【目指せグランマ】クッキーフリーカー 〜つよくてかわいい新戦力〜【WD特別企画】_その3
…………はいっ! おまたせしました! 無事に生地を落ち着かせられた作戦の無事がどうやらぶじにせいこうしたみたいですね! わあ! さすがわたしです!
そう、作戦! 作戦ですので! 視聴者さんの目には『局長が体力使い果たしてしんだ』ように見えちゃったかもしれませんが!
これは作戦! れっきとした作戦でして、つまりはかんぺきなよていどおりというわけなのですよわはは!
「うざ。そのノリずっとやる気?」
「ちょホぉ! シズちゃん声! ……まぁ編集で摘めば良いんだけど」
「だって……いい加減そろそろウ」
「ごめんって! あやまるから! まじめにやるからゆるして! やさしくして!」
「最初から真面目にやって。今回はボクが依頼人。費用ボク持ち。材料費請求するよ」
「ハイ。申し訳ございません」
…………と、いうわけで!(撮影再開)
こちらに仕上がりました、およそ二〇キロのクッキー生地でございますが……次の工程はですね、まずは四つに分けていきます! こう……『あなたたちを分断つ!』って感じですね! はいエクソダス! ズドーン!!(にぎにぎ)
だいたい目分量と持った感じで、大きい塊を一つと小ちゃい塊を三つ。割合的にはそれぞれ、四対二対二対二くらいですかね? いや小ちゃいほうでも重さ四キロはありますが。
これでこの……大きい塊をプレーンの生地にしまして……小ちゃい塊はですね、それぞれココアと抹茶とイチゴで着色および味付けしていこうと思います!
もうここまで来たら直接コネたほうが早いので、この……わたしのデクスタリィなお手手でですね、ラップを張った作業台でコネコネしていきましょうね。
ではまずは……イチゴ味からいきましょうか! ピンク色のかわいい生地になる予定です!
こちら、フリーズドライのいちごをポリ袋に入れてガンガン叩いて粉々にしたやつなんですけど、これとクッキー生地を、コネコネして混ぜ合わせて…………あー、やっぱフリーズドライだけだと色味が足りないので、食用色素(赤)を少しずーつ少しずーつ加えて、色味を調整します。
まんべんなく、均一にきれーなピンク色になるように……こんなもんですかね? ……うん、良さそうですね。
ということで、これで『イチゴ味の生地』が完成しました!(ぺしーん)
それでは同様に、ココアパウダーと抹茶パウダーで、それぞれ茶色と緑色の生地を作っていきましょう!
コネコネ。
コネコネ。
…………もうちょっと足そう。
コネコネ。
ぐにぐに。
ペーン! ペシーン!
…………はい! 無事に四色の生地が揃いました!
いやー、こうして並べてみると、やっぱきれいですね! これらの生地を使って、これから模様とか作っていくんですけど……えっと、その前に……ですね……。
………………この生地…………これから冷蔵庫で、冷やさなきゃならないんです、ね?
「…………は?」
「えっとあの、ですからですね……これから冷やして、固めまして」
「…………何分?」
「いやあのえっと、ええっと…………ゴメンナサイ、どうせなら切り分ける前じゃなくて、こっちで休憩取ればよかったです、ね……?」
「……………………何分?」
「だ、だって! だって……実際カラダ疲れちゃってたんだもん!」
「…………………………」
「……………………ろくじゅっ、ぷん、くらい……です」
「…………休憩……好きだね?」
「申ひ訳ございまひぇんッ!!」
……と、いうわけで……これから冷やし固めていきますよォー!(撮影再開)
それではこれからですね、まずは生地をそれぞれ、平べったく延ばしていきます。
とりあえずは冷蔵庫で冷やすための均しなので、目安としては厚さ二センチくらいでしょうか? アホデカイままだと不便なので、小分けにしながらラップで包んで、SoYeah順番に延ばしていきますYo!
…………ごめんなさいホントごめんなさい出来心で……ハイ……まじめちゃんになります……はい……ラッパー引退します……。
ころころ。
ごろごろグニグニ。
ペーンペーン!
ぎゅっぎゅ。
ペチーーン!
…………………………
……………………
…………
というわけで! アー! やっっとぜんぶ延ばし終えました! もー腕ぱんぱんなんですけど!
えー、それでは、この、合計二〇キロの、小分けしてラップしたカラフルで平べったいクッキー生地を! ……一時間…………から二時間ほど冷やしていきます!
それではまた二時間後! お会いしましょう! でわ!!
「…………言い残すことはある?」
「いえあのその、エット、あの、わたし最初から六〇分くらいって予防線張って」
「二倍になると話違ってくるよね?」
「アッ、(ッスゥーーーー……)あの、大変申し訳」
「ていうか……冷蔵庫、入る? その量」
「…………………………」
「…………………………」
「………………は、はいらな……むり、です」
「…………はぁ…………何でボク……あんな提案したんだろ」
「いえあのスンマセンほんと! できると思ったんですが! おもしろいと思ったんですが! どっこい確認不足でした! 申し訳ございません!! ……かくなる上は氷屋さんで板氷買ってきてミルフィーユ氷サンド作戦で」
「ていうか【魔法】使えばいいじゃん」
「アッ!!!」
「【空間掌握】【冷却・微】……ていっ!」
調理用のスチールバット(※スポーツ用バットではない)に生地を並べ、またスチールバットを複数層重ね、それらを纏めて範囲指定して一括で【冷却】する。
本来なら業務用大型冷蔵庫が必要そうな工程でも、こうしてラクラク冷やせちゃう。……そう、ノワチャーンならね。
まぁさすがに魔法使ってるところは映せないので、そこは編集でなんとか誤魔化すとして……後付けで『板氷ミルフィーユ作戦しました!』とかデッチ上げりゃあなんとかなるだろう。
というわけで、これで『クッキー生地の冷却』工程もクリア。あとは冷やし固められた生地をカットして組み合わせ、あの独特な市松模様を作っていくわけだ。
そこまで行けば……ゴールは近い。二〇キロ超の生地から果たしてどれほどのクッキーができるのか、それは正直楽しみでもある。
……それではですね、例によってまた時間の関係上ですね、この【冷却】の時間で小休憩とさせて頂きたいわけでございまして……ハイ。
何がとか詳しい名言は避けますが、ちゃんと当日までにはメデタシメデタシするように間に合わせますので……ええ。
…………もう少しだけ、お付き合い下さいな!




