すろーらいふ!と4次スキル その1
すろーらいふ!は非常にノリの良いギルドでした。ガチガチにレベリング効率や強さを追い求めるよりも、『楽しければそれでOK!』という理念だったのです。
思いつきだけで色々な突発イベントをやりました。天空豆の樹塔の裸登頂チャレンジや裸ドリスゲーム、それに超高レベル新マップの裸探索などもしました。
思い返せば裸率が高いですね。
大体は強さに関係ないおふざけであったのですが、そんな我々にも必死こいてレベリングに走った時期があります。
レベル50台後半~70にかけてです。
実はギルドが実装される一ヶ月ほど前、各職業に4次スキルが追加されるというアップデートがありました。
これの持つ意味は非常に大きいです。
武器スキルは『系統』と呼ばれるものに分かれています。
たいていの武器で系統は二つでした。槍で言うと『打突系』と『範囲系』というものです。その系統ごとに一つずつ1~3次スキルがあったため、攻撃スキルは全部で6つだったのです。
ナックルスキルだけ『拳技系』・『蹴技系』・『気技系』の3系統だったため9つもあったわけです。ちなみに魔法は1系統。
スキルには撃ち終わりに硬直時間があるのですが、これは同系統の別スキルを発動させることでキャンセルできます。しかしスキルにはクールタイムがあるため、延々と発動させ続けることはできません。
たいていの武器で1→2→3→1ぐらいしか繋がらなかったと思います。そのコンボが途切れたら、もう一つの系統でまた同じようなコンボを始動させるわけです。
そこに4次スキルが加わると、コンボの幅が一気に広がります。
1→2→3→1→4→2→1、3→1→2→4→1→3など、コンボの持続力が大きく上がります。相手の数やHPに応じて臨機応変にコンボを組めるようにもなります。当然火力だって上がります。その分SP消費が増えて更に薬をガブ飲みする必要が出てきますが、まぁそんなのは小事です。
この何かと恩恵の大きい4次スキルを手に入れることができるのは、レベル70からです。
我々はレベル50台の後半になって4次スキルの背中が見えてきたタイミングで、全力でスキル取得のために動き始めたのです。
そしてその際、4次スキル取得時のカタルシスを引き上げるために、我々の間で一つのルールを決めました。
それは『4次スキルについて無知でいること』。
果たして4次スキルとはどんなスキルなのか、強いのか弱いのか、使い勝手の評判。そういった事前情報を全く調べずに、実際に取ってみてから皆で見せっこしよう。そこでみんな揃って初めて知ろうという、いつものお遊びの一環です。
誰が言いだしっぺだったかは忘れましたが、我々は全員このお遊びにノリノリでした。
幸いその時まで『4次スキルなんてまだまだ先の話』とのんびり構えていた我々は、誰も自分の武器の4次スキルすら知りませんでした。
そこからは重要な情報収集の場であった巨大掲示板や攻略wikiを禁止し、街や狩場では4次スキルが使われそうな気配を第六感で察知して目を瞑る、ということを徹底しました。
我々は当時の最高効率の狩場を怒涛の勢いで進みました。オバケ屋敷でオバケを狩り、海辺でカニを狩り、ジャングルで樹を狩りました。
そして忘れもしない、『リリパットフィールド』というガリバー旅行記をモデルにした小人の国で、遂に我々は4次スキルを手に入れました。
もちろん同時にレベル70になったわけではありません。先にレベル70になった人が、スキルを取らずに待っていてくれたのです。
お披露目はレベル70になった順、つまり両手剣→片手剣→槍、という順番で行われました。
そして偶然にも、我々は新しく手に入れた自身の4次スキルについて、四人とも全く同じ感想を抱くことになったのです。
長くなったので三分割します。




