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俺様アレルギーの私が俺様属性に愛される悪夢みたいな話  作者: Sio*
俺様アレルギーの私が俺様属性に愛されるまで
4/11

03.とりあえず書いてみました。

「それにしても、作詞、かぁ…」


とりあえず言葉を並べてみたが、ぶっちゃけよくわかんない。

もちろん、如月野央として生きてきた記憶はある。あの詞も私が書いたのを覚えている。

それでも今は前世の記憶もあってあの平均的な私が顔を出す。くっ、今は邪魔だ…っ!


「しかし、ドラマの主題歌ねぇ」


たしか航大ルートも、彼が主演する映画の主題歌を書くことになっていたと思い出す。

他は…えっと、一樹がドキュメンタリー特番での共同作詞、陽斗が主催ファッションショーのテーマ曲、望夢が10周年アルバムだっけなぁ…。

つまりルート変更はなかった、と。


あまりにも苦手すぎて彼のルートをプレイしてこなかったことを悔いる。いやでもこの調子だったら私途中で投げ出してるわ。


とりあえずさっき貰った資料を読んでみる。ついでに原作ももう一度読み直してみよう。

作詞のヒントが隠れてるかもしれないし!


「うっそ、5人が主演なの!?」


5組のカップルが登場するこの作品、その男性キャストがElysionだったのだ。

なるほど、本来ならコンペとかあって良いだろうに、主題歌に確定していたのはこのためか…。

それに、資料を読み込めば読み込むほど、彼らにピッタリのキャスティング。

純粋にファンとして、楽しみになってきた!


「よし、頑張るぞ!」


如月野央としての夢のため、そして、自分の大好きな作品を最高のものにするため、私は気合を入れ直した。






「駄目」


「デスヨネー…はは…」


とりあえず完成させてみる!を目標に書き上げてみたが、ぶっちゃけ自分では全く良いとは思えなかった。

でも、人によっては良いと思うかもしれないと思って、アルバム作業に勤しんでいる望夢の元に持ってきたのだ。

まぁ知っての通りバッサリでしたけどね!!


「これくらいなら小学生でも書ける。今までなにしてたの?」


「ヒェッすみません!自分でもよくわからなくなってきてて、少しでも突破口を開ければと思ってて…」


「…プレッシャー?」


「………はい」


「そう…」


あれ、黙った。

望夢の鬼畜モードは、期待の表れ。それがなくなるのは期待しなくなった証。

え、ちょいまてこれまずいんじゃ。


「ここ」


「え?」


「このフレーズ、いいと思うから使って」


歌詞に赤ペンできゅっと丸をされる。

あ、1番最初に浮かんだところ…。


「これを軸に考えていけば、きっと良くなるよ」


「ニナさん…っ!ありがとうございます!!」


よかった、全部が悪いわけじゃなかった!

それだけでほっとしたのか、足の力が抜けてへなへなと座り込んでしまった。

望夢はもう、作曲モードに入っていて私を見ていない。


よかった、頑張る。

これだけで頑張れる。


「ふふっ」


ずっと好きだったキャラから貰った赤マルは、私の宝物になった。

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