3章「角畑警部補」
「・・・!?応答しろ!流離警部!!」
全員を縛ったので、無線に応答出来ない様だ。当たり前か。
「・・・しまったな」
裏口から逃走しようと思ったが、周りを警官達が取り囲んでいる。
「さて・・・」
・・・・・・
「ああ流離警部・・・何処へ」
突然静まり返った美術館を、俺は見つめていた。
「角畑警部補!体温レーザーの判定により、Eの消失を確認致しました!」
「・・・逃したか。まあいい。対怪盗隊を救出するぞ。第2、第3鎮圧隊は、館内に向かえ!」
ドタドタと足音が響き、消えた。
後ろの方は市民を抑える為、警官達が抑えている。
だが、その中に混じろうとする警官が1人いた。
「おい、止まれ」
その警官は声に応じず、進み続けた。
「聞こえないのか!止まれ!」
その警官、いや、Eは止まった。
「・・・折角穏便に済ませようとしたのに」
「穏便にお前を捕まえる事なんて出来るものか」
警帽をEは投げ捨てた。
「・・・で、どうするつもり?とっ捕まえて拷問にでもかけるつもりかい?」
「情けない。お前はどうせ、所の先で変装して、逃げるだろう。捕まえても意味が無い」
「それは有難い。逃げさせてもらおうか」
「だが」
警棒を構えた。
「必ず、お前を捕らえてやる。E」
そう言うと、Eは闇の中に消えていった。