母に手を引かれ答えられずにお別れしたに過ぎない。


 今では新しい家庭を気づき、何も知らない妹とはたまに、本当にたまに連絡をしている、お正月とか誕生日とかだけ。



 そして俺は祖母の家に住む事になった。



 祖母は優しかった、自分がまだ零の付く歳に面倒を見ていてくれたらしい。

 市営に住む祖母の家には、母の姉兄、それとその姉の娘と旦那が住んでいた。


 兄の方は土木関係の仕事をしていて、それが上手く波乗ったのか早々に家を出ていった。


 俺はそこで初めてPS2に触れた、姉(叔母)がゲーム好きなせいで俺もそれにハマっていった。


 そんな叔母の旦那は仕事はしていたが給料が少なく、祖母の家に居候と言う形で住んでいた。


 そんな状況は長く続かなく、旦那は喧嘩した後すぐ家を出て行ってしまった。


 家が広くなった気がした。


 母は夜に仕事に行き、お昼に帰ってくる生活をしていた、俺は小学生だった為に、何日も母の顔を見ない日が続いた。


 もう2歳になる妹と、3歳になる叔母の娘は歳が近いせいで喧嘩ばかり、毎日雷の様にうるさく、嫌気がさした。


 叔母も機嫌がいい時はとても優しく、コンビニでスイーツなんかを買ってくれていたが、ひとたび機嫌が悪くなればペットボトルやティッシュ箱が飛んでくる様な人だった。


 そして俺はこの時期を、人生で1番後悔している。


 祖母の家には俺の生まれる少し前から、犬を飼っていた。

 犬種は分からない。

 分からないのは俺が無知な所為でも、小さい頃だから記憶が曖昧な訳でもない。


 殆ど目にした事が無かったからだ。

 祖父は俺が生まれた3年後くらいに死んでいる、犬は確か祖父が買った犬だ。

 居なくなった後も確かに祖母の家には犬が居た、犬臭かったし、鳴いているのは聞こえていた。

 ただ外に出てくる事は無い。


 祖母の家には部屋が3つ。

 ほぼ居ない母、妹自分の部屋。

 元々兄が使っていた祖母の部屋。

 そして玄関に1番近い所にある叔母と娘の部屋。


 祖父が亡くなり、兄が出ていくと家の支配権は自然と叔母の物となった。

 犬は叔母の部屋に居る。


 俺はその部屋に入った事が無い、厳密に言えば兄が出ていってからその部屋に立ち入った事が無い。

 それ以前は普通の部屋で、犬の入る檻も綺麗にされていたとた。


 自分が昔使っていた、子供用の玩具、確かあった気がした組み立て式の滑り台はどこに行ったのだろうと、ふと当時の自分は気になった。

 小学生4年の頃だったと思う。


 おばの部屋を除くと、本来犬の檻が置いてあった場所に、その滑り台やおもちゃ、服などが積み上がっている。


 犬は外に出てきて居ないのに。


 犬が吠える度、壁越しから何かを殴る音が前々から聞こえていた。

 滑り台を殴っていたのだ。


 俺は言えなかった、(犬を出してあげて)(可哀想)だとか、今もその時の事を攻めることができていない。


 程なくして犬は死んだ。

 異臭で気づいたのか、気まぐれで様子を見たのか分からないが、檻の中は酷く汚かった。


 家族の誰もそれを止めなかった、止められなかった。


 ヒステリックな叔母を止められなかったのだ。


 そのヒステリックにつられてか、娘も何かがあるとよく叫ぶ子供になっていた、今思えば親の背中を見て育つと言う言葉を体現した様な親子だ。


 犬が死んでから、叔母はその部屋を使わなくなり祖母の部屋に移住してきた、祖母は自然と母と妹と俺がいる部屋に来る。

当たり障りの無いように叔母と会話していた自分は、4人で一部屋は狭いので叔母と同じ部屋で寝る事となった。


 叔母は自律神経の病気かなんかで仕事を辞めたり、就いたりを繰り返し、次第に家にいる事が増えていった、それからニート同然になり祖母が働き、叔母が家事をする様になった。


