表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/47

20 来訪。

本日、朝に1本あげているのでそちらから見て戴けますと幸いです。


 声が出せないままフィーの了承を得ようと視線を向けると、フィーは即座に「嘘ぉ!」と両手で口元を覆い、幸せに満ちた顔で喜びを表し大きくコクコクと頷いた。

 それを見て、私もメイドに了承を伝えると、来た。ドドーン!という打楽器と、悪役が登場する音楽が私の中で大きく鳴ったような気がした。

 兄さんたちが颯爽と扉から入ってきた。


「な、何その格好……」


 兄さんたちが近年あまり見ることのなかったきらびやかな正装に近い格好をしていたのに驚き、挨拶も忘れて驚きが先に声に出てしまった。


「ニナ、お前こそ何やってんだよ。ここは妹を泊めてくださってありがとうございますぅ!きゃー!とか言ってられる場所じゃねーんだよ、解ってんのかよ」

「で、ですよねー……、はい、解ってます。でも気を失っている間に運ばれてしまって」


「気を失うぐらいなら、助けんなって」

「え! 兄さんだってそんな場面に遭遇したら勿論助けるでしょ?」


「俺は気を失わずに助けられるからいいんだよ。海はちゃんと専門の訓練を受けたレスキューの人とかいるんだから、自分の能力を過信して勝手に助けて迷惑かけるなら、ちゃんと助けられる人を呼びに行くべきだったのでは?」

「あ……、はい、ご、ごもっとも……」


 ひたすら口ごもって体制を低く低くする私をよそに、フィーは立ち上がって兄たちに椅子をすすめた。はっ、ねん挫している人を立たせてしまった…、ごめん。



「あ、ありがとうございます、お気遣いなく。もう帰るんで」


 そこで申し遅れました、お久しぶりです……とフィーと兄さんたちとで挨拶が交わされた。

 ジェス兄さんの声、久しぶりに聞いた。そっか、この人たちは初対面じゃないんだ、九年前に顔を合わせてるんだ。


 それにしてもフィーに対する口調と、私に対する扱いが全然違いすぎる……、ううう。


「もう帰るってまたそんなこと言って……、あ、そういえばどうやって来たの?」

「転移魔法」

「うわ……、ごめんなさい。とんでもなく魔力使うやつだ。あ! 私の魔力いる? 分けようか?」

「いらない。ある程度回復したらすぐに帰る」


 あ、無言のジェス兄さんがラディ兄さんの後ろでひっそり背中に手をあてている。たぶんあれでラディ兄さんの魔力を整えてるんだろうな……。


「そういえば、ニナ、倒れたってもう体調は大丈夫なのか?」

「うん。でも、それ聞くの遅くない?」


「だって見た目ぴんぴんしてるし。魔力起こして貰ったのは? 大丈夫か?」

「うん、二回に分けてやって貰って大丈夫だった」

「ふうん」 


「そうだ、私が昨日兄さんの魔力を使ったのって解ったの?」

「そりゃあ、あんだけ大きなの使ったら。でも離れていたし、ちょっと確信がなかったから確認しようと昨晩通信機繋ごうとしたのにお前は出やしないし。そうしたら今朝、南から緊急の連絡が入って報告を受けて。来るしかなくなったんだよ」


「すみません……」

「悪いと思っているなら、今すぐ北の当主を継いでくれ。俺は引退するから」

「無理です」


 フィーが無言のまま、私の隣に移動して座ってぽかんと私たちを見ていた。


 ホテルに荷物を取りに行って貰っていて、あと数泊ここに居るともりだと言ったら本気でこのまま連れて帰られそうだ、ヤバい。むしろ早く帰って貰いたくなってきた、どうしよう。



 その時、扉が再びノックされたので「どうぞ」と言うと、アークとヒューがきっちりした格好に着替え、緊張した面持ちで入ってきた。二人とも格好いい。

 二人は兄さんたちに格式ばった挨拶をすると、すぐ南のご当主もこちらに戻るから部屋を移動してくださいと告げられて。ああああああ、どんどん大事になっていく……!!


 しかし、フィーはともかく、ヒューもなんでそんなキラキラした目で兄さんたちを見ているんだろう、ううう。

 


お読み戴き、本当にありがとうございます。

明日もがんばります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