【緊急特別企画】どきどき★なんばーわんばにーさん決定戦【ばにーさんの日】_その1
ばにーさんの日なので大急ぎで書いてます(現在進行系)
時系列とかあまり気にしないでください、深い意味はありません。よろしくおねがいします。
「らびりぃ! 御ッ機嫌よう御座いまする! 親愛なる視聴者のお兄様お姉様だんな様ほか紳士淑女の皆々様! 愛され系美少女うさぎちゃん配信者の朽羅に御座いまする!」
「もごもご」
「わっはっは! みんなヘィリィ元気してるかい? 万能系実在仮想アシスタントフェアリーのラニでございまするよぉー!」
「ふも、ももっご」
『ヘィリィたすかる』『へぃりぅぃ!!』『初手緊縛かぁ……たまげたなぁ』『おい配信ジャックされたぞwwww』『【¥45,450】ぱんつが見えない。やり直し』『もごもごのわちゃん……』『局長なんでいつも虐げられてるん』『実在エルフの貴重な拘束シーンたすかる』『【¥8,282】開幕すけべ見舞金』『よわよわされるもごちゃん』『かわいそうかわいい』『くっちーかわいい泣かせたい』『ふーんえっちじゃん』
さてさて皆様、ご無沙汰しております。
実在仮想配信者の自称先駈け、健全で美しくすこやかな配信を提供する魔法情報局『のわめでぃあ』の、たいへん健全な生配信のお時間がやってまいりました。
……ええ、開幕拘束されておりますわたくし、こう見えて弊放送局局長の木乃若芽と申します。局長やぞ。
以前ラニちゃんに拘束ヘィリィされたときとは異なり、今回は後ろ手縛りにボールギャグを咥えたパターン。視覚と聴覚を塞がず、行動と発言のみを封じたタイプですね。本当いやらしい。
さてさて。わたくしがどうして現在、こうして健全に拘束されているかと申しますとですね、それはひとえに朽羅ちゃんが珍しく『小生とびっきりの配信案を考えつきまして御座いまする!』とヤル気になってくれたからにほかならないわけです。
かわいい部下は褒めて伸ばすタイプの局長はですね、そのヤル気に応えてあげようと『おれに手伝えることなら何でも言ってね』などとやさしいフォローのお言葉を掛けてあげたところですね、どこからともなくスケベフェアリーが錐揉み回転しながら飛んできましてですね。
あれよあれよという間に……本人たち曰くの『演出案』をまとめ上げてしまったわけでございましてですね。
おれは『(略)何でも言ってね』と言ってしまった手前、よっぽどよろしくない演出案でもなければ却下しづらい立場なわけでですね。
決しておれが緊縛に目覚めたわけではないので、そこんとこだけは釈明させていただきますね。まぁおれ今喋れないけど。もごもご。
「本日はですね、なんと聞くところによると『ばにーさんの日』ということに御座いますれば、それすなわち愛され系うさぎちゃんであるところの小生のための日と言っても過言では御座いますまい!」
「ももうごもごうも」
「そこで本日は親愛なる『うさめでぃあ』の視聴者諸君のため、小生一肌脱いで御覧に入れましょうや! 存分に『ばにーさん』を堪能させて差し上げましょうという催しに御座いまする!」
「ヒュー! さすがクチラちゃんすごい! かわいい! まぞがき! わからせ!」
「ンっフフフゥー! ……えっ?」
「ももごもご…………」
さてさて、朽羅ちゃん(を扇動した黒幕ラニちゃん)プレゼンツで行われる、本日『ばにーさんの日』ならではの催し物……おれが今こうしてふん縛られてることからお察しいただけるかと思いますが、なんというかあれです、おれが恥ずかしい系のやつです。
というのもですね、暗躍が得意なラニちゃんには一定のレギュレーション下(※下着を見せない、肌色を見せ過ぎない、不健全な接触をしない、食べ物を粗末にしない、など)において、ある程度までおれの扱いを許可しているわけでして。
つまりその『健全レギュレーション』に則り、なおかつ視聴者さんが喜んでくれる内容であれば、おれは全面的に協力するよというスタンスなわけですね。
……おれが恥ずかしいくらい、どうということは無いのだよ。なぜならおれは局長だから。
「さ、さて……それでは説明に移らせて戴きまする! 本日の催し物、題して『どきどき★なんばーわんばにーさん決定戦!』 生粋の愛されうさぎちゃんである小生と、小生のご主人どの! いったいどちらが『ばにーさん』として格が上であるかを競うものに御座いまする!」
「もごもめめもっも……」
「さてそれでは下拵えと致しまして! あちらの『どきどき★生着替えぶーす』に勝負に相応しい装束を用意して御座いまする! ……つきましては、ご主人どの! 早速『生着替え』をご所望致しまする!」
「もっもも」