 ただ叔母は料理を作るばかりで、洗濯や掃除はほぼやらない、祖母がそれをやっていたし、当時から可哀想だと思っていた、今もそれは変わらない。


 それでさっきも書いたように叔母は自律神経の病気で、夜中ずっと起きていた。

 ゲーム好きの叔母は、朝方まで部屋を明るくしゲームをする。

 俺はそれに付き合わされていた、思えばこのせいで寝坊癖が着いたのかもしれない。


 寝たいと言うのに、電気は着いたまま。

 小学生が夜中の3時4時までゲームして学校に遅刻して行く。

 はっきり言って異常だ。

 俺も娘も電気を消してなんて言えなかった、言いたかった、もちろんゲームは楽しかった、ただ寝たい日もあった。

 次第に娘も自律神経の病気になって行った、必然だ。


 親子で夜遅くまで起き、ベラベラとずっと話している、たまに起こされる時もあった。

 寝れなかった寝たかった消したかった暗い中で眠りたかった。


 祖母は早朝朝5時とかに仕事に向かう、夜8時くらいに帰ってきてご飯を食べたらすぐ眠る。

 母も帰って来ないので妹も1人で部屋に居ることが多くなった。

 妹からしてみれば、隣にあった叔母の部屋はずっと電気が付いていて、賑やかそうに声が聞こえる。


 対して自分の部屋にはすぐ眠る祖母と夜中は家に居ない母。


 妹は寂しかったと思う、その反動かは知らないが今ものすごくわがままで性格が悪く育ち、高校生活2年目にして不登校になっている、いじめられている訳では無い、ただ友達ができないだけらしい。


