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枕の下に 希望の上に(4)

駁論サーモスタット

手を握った

殺し合いをした後に

笑い合った

友人を殺した相手と

全て終わった

だから それで良いのだ

と言う人間に

僕らは出会う事は無い




人知れず泣いた意味など無い

通り過ぎる人間は言う

今はこうするべきだ

後で分かるから

感覚が無い石ころは

蹴り飛ばすのも面倒

聞き流して

いつか水滴になっても

構わないじゃないか

取り返しのつかない傷

作っても良いじゃないか

これは僕の人生で

そして

僕の知る権利だ




支え合った

奪い合いをした後に

慰め合った

家族を殺した相手と

全て終わった

だから それで良いのだ

と言う人間に

僕らは出会いたくは無い




どうしようもならない壁を

納得して

これからを

生きていこうとする事は

悪い事じゃない

だけど

何も悩まず

綺麗なだけの正解を貼り付ける

寂しい人間ではいけない

感情の中に

生産性を

向上させれるラインは無い

だから

人間は未知数なんだ




抱き締め合った

弱みをばら撒いた後に

許し合った

僕を殺した相手と

全て終わった

だから それで良いのだ

と言う人間に

僕らは成りたくは無い




憎悪の情熱を注いで作る

コンビニの

インスタントラーメン七味多め

白濁の泡が弾け

細胞が炭化する

焼ける臭いを撒き散らし

独り言が増え

そして

オフにする

切り替えとは違う

停止という意味合いが

全てを定着させる

それでも

僕らは人間なんだ




冬場の雨に

温かさが必要なら

夏場の雨に

傘は要らない

彼岸花が咲いて

その赤が黒ずむまで

変わる事は無い




とある人同士は

歪み合う

それが人であって

とある人同士は

殺し合う

それが人であって

とある人同士は

愛し合う

それが人であって

とある人同士は

許し合う

それが人であって

全ては

ちゃんと人である事が前提であって

半人前である事が前提では無い




半人前の世界になったから

僕らの周りは五月蝿くなった



誰もが半分で歩いている

傷つける事が

いけないのなら

傷つく事を恐れるのも

いけない事なのだ

一つを守っているだけじゃ

人にはなれない



誰もが半分で歩いている

感情が一つの場所を決めて

動いていかない

喜怒哀楽は四つあるから

幸せなのだ

一つの場所に居るだけで

そのままで良いのなら

君の感情は

直ぐにプログラミングされる

増産される感情に

意味など無い



誰もが半分で歩いている

もう半分の顔を見る事なく

誰もが半分で歩いている

五月蝿い声で歩いている

だから

僕らは人間なんだ









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