2章「流離警部と怪盗」
撃って10秒程した後、警官達がやって来た。
流石、流離警部の対怪盗隊といったところだろうか。
「・・・フフフ。怪盗Eを遂に追い詰めた!しかし、こんなちゃちな警報に引っかかるとは、間抜けめ!」
小さい身体で長い髪を振り回し、まるで小型犬みたいに吠えている。
「こんばんは流離ちゃん」
「子供扱いするなぁ!!」
顔を真っ赤にしている。阿呆か。
でも彼女は名門大学を飛び級して、警部まで登り詰めたのだから、あながち馬鹿にできない。
「・・・でも、僕がこんな物に引っかかると思うかい?」
「・・・?」
そう言い、ピストルと剣を取り出した。
「遊んであげるよ、久々に」
「成程、長年お前を追いかけてきたが、やはりそうか・・・」
「君の部隊結成して半年だけど」
「やかましい!!総員かかれぇ!!」
その掛け声と同時に、20人程の盾付きの警官達がこちらに駆け出した。
「・・・」
間合い、速さ、武器の強さ、それらを計算し尽くしようやく僕の怨念は発射される。
出ろ!と意識しても何も起きない。
この為に、僕は計算の方法を学び、一般の人より遥かに高い知識を得た。
そして、その努力は今発揮されるのだ。
20人と流離、それ等の天井からの距離を測り・・・。
「もう、見切った」
瞬間、怨念は天井から鎖の様に発出され、僕以外の人間に巻きついた。
腕を固定され、翌朝までは身動き1つ取れないだろう。
流離は天井に逆さ吊りにされていた。
「ああっ、クソ!!絶対に私は諦めないぞ!!必ず貴様を捕らえてみせるからな!!!」
「そう。頑張ってね」
そう言い、美術館を出た。
はぁはぁ流離ちゃん可愛いよ流離ちゃん