すろーらいふ!と4次スキル その2
まずは両手剣が一つ目の4次スキルを取得しました。
『範囲系』という系統に属する4次スキル『クロスブレイク』です。
これは超絶かっこいいスキルでした。斬り上げ斬り下ろしの素早い2連撃を放つスキルなのですが、二つの剣閃が重なってXの字を描くのです。
我々は大盛り上がりで、口々にのしげさんを褒め称えました。普段はクールなのしげさんも、この時ばかりは照れくさそうにしていました。
しかし今思えば、これ別にのしげさんの功績ではありませんね。
そして次は『連撃系』という系統です。連撃という名前ではありますが、それよりは剣舞といった雰囲気の系統です。威力が高くて使い勝手もよく、それに何よりかっこいい。両手剣といえばこれ、という程の花形スキルの系統です。
それに反して、実は先ほどの範囲系スキルというのは、もっさりしてて隙が大きいとイマイチ不評だったのです。しかし『クロスブレイク』はその範囲系であのかっこよさ。嫌が応にも期待は高まります。
そして皆が見守る中、のしげさんがスキルを使用しました。
連撃系4次スキル、『旋嵐日蝕』です。
のしげさんが鬼のような形相で剣を振りかぶり、サイドスローで投げました。
剣はブンブン回りながらのしげさんから遠ざかり、物理法則を無視してブーメランの要領で手元に戻りました。連撃系とは思えないもっさりした動きです。というかブン投げたらそれはもう剣技じゃないです。
「wwwwww」
「のしげさんwwwww」
私以外の二人が笑いました。当時は『w』の全盛期で、みんな堂々と草を生やしていたのです。むしろ草は生やすのがマナーといった雰囲気すらあったほどで、それこそ句読点のように使っていました。時代を感じますね。
「ちょっとwww大事な剣投げちゃダメじゃないですかwww」
もちろん私も笑いました。
もっさりした動き、ブンブンと目の前を通過してゆく剣、キャッチする時に格好つけて目を瞑るのしげさん。その全てが何やらおかしかったのです。
のしげさんも最初は笑っていましたが、徐々に元気がなくなりました。
「……こんなの連撃じゃない」
クロスブレイクでテンションが上がっていた頃ののしげさんは、すっかりいなくなっていました。
気を取り直して、次は片手剣の番です。
片手剣はシールダーの八割ほどが使っていたメジャーな武器です。非常に安定して死ににくい反面、常に火力不足に悩まされていました。伊勢さんもそれは同じで、4次スキルには何よりも威力を求めていました。
そして伊勢さんがスキルを使用しました。『竹斬り系』という攻撃の出が早い系統の4次スキル、『レパードクラッシュ』です。
これも先ほどのクロスブレイクに負けず劣らずかっこいいスキルです。敵を真上に斬り上げて浮かせ、体を一回転させながら水平に薙ぐ2連撃です。最後は剣閃が重なってできた十字架がカッと輝く演出付きです。
なんだか神聖な感じでスタイリッシュです。我々は口々に伊勢さんを褒め称えました。
期待以上のかっこよさに伊勢さんも大興奮でした。
そしてそのままノリノリで次の4次スキルに移ります。次は『ブレイク系』という、攻撃範囲が広めの系統です。
スキルを使うとき、キャラの頭上には針吹き出しでスキル名が表示されます。その時も伊勢さんは仰々しい針吹き出しで、スキル名『デスブロー』と叫びながら剣を前に突き出しました。
そしてすぐに棒立ちに戻りました。
ブレイク系四次スキルは、なんとただ一突きするだけのスキルだったのです。
「wwwwww」
「伊勢さんwwwww」
私以外の二人が笑いました。
「ちょっとwww1次スキルじゃなくて4次スキル見せてくださいよwww」
私も笑いました。
高レベルになるごとにどんどん派手になる傾向があるスキルの中、デスブローだけがエフェクトもほとんどないただの突きだったのです。
「……地味すぎる」
のしげさんに続き、伊勢さんもしょんぼりしてしまいました。
そしていよいよ槍の番です。