『生!?』『バニーちゃんか!!!』『エッ!!!』『ナマ着替え!!?!?』『まじかよロリバニー!?』『【¥1,980】ナマ一丁』『うそ!?タダで見ていいの!!!?』『ロリエルフバニー!!』『【¥10,000】えちちありがとう』
イケイケの朽羅ちゃんとノリノリのラニちゃんに引っ立てられ、おれは見た目だけは抵抗しながら『どきどき★生着替えブース』へと連行されていく。
もちろんラニちゃんはしっかりと『健全レギュレーション』を順守してくれているので、そこまでエッッなことは起こらない。生着替えブースと銘打ってはいるものの、その実態はブティックであるような試着室だ。カーテンで仕切るやつ。ちなみにこちらおにわ部が見事な仕事を見せてくれました。
試着室へと押し込まれ、逃走経路を絶たれ、そこでやっとボールギャグと赤ロープを外される。
不承不承感を装いながら、精一杯のジト目で主犯格二人を睨みつける。
「ほんと、まったく…………ここまで来ると逆に感心ですよ。わたしにこんなことをして喜びますか、この変態どもめ」
「えッへへェー」
「ありがとうございます!!」
「うわぁ……だめだこいつら」
……はい、だめそうです。ついでに視聴者のみなさんもどうやらダメそうです。えちちじゃないんだよ健全だって言ってんじゃろ。
空気を読んでプロ根性を発揮し、おれはすごすごと生着替えブースへ引っ込む。
カーテンをしっかり閉めて、マグネットテープでピチッと止めて、これで万が一にもカーテンがププッピドゥする危険性を排除。
あとは、この……ご丁寧にもおれにピッタリなサイズで誂えられた『ばにーさん衣装』に着替えればよい……らしい。
まったくもって手が込んでいる。正直はずかしい気持ちも無いわけではないのだが……おれにそこまで働きを期待してくれているというのなら、その期待に応えてあげようではないか。
「それでは制限時間は百二十秒! はいヨーイドン!」
「待って! それは聞いてない!!」
「んッフフへー! お話していて良いので御座いますか? 時計は進んで御座いまするよ、ご主人どの!」
「オッケーわかったやっぱ泣かす」
「ぴュっ!?」
ローブを脱ぎ、半袖シャツと長袖インナーを脱ぎ、意を決して脚を片方ずつ下着から引き抜く。
生着替えブースのカーテンは脹脛くらいの高さまで下りているので、脱いだ下着や大切なところがカメラに映ることは無いだろう。
ヤる気に満ちたおれはわずか二十秒そこらで全裸へ、そこからは説明書を見ながら『ばにーさん』を身に着けていく。
初めて見る衣装ではあるのだが、叡智のエルフの読解力と思考加速に掛かれば、手惑うことなどあんまりない。
かくして……スタートからわずか六十秒そこらで、とてもとても可愛らしいエルフのばにーちゃんが姿を現し。
「ラニちゃん。棗ちゃん。……犯っておしまい」
「「御意」」
「えっ!? ちょ、ヒャっ!? え、ぅやっ、そ、そんにゃ!? い、ヒやっ! 小生は! 小生はうまれながらのうさちゃんでありますがゆえ! ちょっ、待っ!! 小生は既にうさちゃんでありますれば! 斯様に破廉恥なる装束を纏う必要など御座いませアッ!? ちょ……ひゃんッ!? ど、どこを触って……というか! 何ゆえ破廉恥なる装束がもう一着用意されて居るので御座いましょうや!?」
「剥いていいのは剥かれる覚悟のある者だけなんだよ、朽羅ちゃん」
「悲しいけど、これってシナリオ通りなのよね!」
「わかめどのの仇なのである。神妙に剥かれるがよい」
『やべーぞエッチだ!!』『ハレンチなる装束wwww』『健全とはなんだったのか』『ほう、スケベカウンターですか。大したものですね』『うーん破廉恥』『くっちーかわいそうかわいい』『調子に乗るからぁ』『やっぱくちらちゃんはこうでないと』『自業自得うさぎ』
「ぐ……この、ッ! 往生際が悪いぞ変態兎めが!」
「はーい諦めて脱ぎ脱ぎしましょうね……えっ、濡れ」
「ごしゅじんどのぉぉぉぉ!!!!」
人を呪わば穴二つ。良い経験になったね、くちらちゃん。
ドッタンバッタン大騒ぎな生着替えブースを、おれは武士の情けで百八十度後ろ向きに回してあげる。
これならばたとえカーテンがププッピドゥしてもカメラに映る危険は無いので、存分にもみくちゃにされてしまってほしい。
もう一人の参加者の準備が整うまで、おれはカンペを拾い上げ『どきどき★なんばーわんばにーさん決定戦!』の詳細について、視聴者さんに説明を始めたのだった。
かわいらしいポーズ(※健全)を『これでもか!』とお見舞いしながら。
お陰ですぱちゃいっぱいもらった。やったぜ。
間に合えば今夜後編投稿します。
間に合わなかったらばにーよんの日以降になるかもしれません。




