その1 クローゼットの闇
その時、自分は自分の部屋で洗濯物をしまっていた。
しまり終わり部屋を出ようとしたところ突然部屋が暗くなり後ろから何かに引っ張られる感じがした。
電気が消えたことに驚きながら振り返るとクローゼットがあり、中に得体の知れない闇があった。
(なに・・・あれ?なんか・・・怖い、なにか・・・嫌だ)
そう思い部屋を出ようとしたが強く引っ張られてしまいドアから離されてしまった。
闇だ。闇が引っ張ってくるのだ。
自分を引っ張る力がだんだんと強くなっていく。
強く引っ張られることで立つことが難しくなり倒れてしまった。
(あ・・・いやっ・・・怖い、やだ・・・やだぁ!)
近くにあった勉強机にしがみつき闇に引き込まれないように耐える。
このままじゃ死んじゃう。そう思った。
どうすれば逃げられるかは不思議と分かっていた。
ドアを開ければいい。なのに、
ドアを開ければこの闇は無くなる。ドアを開ければ呑み込まれない。ドアを開ければ死なない。ドアを開ければ・・・。
そうやって思考の渦に呑まれて、ただ怖くて動けない。
もう無理、もういいや、そう思ったときにドアの隙間から光が漏れていることに気がついた。
(明るい・・・明るい、明るい!)
そして希望が見えた。
ただ逃げられるだけでは動けなかったのだ。その先に安心できるものがなければ動けなかったのだ。
さっきまでの思考の渦はもうなかった。もうその光に辿り着くことしか考えられなかった。
立ち上がりドアに向かって歩き始める。
この間も闇に引っ張られ続けている。だが1歩進むごとに少しづつではあるがたしかに距離は縮まっていた。
半分ほど近づいたところでもう立つことは出来なくなっていた。
だが這いつくばりながら進む。進む。進む。
そしてついにドアに触れた。あとはドアノブを捻り開けるだけだ。
壁にあるわずかなでこぼこを掴み立ち上がり開ける――――。
そこで目が覚めた。
あの夢はただの夢だったのだろうか、それとも・・・。
こんなだめだめな小説を最後まで読んでくれてありがとうございます。
まだまだ直せるところがあると思うので気が向いたら直していこうと思います。