6/27
6章「白色怪盗」
「・・・ん?」
屋根裏で寝ていた僕は、太陽の光で目覚めたらしい。
「行くか」
着替えて階段を降りた。
・・・・・・
「おはよう。マスター」
「・・・」
昨日の雨はすっかり止んで、晴天が広がっている。
いつもの朝食と、新聞が用意されていた。
『怪盗E美術館に現る!!』
早速昨日の事が載っていた。
「仕事が早い事で。次はどうしようか・・・」
新聞をめくっていくと、もうひとつ記事があった。
『Eに挑戦か!?謎のもう1人の怪盗』
そこには、取材班が撮影した写真が載っていた。
白い影が写っているのみだった。
「まあ写真に載らない事は基本として・・・白色の怪盗か。舐めてるな」
当たり前だが衣装は目立たない方がいい。
金がなくても黒染めはするべきだが。
「・・・どうするつもりだ」
マスターがふと僕に向かい言った。
「僕に挑戦なら勝手にしてくれたらいい。何時でもかかってこいって感じかな」
珈琲を飲んで、次のターゲットを決めつつ答えた。