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四季  作者: 藤崎奏
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第5話

今日もまた1日が終わる。



どれだけの時間が過ぎても俺は前に進む事はできないだろう。

すべてが嘘だったとしても俺には君が必要なんだ。

何が起こっても俺は君が好きなんだ。





今日は直弥が彼女を連れてくる日だ。

奈々は昨日話してたようにバイトで遅くなるとの事。


そして夜になり、直弥から「後20分くらいで着く。」とメールが届く。



「樹ー、ついた。」


直弥の声だ。

俺はドアを開けた。

2人の位置のせいかドア越しでは彼女の姿は見えない。

すぐにわかると思い、気にせず俺は玄関から自分のベッドに向かって歩き始める。


「おじゃまします。」


その途中、声がする。

聞き慣れた声。

考える間もなく気づいた。

間違えるはずもない。

奈々の声だ。


俺は不思議に思いながら後ろを振り返る。

そこには直弥と奈々が2人だけ。

直弥の彼女らしき人は見当たらない。


「なんで奈々がいるの?直弥の彼女は?」


すぐに俺は疑問を投げ掛ける。

奈々は笑った。


「直弥の彼女の奈々です。」


「え?いつもは藤崎くんって。え?彼女って何?」


「ごめんねぇ。私、直弥と付き合ってるんだ。」


この場の状況を掴めてない俺に奈々が言った。


「なんだよそれ?全然わかんねーよ。」


「そりゃそうだ。わかる方がどうかしてるよな。」


「直弥、おまえの彼女はどこなんだよ?」


「目の前にいるじゃん?奈々が俺の彼女なの。」


「ふざけんな!」


俺は思わず声を張り上げた。


「まぁ聞け。状況を説明してやるよ。」


「何が説明だ。やっちゃなんねぇ事もあんだろ!」


「おまえが怒るのもわかるけど事実だからさ。」


俺は直弥に殴りかかった。

倒れる直弥に奈々が近づく。


「直弥、大丈夫?」


「奈々…どういう事なんだよ…?」


「わかんない人ね。私は直弥と付き合ってるのよ。それにあなたが悪いんじゃない。」


「教えてやるよ。」


直弥が話し始める。

原因は俺が昔、直弥の彼女と知らずに手を出してしまった事。

それについて恨んでいた事。

そして…俺が奈々を好きになってしまった事…。


「ホントおまえの言う通り。やっちゃいけない事ってあるよな?それを先にしたのがおまえだろ!たとえ知らなくても。」


「南雲くんと会う前から直弥の事がずっと好きだったの。彼のためなら何でもできる。」


「奈々の事が好きって俺に教えなきゃ、こんな日は来なかったのにね。」


声を出す事も出来ず、ただ立ち尽くしていた。


「いつも言ってただろ?おまえはいつか修羅場に出会うってさ。」


「それがおまえだったのか…。」


「結果的にはね。まぁおまえがここまで奈々に惚れてくれたのは嬉しい誤算だったよ。」


うつむいてる俺を残して2人は去っていった。

不思議と涙は出ない。



あと数時間で今日が終わり、明日が来る。

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