 母と言うと水商売をしていたもので、下に降りてきて! と連絡が入り行ってみると知らない男と一緒にいる母の姿があった。


 計5回、母が男を連れてきて、その度に引っ越した回数だ。

 憎くも連れてきた男全員、俺達兄妹に優しかった。

 ある1人には色んな所へ連れていかれ、またある1人には箸の持ち方を教えてもらった。


 母も別に俺達を遠ざけたり、暴力をしたりしなかった。

 だからこそ、嫌だった。


 自分の家族はみんな、クズになりきれないゴミだ。


 犬を殺したのに、叱る時は異常に殴るのに、俺達の面倒を見てくれた叔母。


 一見優しそうに見えて何も言わない祖母。


 子供第一とか言っておいて、違う男を連れてきては夜中に俺達を連れ回す母。


 5、6歳を超えても夜泣きをしていた、今は態度だけでかくなった叔母の娘。


 不登校で怒ると物に当たる妹。


 何も言えないし何もしない、お金が無くて進学出来なかったのに、それをどこか親のせいにしてたり、それがわかっているのに面倒と言う2文字で就職もしない僕。


 全てが嫌いだ。



 冒頭で書いた統一教会だけれど、何回か集まりに参加した事がある、祖母は壁に教祖の写真を飾るくらいには熱心な邪教徒だ。


 ちなみに総理が打たれた事件があった後も祖母は変わらず統一教会が運営するサイトへのログイン方法を俺に聞いてきた。


 集まりだが結構な規模で、ドームの様な所を借りて行ったり、よく分からない小さな教会を借り地域ごとの集まり的なのもあった。


 体の邪気を出す、と言う名目で、リズムに乗りながら身体中を叩くと言うものがあったりした。

 背中に手が届かない為隣にいた知らないおじさんに叩かれた。

 それはもう痛かった、なんせ相手はこっちの邪気を祓い出そうと善意で、本気で叩いてくるのだから。

 俺はその頃中学生で、妹は家族に挟まれそんな痛い思いはしなかったからいいけれど、それは置いておいてあのおっさんは許さん。


 まぁそんな事があり、萎縮しながら暮らすなかで、俺は協調性を失って行った。


 好きな食べ物も、好きな人も、好きな事もあった。

 ただ自分の意思も、特技も無い

 自分で意見するのが苦手になった。

 見られるのが恥ずかしいとか、検討違いな事を言ったらどうしよとかそう言う次元の話では無い。


 何も思わないのだ、あの人がそういうならそうしよう、あの人ががやってるから大丈夫だろう。


 そう思って自分の意見など微塵も湧いてこない、今自分はそう言う大人になってしまった。

 これは幼い頃の家庭環境のせいなのだろうか、物事を判断できる大人になった後では定かでは無い。


 高校を卒業して、学費をローンで払おうとした結果、遅刻ばかりで授業中も寝てばかり、そんな自分は成績が悪かったせいで審査は全て落ちた。


 フリーターになった。

 ヤクザになりたいとか言っていた友達とは縁を切った。

 LINEをマメに返さない性格のせいで、高校で知り合った友人には縁を切られた。

 手元に残ったのは中学からの友人6人程度だ、そいつらは今でも遊んでくれる、結構大きな喧嘩もしたが仲直りした奴らだ。


 他の本当に友達の居ない人からすれば6人は多いかもしれない、現に不登校の妹は1人も居ないからだ。


 フリーターの中では、自分は今恵まれてると思っている、自分の収入は12万そこらで実家に住めているのだから恵まれているに決まっている。

 母も昔に比べればだいぶ落ち着いたし、何かあれば叔母に反抗できるくらい大きくもなった、その娘も同様口がキツく育った。


 それでも自分は死のうと思った。

 ただ自分は心底面倒くさがりで、首吊りは苦しいし、焼死も痛い、腹を切るなんてもってのほかだし、溺れるのも嫌だ。


 苦しいのも痛いのも準備もめんどくさかった。


 そこで俺はネットである物を見つける、車の後ろに管を通し、その管を車内に繋いで一酸化炭素中毒で死ぬと言うものだ、少し苦しいかもしれないが眠るように死ねるらしい。

やる気になると無駄に行動力のある俺は。


 死ぬために免許を取った、静岡で合宿で取りに行った。

 ただそこは意外と楽しかった、友人が9人そこらできて、毎日夜出かけ夜ご飯を食べに行ったり、近くで開催されていた祭りなんかに参加した。


 誰とも関わらず静かに過ごす予定だったのに、楽しめてしまったのだ、好きな人もできた、まぁ振られたのだが。

 それでもあの1ヶ月弱は、初めて青春の様なものを感じられた。


 地元へ帰ると、パタリと連絡はしなくなった。

 あんなに楽しかったのに、あんなに仲良くなったのにもう一通メールを送っていない。


 同郷の友人もいたが、駅が20は離れる者ばかりで会うことも無かった、物理的な距離という物は残酷だ。


 近々もう一度死んでみようか考えている。

 それと同時に早く家を出て行けるようにバイト先を増やす事も。


 この文章は自分の自己満であり、誰かに見てもらいたいが、心配されるのは面倒臭いと言う、気持ちの悪い理由で書いている。

 本になって欲しくないし、見つかりたくも無いと同時に誰かにみつかりたいし、売れたら丸儲けなんて身の丈に合わない理想と共に書いている。


 もしここまで読んでくれている人がいるのなら、動物は大切にして欲しい、もし近くで動物や子供なんかが虐待とかされてたら助けて欲しい。

 自分は何も出来なかったから。


 世界には自分よりも不幸な者が大勢いる、それなのに世界は自分よりも不幸な者など居ないと言うだろう。

 1番不幸なのは幸せの絶頂の中で殺された者だ。

 幸せを知らないのに、日々死にたいだののたうち回っている者は、不幸でもなんでもない、自分と一緒で何もしていない堕落者だ。

 何も出来ない対処の仕様がない何てものは無い、極論から言うと、死にたいとか誰も助けてくれないなんて言葉を吐くやつはそいつを殺す事を考えたか?

 怖いから、やり返されるから、自分の手を汚したくないからなんて自分の都合だ。


 人は自分が殺されると思うと足が竦むもの、殺そうともしていないのに死にたいなど言語道断。

 自分が死んでも、相手が死んでもどちらも失うのはひとつの命なのだから殺してしまえばいい。

それか静かにひっそり死んでくれ。

 罪を背負う覚悟もないのに何を言っているんだと、自分は思う。

 ただ自分はそんな事しないし、して欲しくない。


 だって面倒臭いから。


 これを書いているのも夜眠れなくて朝日が昇る6時辺りだ、最近引っ越したばかりで今日は免許証の住所変更をしなければならない、寝ていないと言うのに。

この文書に誤字があったのならそれは眠っていないせいだ。


 だから少し眠ることにする、これを見ている者が夜に寝れますように。

おやすみなさい

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― 新着の感想 ―
単なる物語の完成度としてではなく、「語るべきことを語った」という誠実さへの敬意を表して★5です。 読者として何かを受け取ったという実感がありました。
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